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物語で考える人生


はじめに・・・

はじめに皆に問いたい。

『我々は、どうしてここまで不完全で不確実な世界で生きているのだろう?』



この物語の主人公のレムだってそうさ。

いつも悲観的な不完全な心を持っている。


心だけじゃない。この世の中はいつ戦争が起こってもおかしくない。いつ争いが起こってもおかしくない。まさに、不確実な世界だ。



そう、
この物語は、そんな不完全で不確実な世界を舞台にしている。



因みに。物語を始める前に皆に問うたのには理由がある。

今は平和でも明日は何が起こるか分からないという不確実な世の中から、核兵器が生まれたのだから。


第一章 SOS. レムの悲鳴


「助けて」

「助けて」

「助けて」

誰にも伝わらない。ぼくのSOS。


「痛い」

「痛い」

「苦しい」

コイツはオレのお腹を何回蹴れば気が済むのだろう。


どうしてぼくだけ・・・



それは、先生が出張でいない二人だけの実習の時間。勉強嫌いな彼は、ぼくが課題をしているといつも邪魔してくる。

「やめてー!」というと、
ぼくに言い返されたことが腹に立ったのだろう。急に椅子から引きずり落された。



気づいたらぼくは、この場に倒れて、蹴られていた・・・

・・・

・・・

・・・

この場に倒されてからどれくらいの時間が経ったのだろうか。


まだ助けは来ない。

密室でサンドバックのように蹴られ続けられる・・・しまいには、みぞおちに足を乗せ、全体重をかけてきた。

息ができない・・・


「殺される・・・」



これが、ぼくの一日。学校での地獄の日々だ。


幸い怪我はなかった。
しかし、ぼくの心には大きな傷を残した。一生治らない心の傷を。


元をたどれば、ぼくが障害者として産まれたから、こういう目に遭うのだ。神様はどうしてぼくをこんな姿に産んだのか?!


醜いぼく。普通に歩くこともままならない。
びっこを引くようにヨタヨタ歩く。その姿が面白いのか年下の子にまで、僕の歩く姿を真似された事もあった。


ぼくが歩くとみんなジロジロ見てくる。
ぼくは動物園にいるお猿さんじゃないぞ!と無念さが入り混じった怒りが湧き上げてくる。
ぼくにだって感情はあるのだ。


見るな!見るな!み~んな見るな~!
この世界なんて無くなってしまぇ!


いっそのこと、こんな世界なんて無くなって、平和でみんな平等な世界を作ってしまぇ!

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