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硝酸は強酸なので危ないですよ!


いつもありがとうございます。

現在、化学工場への訪問が殆ど休止となっていますが、心配になりましたので備忘録のために記事にしました。

とある工場で一斗缶から流出した硝酸を素手で雑巾で掃除をして8名の方がやけどをし搬送されたと言うニュースを見ました。

硝酸は塩酸より少し劣りますが強い酸です。皮膚に触れればやけどをするし、蒸気を吸い込むと肺がやられる可能性も高いです。硝酸を扱う場合は基本保護メガネ、保護マスク、保護手袋着用です。硝酸は水に溶けやすいので皮膚に触れた場合は大量の水で洗う必要があります。

消防法危険物第六類(酸化性液体)に属し、指定数量は300kgです。この300kgがくせ者に感じますね!それ以下で一斗缶などで少量扱う場合は届けを出さない、そのまま長期間倉庫に保管などして今回のような事故につながると思います。

硝酸 HNO3  分子量 63.02  沸点85.5℃  融点 -42.3℃

過去に誤って7g程度飲んだ人が死亡した例があります。アンモニア・硫化水素・二硫化炭素などと混ざると爆発します!!

                  (参考資料:溶剤ポケットブック)


硝酸は光に弱いために保管場所にも注意が必要ですね。光に当たると黄変してNO2などを発生し、空気を汚します。いわゆるNOxです。自動車の排気ガスやエアコンなどからもNOxは出ていますので、部屋の中の黄ばみの原因の一つかもしれませんね。

今回のように、硝酸が一斗缶からこぼれてしまったらどうするか?

風の方向を確認して、風上に移動しこぼれた個所を距離を保ち隔離をする。そして先ほどの保護具に防護服も必要かと思います。雑巾では無く乾燥の砂などを用いて吸収させ、専門の廃棄業者に依頼して処理をする。

                (参考資料:硝酸安全データシート)

※注意)これだけではありませんので、安全データシートをよく確認してください。


余談ですが、学生時代に実験室で塩酸と硝酸どちらが10円玉が綺麗になるか試したことがあります。今思うと危なかったですね!銅と硝酸、銅と塩酸。どちらも煙が沢山出て来て、悪臭がただよい、急いでドラフトチャンバー(排気ダクト付の実験台)の中に入れ、10円玉を取り出しました。

結果はどちらも綺麗になりました・・・

なんだこの匂いは・・と先生が来て、メチャクチャ怒られました!!!忘れられない出来事です。(実験の失敗は色々ありますが・・・)

なんと、学生時代の記念に今でも持っています(笑)


皆さんも、工場の端っこで眠っている一斗缶には注意してください。一歩間違えると大惨事になります。今はネットで直ぐに確認できますので、気なる方は調べてください。



いつも最後までありがとうございます





このような事故があるととても気になってしまうので、久しぶりに仕事に近い記事を書いたような気がして、仕事をしたような気分に浸っています・・


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