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ほとけさまのおしえ「馬鹿」

 数十年前、高校の卒業式の挨拶で校長先生が「君たちはもっと馬鹿になりなさい。」と話したことを覚えています。

 普通なら「賢く生きる」ように勧めるはずなのに、なぜこんなことを言うんだろう?と不思議に思ったものです。

 でもあれから数十年たった今、この「言葉の意味」がようやくわかってきたような気がします。

 賢く生きるとはつまり、「はみ出さずに冒険せずに、躓かずに合理的に」生きるように努力することではないかと。

 それはみんなから羨ましがられ、憧れられるかもしれません。

 でも今生の終わりに自分の人生を振り返って、もっと「馬鹿をすればよかった」と後悔するような気もしております。

 そして情熱をもって社会を進め人生を切り開くには、「馬鹿と思われること」に真剣に向き合う姿勢も必要かなと思うのです。

 社会が振り向きもしないようなことでも大切なことならば人目を気にせず突き進む心持ちは、やがて世界を変えていくのかもしれません。

 そしてお釈迦様も親鸞聖人も、そういう生き方をされたのではないかと思うのです。

 アップルの創業者、スティーブ・ジョブスも病気を患いながら大学の講演で「ステイハングリー、ステイフーリッシュ」と学生たちに伝えました。

 馬鹿と言われるようなことの中にこそ、実は本当の生き方が隠されているのかもしれません。


☆今日の一句☆

 賢いと
   馬(うま)いこと鹿(しか)
              生きられない

 

 

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