まささん

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ギンナン拾い競争

 それほど大きくはないが、寂れているというほどでもない神社が、地域の中心に鎮座している。この神社では正月に始まり年末まで、神社の年中行事はもちろん、地域のために祭りを開く。神社の参道に沿って、市の分庁舎、地域の寄り合い所、市の文化会館などが林立する。住民だけでなく、市全体がお世話になっている場所だ。  神社の参道は白い御影石でできていて、私鉄の線路から社殿に向かってまっすぐ伸びている。二人か、三人が並べる幅だ。その御影石の列の脇には、桜と銀杏が交互に並んでいた。春は桜並木が

    • AIの才能を借りてみた:ChatGPTによる記事タイトルの冒険

      昔から、ブログのタイトルや小説を書いたときの、タイトルなどをつけるのがどうも苦手でした。 照れくさいんですよね。特にブログのタイトルとか、ポップなタイトルをつけている自分がどうもね、なんか世間にこびているというか、気恥ずかしいというか。 ならば、ChatGPTにつけてもらおうということで、やってもらいました。 こちらの記事です。 こちらの記事の内容をChatGPTにみせました。画像部分は渡せませんでした。そして、記事のタイトルをつけてくれ、と依頼すると出てきたタイトルが

      • 気圧性の頭痛? 花粉症の頭痛?

        昨日の夜は地獄を見た。夕飯を食べた後、午後九時前後から、激烈な頭痛に襲われた。 痛いのは前頭葉(おでこの上辺り)と側頭葉(こめかみの奥)の二箇所で、徐々にそれが頂頭部に移動していった。 SNSで調べると、やはり両方が原因で頭痛になっている人は多かったらしい。 薬を飲まないといられないレベルであったが何を飲んでいいのかわからなかった。 もう寝てしまえと布団に入ったら、頭痛に効くツボを思い出した。それは合谷というツボで、手の人差し指と親指の交わる辺りの、少し奥にある。揉み方

        • 新年の挨拶

          新年があけてはや五日が過ぎた。 本来なら新年の挨拶を書かねばならないのだが、はたと今が喪中なのを思い出した。挨拶は割愛したい。 ずっと実質、開店はしているが休業中の状態であったこのnoteだが、今年から少しだけ営業をしてみようと思う。といっても、他の方のように、有料コンテンツを設けていけるほどのものは書けていないと思うので、それに関しては少し様子を見たい。 令和5年になってから、他にも新しい取り組みをしている。 一つはフリック入力の強化だ。 スマホで文章を書くことが増えて

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        ギンナン拾い競争

          内向型だけではなく、今このご時世に読んでおくべき本「もう内向型は組織で働かなくてもいい」堤ゆかり

           noteで読書感想文コンテストがあることを知った。課題図書もあり、様々な本が並んでいた。参加しようと課題図書を見ていると、「内向型」という文言に目を引かれた。自分が読むべき本だと思った。  本書の最初の章では、自己診断テストがある。それは、内向型か、外向型か、それとも両方を備えた両向型かを判断するテストだ。  簡単に言っておくと、内向型だからといっても一口に「こういう特徴」とは言い表せないらしい。漫画のキャラクターのように、教室の隅にいて、寡黙で、なにを考えているか分からな

          内向型だけではなく、今このご時世に読んでおくべき本「もう内向型は組織で働かなくてもいい」堤ゆかり

          からだの記憶

          30代半ばからジョギングをしている。10年近くになるか。理由は健康だ。ダイエットをしなければならなかったので、走り始めた。 しかし、その10年の間にも紆余曲折があった。 体調が悪くなり、一定期間走れないことがあった。 なんだかわからないけど、忙しくなって、走れない時期もあった。 そんなとき、おもしろい事実に気づく。 数週間走れないだけで、からだは走り方を忘れてしまっている。数週間前に走れた距離も、息が切れ、休み休みじゃなくては走れなくなっている。 けれども一度走る

          からだの記憶

          好きになること

          どうも年を取ったらしい。 更年期らしき症状もちらほら。 なんだか知らないけど、焦っているときがある。 消化器症状も出ている。 一番の老化を感じるのは、「好きになること」がなくなったことだ。新しいものに出会うこともなくなってきた。このコロナ禍がそれに拍車をかけた。街に出ることがなくなり、緊急事態宣言が終わった後も、街に出るのがだんだん億劫になってきている。 病気があるので、外食がとにかくできない。 全体の二パーセントしかいないが、ブレークスルー感染が怖くて仕方がない

          好きになること

          ゴールデンウィークの過ごし方

          ニュースを見ていると、東京から脱出する人々が駅を埋め尽くす映像が見られますよね。勘違いされるといけないので書きますが、今は2021年、政府による非常事態宣言下の話です。 うちのかみさん曰く「実家に帰る人なんじゃない?」 そうかもしれません。しかし、感染がどのように起こるのかわからない状況なので、特に感染者が急増している東京と大阪、神戸から、田舎に人流があるのは好ましくありません。 我が家はどうかというと、もともとゴールデンウィークはそれほど遠出をしません。実家もそうでし

          ゴールデンウィークの過ごし方

          電気仕掛けのペットロス

           店は「雪の下」といった。大通りと土産物屋が立ち並ぶ通りに挟まれた場所に立っていた。  ふたつの通りは観光客が一年中あふれている。並んでいる食べ物屋も、古い店はそれなりの価格設定になっている。だが、新しい店や通りから奥に引っ込んだ店は、それなりにリーズナブルな価格になっている。店によっては、リーズナブルな店の倍の金額を取る店もある。  舞が初めてこの店に来たころ、彼女はこのあたりで働きたくて、働き口を探していた。母親のいる老人ホームがこのあたりにあるからだ。舞の母親は、クセの

          電気仕掛けのペットロス

          優しい雨

           短編小説の集い自主課題「故郷」  二〇四X年、一月。  息子の担任から連絡が入った。  「明日、息子さんのことについて相談したいことがあるので、是非御来校ください」という趣旨であった。昔のように電話による直接会話ではないので、その場で概要を聞くわけにも行かず、とりあえずイエスの連絡だけをした。  そこから明日学校に行く時間を捻出するために予定を組み直した。幸い、家で行う事務作業だったので、それほど苦労はなかった。  連絡があった日の仕事が終わったのは七時過ぎだった。没頭し

          優しい雨

          クリスマスツリー

           ――交差点の先車両行き止まり。  そう書かれた立て看板が視線の端を後ろに流れていく。いつものジョギングコースのアスファルトはまだ濡れている。雨は朝には止んだはずなのに。信号の青い光がアスファルトを鈍く照らしている。  交差点の向かいには純喫茶店、道を挟んで向かいに個人医院、並んで奥には民家やアパートなどが続く。小さな住宅街のなかを駆け抜けると、工事現場に突き当たる。工事は広大な地域を抜ける環状線を造るものだ。小さな住宅街は年末のせいか、いつもよりも閑散としている。今年の師走

          クリスマスツリー

          冷徹な祭壇:死者の願いと猟奇の背後

           白壁に手をつきながら鉄製のタラップを登ってゆく。四〇代になりたてのころ仕事で腰を痛めてから騙し騙しやってきたが、季節の変わり目、特に今日のように晩秋で急激に気温が下がった日は、古傷がぶり返す。しくしく痛むのである。  白壁についた手を離すと手形が残っていた。掌を見ると、灰色に汚れていた。「クソッ」と内心悪態をついて、舌打ちをした。アパートのコンクリートの外通路を歩く。手摺りには黄色いテープが張られていた。通路から鉄道が見えた。ここは撮り鉄にとって、名所らしい。 現場は四つ並

          冷徹な祭壇:死者の願いと猟奇の背後

          何も残らない

          「だいたいアイツの生き方が嫌いなのよ」  母の言葉に目を丸くした。そして周囲を見回した。 病棟の四階にあるラウンジには人がいなかった。夕方の五時をまわり、面会者はもう帰っていて、患者たちも自分の病室に戻っていた。もうすぐ夕食の時間だ。  秋の初めの、まだ勢いのある残暑の夕日がラウンジの温度をわずかに上昇させていた。  入院患者は、この時間帯が最もヒマである。せめて夕食までは世間話につきあおうと思った。それが運の尽きだった。  「生き方が気に入らないって、自分の

          何も残らない

          翳り

           白いプラスチックのデッキチェアに真崎が腰を下ろした。勢いを殺せなくて、「尻餅をつく」格好になる。デッキチェアは尋常ではなく軋んで、けたたましい音を立てる。  「すごい音」  隣のデッキチェアに座った少年が心配そうに言う。少年は少年らしく、細身である。思わず、手摺りに手をつく。  二人の間には丸いステンレスのテーブルがあり、テーブルの上には飲み物が置かれていた。真崎の方にビールジョッキ、少年の方にコーラの入ったグラスである。二人のガラスとも、表面にびっしり露が付いて

          一日ホームレス

           目覚めると妻が出勤支度をしていた。上半身を起こして時計を見ると、出勤時間になっていた。空腹であることに気づき、妻に待ってもらって一緒に家を出た。  外に出ると意外に暑くなかったが、夏の湿気が瞬く間に肌に張り付いた。空には少しだけ綿雲が浮かんでいた。予報では日中は快晴になるはずだ。今日も暑くなる。  急いで出てきたので、寝起きのまま、デニムの半ズボンにポロシャツ、髭も剃っておらず、歯磨きもしてこなかった。コンビニで朝食を買うだけだからいいか、とそれほど気にしなかった。  妻が

          一日ホームレス

          短編小説の集い「アンブレラ」振り返り

          ※この文章は、拙ブログ「今日の十分日記」にも書かれている内容です。 このアンブレラというのはリアーナの歌を基にしている。 記憶が確かならば、この曲はもともとブリトニースピアーズに提供するために作られた曲であった。それをブリトニーが蹴ったために、新人のリアーナにお鉢が回ってきた。 今この記事はiPadのPagesを使って書いている。わからないといけないので一応書くが、PagesはウィンドウズオフィスにおけるWordのようなアプリだ。 同じiPadの音楽作成アプリを使ってたまた

          短編小説の集い「アンブレラ」振り返り