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徳島上陸 求めていたものはこれか!よし作戦実行だ

2時間くらいはフェリーの中をうろうろしていたらあっという間だった。

久々に感じる船独特の揺れも懐かしかった。

あちこちにビニール袋があるのも、気分が悪くなっちゃった人への気遣いなのだと思った。

 

徳島港は和歌山港と似た感じで、特に徳島感を実感出来るわけではない。

ただ阿波踊りのポスターを見て、なんとなく徳島に来たのだなと思う程度だ。

大阪から徳島だから旅と言えるほどの距離ではないが、間に海があるだけでちょっと遠くに来た感じはする。

 

非日常を味わいたい。

漠然とそう思ってもがいていた。

きっとそれは間違いではなく、必要だったこと。ただちょっと詰めが甘かった。

 

今の自分が求めているものはただの移動でも違う時間の使い方でもない。

それはそれでありかも知れないが満足レベルだ。

今の自分には大満足が必要で、それを得るためにどうするかを考えていた。

 

のんびりと海を眺めることにより、本当に求めていたものが何なのかが見えてきた。

 

「新しいコミュニケーション」

 

気心が知れた人と話す事、SNS上でのやり取り、仕事上での深い話、そういった部分とはほんの少しずれた部分。

 

知らない土地で全く違う時間の中で生活している人と、さほど深くもないちょっとしたやり取り。

もっと言うならその後二度と話すことはないであろう一期一会の時間。

 

なるほど、本当の自分が求めていたのは、知っている誰かや、同じ土地で似た生活スタイルを送っている誰かとコミュニケーションを取ることではなく、極端に言えば知らない星で宇宙人とちょっとした会話をするような体験なのだと思った。

だから出来るだけ地元の人になんでもないことを話してみよう。

いつの間にかそれがちょっとした目標となった。

 

フェリーを降りて早速徳島港の切符売り場で帰りの切符の買い方を聞く。

切符の買い方なんてスマホで調べられる。それを敢えて人に聞く。

ネット上の世界とリアルは少し違うのだ。

 

たったそれだけなのにこの人は徳島の人なんだな、仕事が終わったらどんな日常を送っているのだろう?休みの日はどんな過ごし方をしているのだろう?などと考えたりする。

 

そして勝手に名付けた「ちょっとした会話作戦」は、自分が求めていたものを満たしてくれると確信する。

 

早速失敗。

 

とは言え普段積極的な自分ではない。

人なんてそんな急に変身出来たら苦労しない。

 

いつまでたってもダイエットの方法が存在するのと同じように、自分を変える方法も形を変えて存在する。

 

結局のところ知識だけではどうにもならず、あれこれ試していくうちに、なんとなく自分なりの方法を模索するしかない分野なのだ。

 

沢山の知識を得て、ちょっとばかり実践しても急に変わることはないのに、作戦を思いついた程度で変わるなら、それこそ特許レベルなのだと思う。

 

連絡バスに乗るとき、外国人の人が大きなリュックを背負って同じバスに乗った。多分文字が読めないから徳島駅に行くのか不安だったのだろう。

運転手さんに聞いてなんとなく納得して乗ったようだがやっぱり不安そうだ。すぐ近くに座っていたがいきなり話しかけるのも躊躇する。

 

そもそも最近の外国人観光客は英語とは限らないし、英語であってもほとんど話せない。

なんなら緊張すると日本語だってカタコトな自分が、なんといって声をかけていいのかすら分からない。

ハローと言ってハロー以外が帰ってきてしまったら、遠くを見ながらヘラヘラと笑っておくしかない。

 

バスの中での両替が嫌で、普段小銭を持たない自分が210円を死守するために、フェリー内でカップラーメンやジュースを買うのを諦めたほどなのだ。

 

そして自分自身も初めてのところであり、分かっているのは終点が徳島駅といった事だけ。

終点で降りれば間違いない「はず」そのレベルなのだ。

 

知らないバス停の名前にこの地名にはどんな由来があるのだろうとか、車窓を眺めながら実家付近の光景を思い出したりしながら、なんとなく徳島駅に近づいている感覚を感じていたその時、多分2駅前くらいだったと思うが、焦ったように外国人の人が大きなリュックを抱えて降りてしまった。

 

降りるとき運転手さんに「徳島駅はここか?」と聞いているようだったが、運転手さんは方言で「徳島駅はまだ先やけん」と答えていた。

 

にもかかわらず大きなリュックを既に道においていた彼は降りてしまった。

詳細な会話が聞こえなかったので何とも言えないが、恐らく間違えて降りているのだと感じた。

 

何も出来なかった。

 

ショック過ぎる。

先ほどまでこれはイケル!そうやって意気揚々としていたのに、なんということだ。

まるで夏祭りではしゃいでアイスを買って、まだ一口も食べていないのにアイスの部分だけをポロリと落としてしまった時と同じくらい絶頂から絶望へと落ちてしまった。

これはもはやニュースレベルの惨劇だ。

とほほだな。

なにか役に立てたかも知れないのに、目的があって手前で降りたのか?

そんなことが頭をぐるぐるしていたら、2駅ほどで徳島駅についた。

勿論全員降りる

ごめんよ「あの、ほれ、くれなんとか」

今回のホテルはJRホテルクレメント徳島にした。

突然決めたし現地でホテルを探すのも面倒だ。

なにより予約サイトを見て、あれやこれやと比較しまくるのも面白くないし、時間もなかった。

 

非日常を体験したいならそんな些細な事から「いつもと違うやり方」をしないと、結局はただの日常の延長になってしまう。

だから駅直結でぱっと見たとき、一番良さそうなところに「秒」で決めた。



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バスを降りてからすぐに分かった。

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