【ネタバレあり ライブ感想文】ネクライトーキー「踊れ!ランバダ」リリースツアー 「ゴーゴートーキーズ! 2023秋」@cube garden 2023.10.1(日)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はネクライトーキーの全国ツアー、札幌公演のライブ感想文です。
現在も継続中のツアーですが、以下の文章ではいつものごとく、性懲りも無く愛のままに演奏曲について書き殴っています。
これを書き始める前に初日公演のセトリを調べてみましたが、演奏曲は相当数入れ替わっている様子です。
しかし要所要所で演奏される曲は固定されているようなので、そんなことも踏まえ、今後ツアーに参戦される方は閲覧注意でよろしくお願いします。
それでは。
ボーカルの人の声がかわいらしく真っ直ぐ飛んでくるし、「めっちゃかわいいうた」なんてタイトルの曲を歌っているから、ポップに振り切ったロックバンドなのかと思いきや、歌われる心情は極めてシリアス、時にヤケクソ、アレンジは何だかヘンテコだけど、あらゆる音が心には真っ直ぐ届いてクセになる。
そんなネクライトーキーに勝手に助けられていたのは、特に今年の5〜6月ころ。
4月に引越しや職場の部署異動、その他諸々でここ数年と比較すると大胆な環境変化があり、そこに自分を順応させようと必死になって足掻きつつ、時々ライブなんかも挟んでいたものの、しんどすぎて身体も心も付いていかないことが増えていた時期に、この一筋縄ではいかないロックバンドの曲に、勝手に救われながら踏ん張り続けていました。
そんな折、ようやく見れそうな時期に訪れたワンマンライブの機会を逃すわけにはいかなかった私。
もちろん普段と同じく、大好きなロックバンドをこれでもか楽しんで浴びるため、でも普段と比べると辛い時期に支えていただいてありがとうございますという感謝成分多めの心情で、多分今年最後になるであろうcube gardenへ向かいました。
開演時刻を5分ほど回った頃、場内が暗転。
遊び心溢れる打ち込みのビートが場内に流れる中、真っ先に駆け出してくるなり、お立ち台に上がり、大きく両手を挙げて溌剌とした様子のもっささん(ボーカル&ギター)が登場!
ここ一週間ほど、もっささんのインフルエンザの影響で早々にツアー3公演分が延期となり仄かに心配も感じられましたが、様子を見る限りはそんな心配はご無用のようです…!
タケイさん(ドラム)、藤田さん(ベース)、中村さん(ベース)も丁寧にお辞儀でご挨拶、朝日さん(ギター)はクールに登場したと思いきや、SEが鳴り止むと同時に、その場にしゃがみ込むように激しいギターをギュワーーーーン!と一発!
タケイさんのドラムのリズムに誘われながら、とってもかわいらしい声と、最後のシャウトがビシッと心に響いたなら、もういよいよライブを楽しむしかない一曲目は「めっちゃかわいいうた」…!
前奏明けの歌い出しから、交互に足踏みしながら歌うもっささんの姿はまさしくかわいいのに、歌詞も演奏もまるでかわいいとは程遠い骨太さで襲いかかります。
愛らしい印象はそのままに、歌詞そのままに、どつきまわされ鉄で殴られるような凶暴さが同居しているこの一曲で、ネクライトーキーのライブに来た!という実感をこれでもかと獲得します…!
「ゴーゴートーキーズへようこそ!
新しいEPから一曲!」
もっささんの快活な挨拶から「優しくなれたなら」。
既に登場時のクールさは影を潜め、朝日さんはイントロから客席に熱い叫びを送りながら、渾身のギタープレイをこれでもかと披露します。
それは、タケイさんのタイトなフロアタムとバスドラムのビートが牽引する「魔法電車とキライちゃん」でも同様で、お立ち台に立ってギターを弾きまくる朝日さんは、このバンドの熱源そのもの…!
どんどん勢いを増すバンドのグルーヴに、曲が終わる度に、お客さんの歓声や熱量もみるみる高まっていきます…!
「とうとう、コロナ禍につくったこの曲で、皆さんの声を聞ける時が来たのかー!?」
この時を待ち焦がれていたのは朝日さんだけでなく、ここにいたネクライトーキーが好きで好きでたまらない私含めたお客さんも!
全力のCHAKAPOCOコールから、朝日さんのギターフレーズとともに、もっささんが大きく右手を上げ、振り落とされた瞬間に軽快なバンドサウンドが爆発するこの数秒だけで、コロナ禍を乗り越えたカタルシスドバドバだった、「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」…!
アウトロでは、まだまだ!と徐々にテンポを上げながら続くCHAKAPOCOコールは、もっささんもCHAKAPOCOの言い方のバリエーションを即興で増やしながら、最後にはテンポを上げすぎてただの絶叫になっていた(?笑)部分にも喰らいつくように付いていくお客さんと、無邪気に暴れる演奏という常識はずれのカオス空間でしたが、これが楽しまずにはいられない多幸感に満ちているのですから…たまりません!
少しのお休みを経て、「見てのとおり(元気)もりもりです!」というもっささんでしたが、次の曲に繋げるような言葉が中々出てこず苦戦している模様です。
もっささん
「休み明けでなんかMC下手になった…」
藤田さん
「元々下手だよ!」
間髪入れず愛の追い討ちをかける藤田さんと、恐縮そうなもっささんという、ほっこりする時間です笑
そんな藤田さんが大きく目を見開いてギョロッと客席を凝視しながら、もっささんが原曲より多彩な声色を使い分けながら、「あっ!」と驚く歌声とコーラスのコントラストを見せていた(と私が勝手に思い込みながら聞いていた)「タイフー!」でライブは再開。
続けざまに、暗闇に静かに響き渡る、もっささんの哀愁漂うギターイントロが追加されているのはもちろん「気になっていく」。
ムーディな雰囲気の中、Cメロ部では再び、というか今度はメインボーカルとしての藤田さんともっささんがかけ合うパート。
もっささんは藤田さんの様子をずっと伺い、藤田さんはその色っぽい低音ボイスで、自らの歌唱に徹するという対照的な2人の掛け合いには寸分の狂いもなく、せーの!の掛け声とともに、ダバダバダの大合唱を誘います。
ここから続くはなんと…!
「5!(ジャーン!)4!(ジャーン!)3!(ジャーン)2!(ジャーン)1!(ジャーン)…ファイヤー!!!!」
MVどおりの前振りからしっかりやって大沸騰するフロア!
早くもきた!「オシャレ大作戦」!
銀座や渋谷でないこの街でもっささんは、「札幌ヘヘイヘイ」なんて替え歌もバッチリ決め、ますます会場の温度上昇を後押しします…!
何度聞いても心がキュッとなって、怒りにも似た感情が溢れ出すBメロ。
楽しいことが喜び勇んで突き進む中で、現実の抱えきれない気持ちもこのまま燃やし尽くしてしまいたい…!
そんな想いに駆られるのは必然でした。
そんな真面目な気持ちもしっかりと抱えたまま、「ふざけてないぜ」での間奏部では、もっささんと朝日さんが向かい合ってギターソロに興じる場面も見届けられたところで、MCでは今年出演したRISING SUNの話題へ。
ライジングで知って今日のライブに来たという人も多かったらしく、丁寧に感謝を返すメンバーの皆さん。
昼過ぎが出番だった皆さんは、出番も含めて実に12時間近くフェスを満喫(中村さんはBABY METALを見たり、もっささんと藤田さんはフォトスポットで写真を撮ってZAZEN BOYSのライブを見て楽しんだりしたようです!)したご様子!
「私より楽しんだ人いる?」
というもっささんの問いかけにも手が上がる客席…!これぞライジング沼笑
「今日のライブはそれを超えられるかな…」と、不安そうなもっささんの様子を見透かしたように朝日さんが、
「じゃあ今日はそれを超える楽しい日になるってことでいいですか!?」
もっささんに力強く問いかけると、照れるように爆笑するもっささん…!
微笑ましすぎる!
「じゃあそのライジングさんでもやった曲を…「だけじゃないBABY」!」
ライジングではタイテの都合で見なかったネクライトーキーの中でも特に思い入れの深い曲…!
嬉しすぎてありがたすぎる上に、原曲以上に暖かすぎるグルーヴが、一音一音じんわりと染み渡ります。
どんなに好きなロックを聞いたり歌っても、拭いきれない不安や怖さを、捨てることもなく人間らしく向き合い続けた先に、想像を越える日々を手繰り寄せたい…!
聞くたびに生きる気力が染み渡るこの曲は、原曲以上の体温で私を温めてくれました。
温まったところで、美味しそうなカレーの匂い🍛
先日出たEPでは個人的に1番好きな「今日はカレーの日」は、もっささんの少し湿っぽい歌声に聞き入りながら、前曲からの流れで聞くと、抱えざるを得ない気持ちを持ったまま、何気ないことで救われる感覚をより喚起させられるような気がします。
最後の一音の余韻がフェードアウトして鳴り止むまで、拍手が一切起こらず静寂に包まれる客席に流れた暖かい余韻に、ずっと浸っていたかった…!
そのまま暗闇で楽器チェンジを終え、何やら合図を待っているかのようにソワソワしているもっささん笑
それに気づいたように、「あっ!俺っ!?」と言っているかのようなわざとらしい反応を見せる朝日さんの、ちょっぴりヘンテコなギターフレーズがフェードインするのは「許せ!服部」。
この曲だったかな…?
真っ直ぐ客席に熱い視線を向けて離さない朝日さんが演奏するのはヘンテコなギターフレーズというギャップが何だか癖になる時間笑
そのままライブver.の激しい間奏に突入…かと思いきやCDver.の少しゆったりとした間奏。
すると、何だか納得のいかない様子でギターを置いてステージを去ったもっささん。
何事かと思えば、次の瞬間には元気いっぱい、「ライブver.」と「CDver.」と書かれた2枚のパネルを持って再登場笑
交互に掲げたり、両方掲げたり、旗揚げゲームのようにバンドの演奏を揺さぶります…!
そのままライブver.として、藤田さんと中村さんの双方がお立ち台に立ちソロパート合戦、タケイさんによる豪快なドラムソロ、最後にはもっささんの猛烈ギターソロからの、朝日さんのギターソロに続き、満を持して客席から轟く1234!の連続コール!
そして…大爆発…!!!
3分足らずの原曲が、実に8分以上続くという一大カオス!
カレーも食べた後ということで、もうすっかり満腹です!笑
「こういうことができたり、新しいEPの曲は4曲しかないから色んな曲ができたり、こういうのはワンマンならではですね!」
全くその通りです!朝日さん!
「そして手拍子しろ!とも、声を上げろ!と言わずとも、演奏で自然とお客さんが熱くなってくれるのが嬉しいですね…。」
と、一方で感慨深そうな朝日さん。
お決まりのコールやかけ声に似たものがある曲はあるものの、楽しみ方を一切強要したり必要以上に煽ったりしないその姿勢は、私が好きなロックバンドそのものだと改めて感じます。
その後、突然「どうでもいい話していい?」という中村さんの呼びかけで、「北海道に来たらアイスはどこで食べたらいい?」との声に、真っ先に「セコマ!」と客席から声が上がり、「じゃあ終わったら行こっか。」と友だちと普通に会話しているかのような緩い雰囲気が流れるステージ…笑
「…はい!じゃあ行きましょう!笑
いい曲を…!「朝焼けの中で」。」
ここからの3曲は、特にもっささんのボーカル覚醒ゾーンとして私の目と心はほぼもっささんに釘付け…!
先ほどからさらに湿っぽくなったもっささんの情感揺さぶる歌唱と、オレンジの朝焼けに似た照明がマッチしすぎて、朝が来ることへの期待と不安をごちゃ混ぜにした心持ちに。
そのまま真っ暗なステージに、不穏なギターノイズが響き渡る中、次の瞬間堰を切ったようにドシャメシャに暴れ出すバンドサウンド。
激しく明滅する雷雨のような照明。
ふと気持ちが爆発した虚しさを引き摺るような中村さんのピアノに続き、終始ギュッと目を瞑りながら、思いの丈を静かに吐露して整理するようなもっささんのボーカルが印象的だった、「大事なことは大事にできたら」。
時に声を震わせながら歌うもっささんと、自分の心情がリンクしたような瞬間の苦しさは忘れられませんが、それでも大サビでは歌い出しで目を大きく開いて、自分の「大切」を取り戻してやるという強い決意を感じる歌声に。
ここまでの流れからは想像できないほどシリアスな時間でしたが、私も現実に立ち向かうように、ギュッと拳を握ります。
感情が暴走したり、収まったり、激しい抑揚の中で、都会の窓を開けた部屋から漏れる車の音や救急車のサイレンのようなBGMが響き渡る中、演奏されたのは「深夜の街にて」。
ポエトリーリーディングのように、ずっと抑揚なく平熱のまま言葉を積み重ねていくもっささん。
途中朝日さんによる渾身のギターソロがあっても、中村さんの中華的雰囲気(?)を醸し出すシンセのフレーズが差し込まれても、心がまるで動かないような淡々とした歌唱。
「楽しい!」のに、「楽しくない」。
相反する気持ちが私の中に入り込んでくるような感覚でした。
ここからもっささんによるメンバー紹介。
ドラム→ベース→ギター→キーボード→朝日さんによる叫ぶようなもっささんと、紹介された順番で一つずつ重なるアンサンブルが揃った次の瞬間、一瞬の静寂。
「ネクライトーキーで、「ランバダ•ワンダラン」。」
イントロで、朝日さんともっささんが鋭く弦をはじく、2人の音と姿がシンクロする光景があまりにもかっこよすぎます…!
この日唯一、頭上のミラーボールが回るムーディな雰囲気の中、目まぐるしく変わる不可思議なリズムにノリまくるお客さん。
踊れなくても、楽しくなくても、踊らなきゃやっていけない時があるし、踊るから見える景色がある。
ライブハウスに通い続ける自分を全肯定してくれているようなここまでの流れに、無我夢中で心を踊らせました…!
「EPリリースしましたー!
新曲、久しぶりに思うんですかね?またか!早いな!とか思うんですかね?」
と、すっかりMCが不安そうなもっささん笑
両隣の藤田さんと朝日さんに助けを求めながら、本編最後のMCを進行します。
「でもね…効くわ…ライブ…!
どんな薬よりも…!元気になる!みんなライブやってください!!」
今日のライブの様子とそのMCを聞いて、そちらもまだまだライブやり続けてください!と思わずにはいられません!
ここからライブは最終ターンへ。
楽器隊が全員顔の向きのフリを揃える様が楽しくてかわいい「北上のススメ」は、軽快で可愛いメロディに自然と身体が動きつつ、間奏で大きく顔を上げてシャウトするもっささんを筆頭に、おっきなスケールを描く音の大山脈は圧巻…!
最後の大団円とばかりに、もっささんの曲紹介から歓声が上がったのは、「ティーンエイジ・ネクラポップ」…!
どんなに辛くても、大好きなライブハウスでまた会えますように…!
一筋縄ではいかないけど、一貫してポップで、ロックであろうとする姿勢をその音と声と姿だけでありのままぶつけてくる5人のロックバンドの勇姿を刻みつけながら、ひたすら祈るような気持ちで音を浴びました。
「最後の曲です!」
「あべこべ」が演奏される会場が纏う空気は、何ともあっけらかんとして、カラッとした風が吹いていました。
ここまで音楽的な幅が広すぎたライブの最後に、確かな歩みを一歩ずつ着実に進めるようなシンプルなバンドサウンドと、シンプルなメロディが、気持ちよく背中を押してくれるような涼しげな余韻を残したまま本編は終了。
まだまだと手を叩いていると、まもなくツアーグッズを見に纏ったメンバーが再登場します。
皆さん着替えが早い!笑
物販の宣伝タイムとなった最後のMCタイムでは、朝日さんがプロデュースした「戦い鉛筆」(ようするに「バトえん」(商標登録されているので使えない名称だったらしい)を転がして、もっささんと、最前列にいたお客さんが戦うという交流が繰り広げられます…!
結果はもっささんの勝利!
「これで隣の人と戦ったりして、友だち増やしてね!」と楽しそうなもっささんは、各会場限定のアクリルキーホルダーのデザインを全て書き下ろしたり、北海道は寒いと予見していた藤田さんは、自らがデザインしたラグランにバッグを身に纏い、ほぼこの状態で北海道に来たとのこと!
メンバーそれぞれが端正込めてデザインした愛あるグッズ紹介を終えたところで、朝日さんの暖かいギターフレーズとともに、どこからともなくあのラララのフレーズが会場に木霊します。
「声に出してもいいし、心の中でもいいんで、一緒に歌ってくれますか?
またどこかであいましょう!」
朝日さんの渾身の叫びから「だれかとぼくら」…!
元日のCDJでこの曲が演奏された時も、いつかここにいるだれかと!ライブハウスでまた会えますように!と力の限り叫んでいた朝日さんの姿がフラッシュバックします。
今日も生きてたおかげで、本当にまた会えましたよ…!
知ってる人も知らない人も、たくさんの「だれか」の手が挙がり、声が聞こえ、キラキラした表情が見えて、心まで見えてきそうなこの光景。
絶対に無くなるなライブハウス。
絶対に消えるなロックバンド。
カッコつけてるように思えるくらいのことを思わずにはいられないくらい昂る時間でした…!
最後は「遠吠えのサンセット」…!
最後のサビ前、間奏部で昂ったもっささんから出た言葉が忘れられません。
「私、今日めっちゃライブ好きって思いました…!
皆さんもなんか好きなものありますか?」
あんなにキラッキラした笑顔で、大好きなロックバンドのボーカリストにそんなこと言われたら、ますます大好きなロックバンドになっちゃうじゃないですか!もうなってますけど!
「せーの!」の遠吠えが、この日1番のメンバーとお客さんの声量で発射されます!
この遠吠えをいつまでも!
轟けライブハウスに!!
約2時間のライブはあっという間に終了。
元気もりもりに復活したもっささんを筆頭に、ヘンテコでポップで、何よりも暑すぎるロックバンドがありのままぶつかってきた最高の時間でした…!
何も考えずに音楽のことだけで頭を空っぽにして楽しみたいのに、中々どうして目の前の現実と向き合ってしまう。
そんな変わりたくても変われない自分が、変わらず真っ直ぐな5人のロックバンドに、また助けられてしまいました…!
今回は以上です。
最後まで読んでくださったそこのあなた、本当にありがとうございました。
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