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【ライブ感想文②】RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO@石狩湾新港樽川埠頭横野外特設ステージ 2024.8.16(金)




 こんばんは。シリアスファイターです。




 今回も前回に続き、今年のRISING SUN ROCK FESTIVAL(以下、ライジングサン)のライブ感想文です。


 1日目後半戦に見た3組のライブについて、それでは早速。


④a flood of circle(19:10~)


 最後にライジングで見たのはもう5年前で、次はいつかと思っていたら何とソールドアウトした日比谷野音ワンマン直後という絶好調のタイミング。




 ライジングを控えた前の週に遠征という訳にもいかず、この30分のステージに全てをかけることとなった次第。




 すっかり陽も暮れ始め、北海道らしいカラッとした空気を引き裂くように、ライブハウスと変わらない爆音のリハーサルが轟くdef garage。




 定刻になると、フェス共通の出囃子SEとともにステージに登場し、早々に準備を整える4人。




佐々木さん
「(SEが鳴り止み)…いいの?
 おはようございます、a flood of circleです。」



 いつものSEがない時点で、この30分をフルに使って音楽を鳴らしてくれることは確定。


俺の夢の叶えるやつは俺しかいない
俺は行く いつもの道を

月夜の道を俺が行く




 静かな挨拶を終えると同時に、心から喉を震わすような佐々木さんの歌い出しから転がり始めるロックンロール!!
 ちょうど私の視界の右上に目をやると、空には月が見え始めていましたが、ちょうど雲で隠れて見えなくなっていた頃。
 「ざけんな!」と歌われるフレーズとともに真っ直ぐ伸びるテツさん(Gt.)の中指に呼応するように、確かにそこにあるはずの月を真っ直ぐ睨みつけて離さないような鋭い音が鳴り響きます…!




 渡邊さん(Dr.)の力強いドラムが始まると、自身のマイクスタンドをステージギリギリの最前面まで持ってくる佐々木さん。
 鋭いギターストロークからすかさず「Dancing Zombiez」に突入すると、フロア前方は音楽を貪り食らうエゾロッカーたちの狂乱の宴に!
 ライブver.の長尺のアウトロに入ると、佐々木さんはアンプの近くに置いていたお酒の缶をグイッと煽り、このまま演奏は3人に託すのかという勢いでしたが、最後にはクールに掻きむしるような怒涛のギターソロを披露…!




 溢れんばかりのロックスター振りは、続く「Black Eye Blues」でも健在。
 会場中の声を拾い集めてロックンロールパーティの決起集会でも始めるかの如く、イントロからマイクスタンドを高々と上に掲げると、その後は「神輿は飽きたでしょ?」と言いながら、ステージの下手→上手と客席に侵入しながらしゃべるように歌う佐々木さん。




佐々木さん
「止めろ!触るな!!」




 私からは佐々木さんが見えなくなった瞬間もありましたが、楽しくありつつ、とてつもない闘いが繰り広げられている声が聞こえてきます…!




 佐々木さんが再びギターを構え、テツさん側にマイクスタンドを向けた状態(月が見える方向だったからかな?)で歌われ始めたのは「Honey Moon Song」…とても好きな曲なのですが、ライブで聞けたのはこれが初めて…!




 イントロでバンドサウンドが合流するタイミングで、佐々木さんは正面にマイクスタンドを向け直しますが、ふと空を見るとまだ隠れている月。
 目の前のバンドのライブに集中したい気持ちもありましたが、この絶好のタイミングで、空に浮かぶ月が見れたらどれだけ嬉しいことか…。
 すると完全ではないものの、曲が進むに連れて綺麗な月が顔を出し始めます…!🌕


「お前ら」縛るやつから奪い去ってやる

Honey Moon Song




 こんなドラマチックな現場で、泥臭いロックンロールが私の心を奪い去ってくれました。
 まるでラブストーリーみたいに出来過ぎた、紛れもない現実!!




佐々木さん
「俺らは別のバンドのおこぼれというか、タダ飯で食えてるようなところもあるんですけど、それでも、生きてるってことなんで。
 新曲やります!
 今日は仲間がいっぱい!笑」




 すっかり暗くなった会場で唯一光が当たるステージ上に、とんでもない量の虫が飛び交っている中歌われ始める「虫けらの詩」でも揺るがぬストレートなロックンロールは、特にシンプルながら力強い打音に更に磨きがかかった渡邊さん(Dr.)のドラムが最高!


 どこまでも転がり続けてくれるグルーヴを先陣切って切り開いてくれているような頼もしさに、まだまだ続くバンドの勢いを感じさせます。




佐々木さん
「跳べないやつは休め!
  跳べないやつは歩け!
  俺らがまだやってるぞ!!!
  俺たちとあんたたちの明日に捧げます!!」





 佐々木さんが、何があっても止まることのない意志を叫び散らかし、ステージ前面で堂々「シーガル」のイントロリフを弾き千切る様を見て、聞いてしまったら、もうこの手を伸ばさずにはいられませんでした…!




 不特定多数の人が集まるフェスの舞台であっても佐々木さんは、2番サビの後半のフレーズをこちら側にマイクを向けることで歌唱を託すし、十分に託せるほど私含めたたくさんのお客さんがその声で応える光景は、たとえそれがこのフェスの一番小さいステージのものだったとしても、それだけの実力とロックンロールを今のフラッドが携えている何よりの証拠…!




 一切の休憩時間がなかったライブは、そのまままアコギに持ち替えた佐々木さんが、飛行機で新千歳空港に降り立った瞬間から今日この日言いたいことを即興で弾き語りのメロディに載せて歌う「本気で生きているのなら」で終了。




 MCの時間すらも惜しいとばかりに、即興で歌を紡ぎ、転がり続けた30分(時計見たら4分くらいオーバーしてたけどそれはご愛嬌で。というか30分は短い!!)。




 月が見えたり隠れたりしても、今日も本気で生き抜くロックンロールを鳴らすあなたたちがが歩いてるから、私もまだまだ転がり続けられる気がするのです。

セットリスト

リハーサル
1.月夜の道を俺が行く

本番
1.月夜の道を俺が行く
2.Dancing Zombiez
3.Black Eye Blues
4.Honey Moon Song
5.虫けらの詩
6.シーガル
7.本気で生きているのなら

⑤Vaundy(21:00~)


 一昨年に初めてライブを見てから1年に1度は必ずライブを見れているものの、今年の秋のツアーはチケットが中々当たらないことを繰り返しているうちに本当に都合が合わず行こうとする選択肢も無くなってしまう始末。




 ですが、今年もSUN STAGEに、しかも初日のトリとして帰ってきてくれたからには、何としても見届けなくてはなりません(音楽的義務)。




 案の定、期待でパンパンのスタンディングエリア。
 特に私の後方にいたであろう方は初めてのVaundy体験らしく、開始時刻が近づくに連れ「やべえやべえ!!」とこちらにまで心の臓の高鳴りが伝わってくる中、いよいよ定刻。





 大量のスモークが流れ込む真っ暗なステージにSEが鳴り響く中、バンドメンバーに続き、地鳴りのような歓声に迎えられた、オレンジ色の半袖姿の御本人が登場すると一曲目は「東京フラッシュ」…懐かしい!!



 まだ5年前の曲なのに、まるで昭和の歌謡曲を聞いているような「懐かしさ」の錯覚に陥るのは、この人がこの5年間、恐るべきペースで曲を量産し続けているからで、そんな曲でも周りで沢山の人が歌っている光景を見ている限り、どれだけ新曲がかっこよくとも、こういう曲も大切に聞かれ続けていることを再認識されられます。





 桜色だった照明は、オレンジのスポットライトに変化し「灯火」へ。
 ミドルテンポで少しずつ身体と心を解きほぐすような選曲で、期待に満ちた客席に「まあ落ち着けよ。でも、楽しめよ。」といつもの勝ち気なMCを彷彿とさせるような堂々たる態度で、堂々たる歌声とアンサンブルを聞かせてくれます。





 その後も「恋風邪にのせて」「不可幸力」といわゆる「初期」のVaundy代表曲が続き、最初から十分大きく感じていた歓声はますます勢いを増すばかり。





 無論そういった曲も嬉しいですが、ここで比較的新しい「常夏」…これが最高…!
 カラッとしたポップさと、日本にいるのにどこかそれを感じさせない異国情緒溢れるグルーヴのミックス加減が、ライジングサンロックシティという3日間だけ石狩に現れる国に新鮮な夏の風を吹き込みます…ポッカポカ!!



Vaundyさん
「元気かい!?…元気だな!!
 踊れるかい?」



 淡々としつつも、こんなにもロマンチックで踊れるベースラインが特徴的な「踊り子」で、この日ベースを奏でるのは近年ではTK from 凛として時雨などのサポートでお馴染みの吉田さん。




 BOBOさん(Dr.)と並んで演奏していることで、視覚的にTK味を感じてしまうものの、その音はどこから食べてもVaundy味しかしない心地よいグルーヴでしかなくて、涼しい風が吹き抜ける中で聞くことでより味わい深いものになっていきます。



 心地良くなってきたところで、メンバー全員がステージ中央に向き合った状態で始まる「タイムパラドックス」の人懐っこい歌メロと軽快な演奏。

 これだけ広大なステージでも、小さな部屋の中で気心の知れた友だちと音楽を奏であって楽しんでいるかのような愛おしさが溢れ出すような時間…とっても…好きっ!




 真っ白な後光が差す中、こうして抱きしめた愛おしさを、生きてる今だけはしっかり抱きしめて離したくなくなる気持ちを助長するような「しわあわせ」のアウトロで溢れ出すカタルシスは、いつもの何倍にも何倍にも膨れ上がります…!


 ここまでハッキリと意識してはいませんでしたが、ライブのバンドメンバーにギターが2人いる体制のVaundyさんのライブを生で見たのはこの日が初めてで、このアウトロ部での感情が溢れ出すようなギターフレーズが更なる感情の昂りを誘います!
 Vaundyさん…とっても楽しそうじゃないですか!!!



Vaundyさん
「今日は割と涼しいな!
 しかもスモークが多すぎて、ステージに虫が寄ってこないぜ。
 出る前にsumikaが「ステージ、虫いっぱいだから気をつけて、虫食べちゃうくらいいるから」って言ってたけど、スモークの方が強かったぜ…!
 元気かい!?


 (大歓声で応えるフロア!)


 ほんとに元気だな!
 (ステージの下手の方まで歩いていって)そっちまで(お客さんが)いるのか?
 分かんねーなー、見えませ〜ん笑
 まあ、俺の曲は目え瞑ってても楽しめるから。いこうぜ…!」




 いつもVaundyさんのフェスのステージでは、映像モニターにも自身の名前が映し出されるのみで姿が映し出されることはありませんが、音楽が如何に「感覚」で楽しめるものかをさらに体現し続けるような後半戦は、緑色のスモークが主題歌となったアニメの主人公を彷彿とさせる「ホムンクルス」からスタート。



Vaundyさん
「もう知ってるよな!?」




 歌詞はほぼ聞き取れず、リズムも難しいのに、曲がタイトルフレーズに差し掛かると不思議と口ずさみたくなるポップさは、まさしく視覚を頼りにしなくても感覚的に楽しい音楽そのもの…!
 と言いつつ、曲が2番に入った際、私がいたステージ下手に本人が現れたところで歌われた「俺が来た」のフレーズは、視覚的にも堂々たる歌い姿に痺れました…You're  my POPSTAR...!





Vaundyさん
「ここまで「が」準備運動だ…!
 いくぞぉ!!!!」



 うねりを上げる機械音とともに突入した「CHAINSAW BLOOD」では、ステージを動き回って熱唱を続けるVaundyさんに続くように、TAIKINGさん(Gt.)も前に出て大いに手拍子を煽りながら、エンジンを吹かせるようなうねるギタープレイを聞かせてくれます…!!





Vaundyさん
「朝まで!?
 …無理だな!
 お前らここで打ち止めだ!!!!」





 挑発的な姿勢もバンドサウンドも、攻撃力を最大値まで引き上げたところで繰り出される「泣き地蔵」は、苦しみよりも圧倒的な興奮を感化するもので、先述のダブルギター体制で同期に頼るところが減った分、生バンドの猛々しいグルーヴに、この人の音楽をライブで浴びる意味をより身に染みて感じることとなりました…!


 ラストは「怪獣の花唄」で圧倒的大団円と大合唱…!
 無論、大満足で眠れない夜を伸ばし続けましたが…!


 これだけ怪獣並みのヒット曲ばかりで大いに盛り上がっても、新曲群がいちいち1番かっこよくて音楽的に最新最強だと思わせてくれた1時間。



 毎年見ていても、まだまだ音楽で新しい景色を見せ続けてくれるその歌心に、改めて感服…!!

セットリスト

リハーサル
1.花占い

本番
1.東京フラッシュ
2.灯火
3.恋風邪にのせて
4.不可幸力
5.常熱
6.踊り子
7.タイムパラドックス
8.しわあわせ
9.ホムンクルス
10.CHAINSAW BLOOD
11.泣き地蔵
12.怪獣の花唄

⑥フジファブリック(23:00~)


 
 通し券を持つ者のみが観覧を許される初日深夜枠での出演が決まったときは、「夜中に聞いたら楽しくて眠れなくなる」くらいにしか思っていませんでしたが、その少し後に来年2月での活動休止が発表されたフジファブリック。


 
 現状それまでの間に北海道で見られるライブはここだけということもあり、複雑な思いを抱えながらステージに到着すると、ちょうど加藤さん(Ba.)がリハーサル中。



加藤さん
「こんばんは〜。よろしくお願いしま〜す。」



 リハを終え、いつもの柔らかい口調で客席に挨拶してステージを去ると、交代して金澤さん(Key)のリハ。




金澤さん
「こんばんは〜。よろしくお願いしま〜す。」




 完全なるデジャヴでリハを終え笑、最後は山内さん(Vo&Gt.)。




山内さん
「今日は時間があるので、(たっぷり)サウンドチェックしてます。」

「(たくさんのギター(4本くらい?)をチェックする中の1つをチェックしながら)これ、初めて中学の時に買ったギターなんですよ…!意外といい(音)でしょ!?」




 この日はゲストの出演も予定されていたため、その分のギターでもチェックしてるのかと思いきやそうでもない様子!

 


 自身のチェックを一通り終え、「みんな来るかな?」と山内さんが袖をチラチラ気にし始めると、メンバー全員+サポートのパーカッションとドラムの方も登場。




 バンドでのリハは大好きな「楽園」をフルコーラスで…!

 気持ちいい風が吹く深夜に、ねっとりと絡まって燃え上がる濃厚グルーヴ…!

 

山内さん
「フジファブリック今日、調子いいです!笑
 よろしくお願いします!」




 曲が終わってお互いに笑い合うメンバーの姿とその音には出演決定当初の心境である「楽しさ」しかありません…!




 こうして始まる本番のライブ。
 すっかり楽しくなってきたところで、一曲目から「ショウ・タイム」…!




 深夜帯にぴったりなポップなサビが清涼感を加速させたと思いきや、山内さんのハードなギターリフから海外の学園ドラマでも始まりそうなカラッとしたハードロック風に展開したところで、金澤さんによる中華風味のキーボードが華を添え始めるという、曲を知らない人が文字面だけ見たら意味不明であろう曲を至極楽しそうに演奏し、知らない人は本当に呆気に取られていたに違いない時間。



 …この変態性…これが私の好きなロックバンド、フジファブリック!!




 2022年のライジングサン、BiSHの代打で急遽出演が決まった時にも聞けた「徒然モノクローム」



 
 行き詰まってからの始まりをもたらす救世主のような曲は、この日も気楽な気持ちでまた人生を歩みだすための、私の支えとなって響きます…!
 何っっって楽しそうなギターソロ、歌うようなキーボード、ベースラインなのかしら!!




 2曲目でポップサイドを前面に打ち出したと思った矢先、全てをふり出しに戻すような「KARAKURI」…たまりません笑

 
 

 突如宇宙交信する怪しげなキーボードの音色と山内さんのお経のような歌唱を皮切りに、ジャッ!ジャッ!ジャッ!と山内さんがハードなギターリフを奏で出したと思ったら、おそらくサビ?と思われるパートで、地獄の深淵のようなカタルシスを伴うバンドグルーヴが溢れ出し、また最初に戻っていくという具合に、初日の深夜で疲れ切ってもなお音楽を浴び足りないエゾの民にこれでもかと喰らわせてくる、音楽的ドSぶりを遺憾なく発揮…!



 
 これからさらにどうなっちゃうんだよぉ…とワクワクする中、事前告知があったゲストボーカルとの共演タイム。




 山内さんの呼びこみとともに、ステージ中央で丁寧にペコリ、その後山内さんとメンバーにもペコリと、丁寧なお辞儀とともに登場するのは斎藤宏介さん!

 


 最近はユニゾンのライブでしか見る機会がなかったので、白いTシャツ姿は至極珍しい…!




斎藤さん
「(深夜なので)絶好調です!
 この1曲のために前ノリしましたから!」




 翌日にXIIXとしてのステージも控える中、気合いの前ノリを果たしてくれたことに感謝の意を込めた拍手を送りつつ、山内さんが「斎藤さんとやりたかった曲」として演奏を始めたのは…「Green Bird」



 フジファブリックのポップ成分100%の切なさと爽やかさを兼ね備えた曲で、密やかに、ささやかに展開するAメロから、力強く展開するサビまで、ユニゾンの「スカースデイル」における歌唱を鑑みても、あまりにもその歌声に似合いすぎていた最高の選曲!!




 基本的にはハンドマイクを持った斎藤さんのみの歌唱で進行しつつ、Cメロで唯一山内さんとのユニゾンによる歌唱。
 ふとお互い顔を見合わせ、微笑み合いながら歌を紡ぐ様に、どちらのオタクでもある私は無事鳥となって元気に飛び立ちましたとさ…😇



 曲を終え、去り際にはお互いハグを交わし合う山内さんと斎藤さん。



山内さん
「宏介くんが歌うと、曲が宏介くんの色になるなぁ〜!」


 
 お互いの信頼関係が垣間見えた至福のコラボステージはまだまだ。
 続いては斎藤さんと同じくペコリと登場した、ずっと憧れの存在でもあるという斉藤和義さん!



山内さん
「同じステージで一緒に歌うのは2011年以来ですよ!!」



斉藤さん
「そんな前だっけか?…そっか。」



 昂る山内さんとは裏腹に、いつも通り淡々とした斉藤さんはいそいそとアコギ等を準備。




山内さん
「次にやる曲は、前に僕と斉藤さんの2人で弾き語りした曲でして。」



斉藤さん
「なんかその時…もうちょっとやれたかな…って感じがあって。
 今日はそのリベンジに来ました。」




 そうして今日はバンドver.での披露となる「ブルー」へ。




 気取らないアコギ姿とざらついた歌声の斉藤さんに対し、先ほどリハーサルで「中学生の時から使っている」と言っていた青いボディのギターを構える山内さん。
 最後には超長尺のアウトロで、クールかつ豪快なギターストロークを魅せる斉藤さんとともに、とてつもない熱量のロングギターソロでカタルシスの大海原へ…!
 ステージ以外は真っ暗な石狩の大地、深夜、「青」の深淵へ…。





 十分すぎるくらいのリベンジとなった名演を終え、ステージを去る斉藤さん。
 ここからフジファブリックのみで、後半戦は「LIFE」から。




 サビでたくさんの手が左右に揺れる様は、フジファブリックのライブでは見慣れていた景色ですが、ふとこれでしばらく見れなくなるかもしれないと思うと唐突に…。




 それでも垢抜けた印象の演奏は変わらず、続く「Feverman」では、イントロからステージ前面に出て軽やかなベースプレイを見せる加藤さん!




 山内さんの扇動の下、客席にもたくさんの両手が上がる中、間奏部では「ギター俺!」のかけ声とともに始まるギターソロを弾きながら、金澤さんにちょっかいをかけに行きますが、「しっしっ!」と追い払われてしまう山内さん笑、微笑ましっ!





 楽しいお祭りの時間はあっという間。
 聞こえてくるせつなげなイントロは「若者のすべて」


 この後特に行く祭りがなければ、私が今年最後に見る花火は明日が最後になりますが、このバンドを見るのはこれで最後に…なってしまうのかな…何年経っても思い出してしまうのかな…。
 あれだけ楽しかったのに、急激なセンチメンタルに駆られるほどには、透き通って儚げな演奏。




 山内さんを中心としたメンバー紹介を挟み、この日、特別な思い入れのあるライジングの舞台でライブができたこと、この場を用意してくれたたくさんの人、見に来てくれたお客さんへの感謝を、一言一言丁寧に言葉にしてくれた山内さん。




山内さん
「また!………必ず!………フジファブリックとして…ライジングで…演奏したいです…!!」





 今日1番の拍手だったのは、言うまでもありません…!
 あくまで「解散」ではなく、「活動休止」を選んだバンドとして、どれだけ時間がかかろうと、いつかまたその姿に、音に会える日を信じて、最後は現体制になってからの曲で特に思い入れは強いにも関わらず、ライブで聞けたのはこの日が初めてだった「破顔」…!!


ただ息をする今日という日が
何より素晴らしいことさ
何もいらない さあ行こう 
心配なんか何もない 何もない さあ行こう

破顔




 声を枯らす勢いでサビの最高音を叫ぶ山内さんと、突き抜け続けるバンドサウンドで、音速の突風が石狩の大地に吹き荒れました…心も顔面もぐちゃぐちゃですが…今は全て洗い流してください…!!




 最後はゲストの2人もステージに呼び込み、全員で丁寧にお辞儀。
 表情は誰も彼も晴れやか!!





 先行き不透明な特濃変態プログレと人懐っこいポップさとカタルシス溢れるグルーヴ…そう…何度でも言いますが、20年間ずーーーーっと私が大好きなバンド…フジファブリック…!



 いつまでも待ってますけど!
 しばらくは心も破顔でいさせてください…!
 

セットリスト

リハーサル
1.楽園

本番
1.ショウ・タイム
2.徒然モノクローム
3.KARAKURI
4.Green Bird(with斎藤宏介)
5.ブルー(with斉藤和義)
6.LIFE
7.Feverman
8.若者のすべて
9.破顔




 1日目の感想は以上です。
 2日目以降の分はまた後日。



 ひとまず今回の文章にここまで付き合っていただけたそこのあなた、本当にありがとうございました。


 1日目前半戦の感想はこちらから↓

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