【ライブ感想文】Nothing's Carved In Stone「15th Anniversary Live at BUDOKAN」@日本武道館 2024.2.24(土)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回は、Nothing's Carved In Stone(以下、ナッシングス)、結成15周年を記念した日本武道館でのワンマンライブの感想文です。
最後にライブを見たのは、気付けば2年前の札幌ワンマンで、私もまだこのnoteを始めたばかりで今より幼い(今でも幼いよ👶)文章で感想を書き殴っていた頃。
それ以来ご無沙汰になっていたナッシングス。
昨年10月のツアーも都合が付かず行けなかったため、一体全体、この4人の鋼のアンサンブルに心の奥底から燃え上がる次の機会はいつなんだ…!!??と思っていた矢先!!
まさかの東京に行けそうなチャンスと、リアルな話をすると臨時収入によるダブルアタック。
直近で遠征してまで見たいライブかつ日程的に無理のないライブ…もう探すまでもなくこれしか浮かんでいませんでした…!
個人的には何かと縁の多い武道館。
人生で行くのは6度目ですが、おそらく8年振りくらい…?
遠征してワンマンライブに行くのも久しぶりかつ、ライブ後翌朝すぐの飛行機で帰るという強行スケジュールの元、2年振りにこの4人組を盛大にお祝いするべく、北の地を飛び立ちました✈️
チケットを取ったのがギリギリだったこともあり、この日は最後列から数えて3列目の二階席。
どんな景色かと思っていざ会場入りすると、思っていた以上にステージが近くて全体が見渡せる!かつ、思っていた通り急傾斜↘︎!
それだけ縦に長い構造であることがよく分かる武道館(縦長という意味では、北海道のコンサート会場だと、札幌にあるhitaruに近いかな?)は、ライブ会場ではMCでライブハウスに例えられたりしますが、その意味が今日改めて分かったような気がします。
ステージ中央のスクリーンにはバンド名が映し出され、左右には今回のライブのメインビジュアル(ヘッダー画像の左側に写っている絵の完全版)が大きく掲げられる中、静かに開演の時を待ちます。
予定時刻を15分ほど回ったところで、いよいよ場内が暗転。
歓声や拍手の量が尋常じゃないのは、もちろんこの規模の会場ということもありますが、15周年をお祝いしようと全国から駆けつけたお客さんの只ならぬ熱量によるものであることは間違いありません…!
ステージ中央のスクリーンに、MVとライブ映像でバンドヒストリーを1年ずつ辿るオープニングムービーが流れる中、前回の武道館公演を行った2019年の映像が流れ始めた辺りで、ついにメンバーがステージに姿を現します…!!
それから更に5年間の時を経て、また武道館のステージに向かって歩く4人の姿は、遠目から見ても堂々と戦いの舞台に上がる勇者の気配が漂っています…期待はいよいよ抑えきれません…!
映像は2024年、「15th anniversary 」の文字とともに終了。
一瞬の静寂を切り裂くのは、もう何度生で聞いたか分からない、生形さんの強烈なギタースクラッチ…!
続けざま、パッ!とスポットライトを浴びた日向さんの渋いベースラインが…!
村松さん
「準備できてますか!?
声聞かせてくれ!!」
一曲目から大アンセム、「Out of Control」なんて…今日は長いと身体が分かっていても、開始とともに既に精神は制御不能…!!
早くも興奮の歓声と上がる手が止まらない武道館。
2番のAメロでは、ドラムセットから立ち上がった大喜多さんと日向さんがグッと拳を交えている様子も見られたことから、早くも手応え充分のオープニングです!
更に!最後のサビに入ると、真っ暗だったステージ中央のスクリーンには、4分割の画面でメンバーの姿が映し出され、とうとう私にもハッキリと4人の表情が窺えます。
前回の武道館での演出を再現しつつ、この4人の演奏と、表情の凛々しさを目の当たりにした今、冒頭に感じた5年を経て更に逞しくなった勇者の風格は、確信に変わっていました…!
そのまままたまた生形さんのヘヴィなリフからの「Deeper, Deeper」で、制御不能となった感情は、更なる興奮の深淵へ。
赤と黒の砂嵐のようなざらざらとした映像演出をバックに展開される、ストイックな演奏に没頭する4人に、その音に、グッと引き込まれていきます。
大喜多さんによる、パキッと開放的なドラムが口火を切れば「YOUTH City」。
MVも彷彿とさせる映像をバックに、真夜中の高速道路を、渾然一体となったバンドサウンドで力強く駆け抜けるイメージが増幅されて、とにかく心地よい突風が一直線に何度も吹き抜けます…!!
そんな音楽の力で吹き上げた追い風を受けて、力強く羽ばたく「ツバメクリムゾン」…!
メロディはとにかくポップですが、サウンドはゴリゴリに荒々しい一曲は、ライブでは久しぶりに聞きましたが、飛び立つツバメの筋肉量(要するにバンドの音圧)が増しすぎていて、とにかく重厚…!
サビの最後、村松さんだけにスポットライトが当たる中歌われるアカペラパートの、力強さとほんの僅かなセクシーさに、鳥肌が止まりません…!!
心も身体もすっかり熱くなった先に、仄かに光る青い照明とともに、フェードインするゆったりとした同期。
鳴った瞬間に心がびっくりするほど、本当に暖かさを増した生形さんの奏でるアルペジオに、もう5曲目にして両目から止められなかった、大好きな「Chain reaction」。
青と白の照明が輝く中、少しずつ体温と光の明度を上げていくように折り重なるアンサンブル。
「あの日」のままじゃいられないけど、「あの日」は綺麗に見えるけど、「今」を体現するあなたたちは最高にかっこいいし、美しいし、今日ここに辿り着けた自分も、少しは誇らしく思えるかもしれない。
そんなことを思えた時点で、今日北海道から駆けつけた意味はもう有り余るほどありました。
村松さん
「15周年を迎えて、今日は俺らと同じような感覚を持った人がたくさん集まるんだと思うと、俺は今日、平常心でここに立てるのかって思って、平常に戻ってっていうのをぐるぐる繰り返してたんですけど笑
今日ここに立ってみたら…興奮してました笑
まだ5曲なんだけど、そんな人とたくさん会えて、もう満足したので終わってもいいかなっていう気分です笑
今日はリクエストも聞いてます。
それも含めて、俺らは最後まで全力で届けます。
Nothing's Carved In Stoneです。よろしく!」
今日ここで会えたお客さんに対する想いと、いい演奏を届ける決意を最小限の言葉で届けてくれる村松さんの言葉には、気負いのようなものを全く感じません。
リラックスしつつも、この場は任せてくれとその姿勢で語っているような頼もしさが、十二分に伝わってきます。
再び攻撃態勢を整えるバンドの先陣を切るのはリーダー生形さん。
美しくも力強い、千手観音のようなアルペジオ捌きからスタートする、ヒリヒリとした「Cold Reason」は、イントロで爆発し、何度も衝突を繰り返す轟音が凄まじすぎて、ライブで絶対に喰らいたかった一曲…!!
あまりに激しすぎる音の応酬で、ここで力尽きてもおかしくないくらいほどの熱量が続く約3分間。
最後のアウトロでは、メンバー全員が中央に向き合って最後の大爆発…!
曲終わりには凄まじい歓声が起こります…!!
この場にいる誰もが理解していた、楽器奏者としての、4人それぞれの恐るべきプレイヤビリティを、改めて肌で感じることとなった「Words That Bind Us」。
曲調や展開も激しく移り変わり、楽器に全く詳しくない私にも分かるほど、緻密なプレイが続くこの曲を、とんでもない集中力で、しかも熱量たっぷりに演奏する4人は、限りなく神に近い、紛れもない人間そのものです…!(何を言ってるんだ私?)
生形さんが1人ギターを奏で出すと、そのまま始まったイントロのフレーズで歓声が上がった「Sands of Time」。
サビに入ると再び後方のスクリーンにメンバーの姿が映し出されますが、特に日向さんはぴょんぴょんと飛び跳ね至極楽しそうな様子…!(ベースプレイは至極難しそうなのに…!!)
ストイックさが続いた2曲からの気持ち的な開放感もあってか、私も自然とホッとした気持ちで身体を揺らします♪
「「Brotherhood」!!」
村松さんによる堂々たる曲名コールから、心地良く身体と心が揺れる時間は続きます。
終盤には、村松さんや日向さんとともに、満場のクラップが鳴り響く武道館に、大喜多さんの軽快で緻密なドラムソロがバチっとハマって、心の中でガッツポーズ…!!
MVにもあったような、英語詞が都会の街並みに映し出される映像をバックに、クールで爽やかだけど、どこかもの寂しい温度感を携えたバンドサウンドが響きます。
15年を経て成熟した今のナッシングスが鳴らすことで、その「もの寂しさ」の部分はよりクッキリと深みを増して、私に届いているような気がしました。
5年前の武道館(私は映像で見た)の際は、直近の最新アルバムが「Mirror Ocean」だったため、その収録曲も多く演奏されていましたが、その中でもそういえばやっていなかった「Stories」…今日は聞けました…!
この曲も始まりこそ緻密すぎる展開ですが、サビが鳴った瞬間、これでもかと視界が広がるメロディとアンサンブルに、心のドアは全開放…!!
ふと心に入り込んできたフレーズ。
どこまでも貪欲に攻め続けるこのバンドの音楽に、心を抉られる私の物語はまだまだ続きます。
曲終わり、放射状に放たれていた照明はそのままの状態で静止。
すると突然、暴力的に歪んだ日向さんのベースがうねりを上げ始めると途端に歓声が…!
「もっとやれー!」という熱い日向さんファンの声も飛び交う中、この重力よりも重いベースラインが火蓋を切るのはやはり「Gravity」…!!
全くもってそういう雰囲気の曲ではないのですが、思い入れ故なのかイントロだけで私は込み上げるものが止まらなくなってしまいました(この日2度目?)。
緑色の照明が包み込むステージ上にはスモークが立ち込め、まるでジャングルの奥地に迷い込んだような錯覚を覚えます。
そんな中鳴らされる、重たく張り付くような重低音を基礎としたグルーヴに、心を絡め取られていくような感覚は、メロディアスなサビで一気に解放されていきます。
この地球上の重力が、一点に凝縮されたような感覚がたまりません…!
そうして1人で勝手にグッときてた中、演奏された「村雨の中で」では、1番のAメロ終わり、ふとスクリーンに映った村松さんの感極まったような真剣な表情に、まさかのもらい泣き…。
メンバーの姿とともに歌詞が次々と映し出される映像演出も相まって、いつも以上に歌詞が私の心を抉る、今日の村雨。
内省的な曲が多かったアルバム「REVOLT」を象徴する一曲で、今はその頃のような葛藤が全面に出ているバンドの状態ではないとしても、これだけの説得力と気迫が演奏から伝わってくるのは、常に今、この時のベストを模索し続けているバンドの姿勢が全く変わっていないからに他なりません。
焦りはなくても、貪欲さは失わない、今一度バンドの覚悟を鳴らす4人を、こちらも
覚悟を持って受け止めるような時間でした。
そんなバンドが歩む道を、朱く、時に優しく照らすような暁月夜は「Red Light」。
この曲ではお馴染みと言っていいくらいに、真っ赤(というより橙に近い?)な照明一色で染め上げられるステージに広がる音像は、村松さんの裏声混じりの優しい歌声とともに、包容力を存分に感じさせてくれます。
優しさを胸に刻み込んだままフェードインする同期から、更なる決意を込めて歩き出す「Walk」の、一歩一歩、確かな足取りを感じさせる、力強い、ミドルテンポのグルーヴ。
世界中の様々な風景が映し出される映像とともに聞いたことも影響してか、どんなところにもこのバンドの音楽が、もっともっと響き渡ってほしいな…なんてことをつい考えてしまいましたが、それは、それだけこの曲の持つポップな魅力と、雄大なアンサンブルは、ナッシングスが誇る唯一無二の武器であることを実感したからだと思います。
アウトロに入ると、余韻とともに何やらトランペットの音色が聞こえてきます。
「おっ、新しいアレンジか…!」と思って聞いていると、なんとこれは録音されたものではなく、今演奏されているもの…!
するとステージ袖から、SOIL&"PIMP"SESSIONSのタブゾンビ(トランペット)さんが登場。
村松さんが静かに紹介する中、まさかのゲスト登場に会場もどよめきます…!
そんなタブさんのトランペットにより、夜明けの足取りを後押しするような余韻が追加された「Walk」。
個人的には、初めて武道館で見たライブであるストレイテナーでも、サプライズで登場したタブゾンビさんのことを思い出し、二重にも三重にも感極まると同時に、この後のライブが一体どうなるのか、完全に予測不能となり頭は混乱状態。
そうして、タブさんがステージに残る中、始まるのは日向さんのベースラインから「Inside Out」…って本当にどうなるんだ…!
イントロから、バンドサウンドを後ろから底上げするように、華やかさではなく力強さの種を植え付けていくように、トランペットを重ねるタブさん。
黒い穴を中心に据えて、奥深くまで連れていかれそうな映像と、どこにいくか分からない演奏への緊張が重なって、未体験の興奮の底に落ちていきそうな中で、間奏ではとうとうタブさんによる勇ましすぎるトランペットソロに、会場から歓声と拍手が止まりません…!
そのまま曲が終わると、何も言わずに去っていくタブさん…何という潔さ…!
大きな拍手が送られたのは必然でしかありませんでした。
まるで何事もなかったかのようにまだまだ続くライブは、元々熱心に聞いている曲ではなかったけど、3年前に行った野音ですっかり好きになってしまった、「Everlasting Youth」へバトンを渡します。
静かに闘志を燃やし続ける、冷静で熱いビートと、サビ終わりの楽器が何度もぶつかり合うフレーズが中毒すぎて何度も聞いてしまう曲で、この日も何度も何度もバシッとハマるぶつかり合いに、中盤戦がグッと引き締まる至高の時間です。
するとギターを置き、ハンドマイクスタイルになった村松さん。
原曲とは違う、サビのフレーズ(メロディ)が追加された新たな同期イントロから、生形さんの力強いストロークがうねりを上げると、2階席からは瞬間、ステージが見えなくなるほどの大量のスモークが炊かれる中「In Future」へ…!
この曲が17曲目に当たりますが、6曲目以降、ここまで一瞬も休憩なし。
これだけ曲の連発が続いたにも関わらず、お世辞でも、そんな気がしたレベルで済ませられるものでもないほど、この日1番の声量と力強い歌声でグルーヴを牽引する村松さん…!
フロントマンとして、頼もしいばかりでなく、あまりにも凄まじすぎた…!
こんな頼もしい姿を見せられたら、私も、何度でも未来を始めたくなることは必死でした…!
村松さん
「15周年を経ても、良い曲を、演奏を届けることに夢中な俺らは今、「無」です!笑
そんな俺らを依代に、お前らの花を咲かせてみませんか!?」
それまで真剣な表情を崩さなかった生形さんも、流石に楽しくなったのかそんな言葉に一瞬覗かせた笑顔が素敵すぎた中、大喜多さんがバスドラとハイハットで軽快なリズムを刻み、咲き誇る準備は万全の武道館…!
村松さん
「おまえだよ!…おまえだよ!…
……「きらめきの花」!!」
笑顔溢れるメンバーとともに贈られる、極上の演奏による水と肥料!!
ひたすらに山を登るようなストイック過ぎる中盤を駆け抜けたご褒美であり、今日15周年を祝えるご褒美でもある花が咲き誇りました…!!
サビではたくさんの手が、花のように左右に揺れ、多幸感のままに吹き抜く暖かい風が心地よくて、スクリーンに映るメンバーの表情も、終始朗らかそのもの。
マスクの中で口ずさみながら、込み上げるものがまた止まらなくなってしまいました…だって…あまりにも楽しくて…嬉しくて…愛おしくて…!!!
本当によく咲いたよ…!
今日ここでまた、たくさん私が咲いたよ!!
心でも、実際でも、グッと真っ直ぐ親指を立てて、最高のバンドに最大の謝辞を…!
ここからはメロディアスな歌物3連発。
浮遊感のあるBGMとともに、スクリーンに映し出された石板?に刻印されていくのは、あの曲のサビの文字。
それが終わるとともに、静かに生形さんが奏で始めるのは、あの曲=「Diachronic」。
最初期からある曲ですが、ここまで散々魅せてきた鉄壁の演奏だけでなく、メロディと、何よりも村松さんの逞しい歌声の力を如実に感じさせてくれるこの曲。
ずっと聞いてきた時間の影響もあってか、そんな歌と演奏の深化がより味わい深く染み渡ります。
その深化は続く「Shimmer Song」でも同様。
終始逆光の照明が、戦い続ける4人を、戦い続ける私を、神々しく照らし出す中、凄絶な轟音に息を呑みます。
そのままゆったりとフェードインする同期に導かれるような神技ギターイントロと、ベースの展開が今日も凄まじかった「Milestone」。
そんな、演奏だけでも聞き応え抜群な曲であっても、圧倒的に鳴り響く歌の力に、私は魅せられっぱなしでした。
どこまでも貪欲に、ライブを重ねて、曲作りを重ねて、自分のやりたいことを突き詰めた先にある歌と演奏の力に、何度も握り拳を作ります…!
そこから突如大爆発するのは、「Like a Shooting Star」!
何と言っても昂ったのは中盤、生形さんのギターソロ!!
ギターをグッッッと上に上げて、「ギュワーーーーーン!!」と一発解放したからには、もうギターロック好きのキュンキュンも、ワクワクも、全て曝け出しちゃいます!!
前述の「Milestone」でも同様のギターソロがありましたが、やはりどこまでいってもナッシングスにとっての、私にとっての大事なギターヒーローであることを有り余るほど再認識したところで、ようやくライブは終盤戦へ突入します。
村松さん
「リクエストで20曲やって、そこから更に十数曲自分たちで選んでやるっていう無謀な企画を自分たちで立てて笑、ここから15年を経た、俺たちの本気をまだまだ見せたいんですけど、ついてこれますか…!?
音楽やります!
Nothing's Carved In Stoneです!!」
もう一般的なワンマンライブだったら終わってる尺だと思われましたが、ここで演奏された「Music」の、快活で豪快なアンサンブルは聞いていて気持ちが良すぎて…!
心を預けてどこまでも行きたい、後数時間…16年目も、20年目も、30年目も、もうどこまでも連れて行ってください…!!
流石に2階席の方ではあまりの分量に体力的に持たず、立ったり座ったりを繰り返す人も出てきた中、「You're in Motion」で更なる沸騰…!
ステージ前方で燃える火柱の特攻演出も、まだまだ行けるだろ!!と、こちらを煽り立ててくるようです…!
うおー!まだまだああああああ!!
こちらも自分自身に負けている(私も流石に座りそうだった…)場合ではありません!!
するとイントロから大歓声で、見事に感情への火を焚べることに大成功した「Spirit Inspiration」では冒頭から、「聞こえない!聞こえない!」とジェスチャーするかのように、歓声を煽る村松さんに載せられるように…というか乗りたくて仕方ないお客さんによるオイオイコールが炸裂…!
ライブで聞くたびに、ピッチが前のめりではなく、どっしりと構えた演奏になっている印象の同曲は、駆け抜ける疾走感以上に、重量級の横綱アンセム感が存分に感じられます…!
すると中盤、先ほど登場したタブゾンビさんが再び登場…!
間奏では超人ギターソロを決める生形さんと向かい合ってトランペットソロで音の真っ向勝負を仕掛けます…!
楽しい!!
楽しいですよこれは…!!!
すると次の曲は同期から何の曲か察しが付きましたが、まさかの機材トラブルの模様。
村松さん
「俺らの準備ができてなかった!笑
準備していい?笑
(準備を整え)
床抜けない程度にね…!笑」
こうして繰り出される「Idols」に、この日1番揺れる武道館…!
同期のデジタルなトラックのキメ部分に合わせて鳴らされるタブさんの高揚感増し増しのトランペットに、跳躍力が大いに増強される大興奮のアレンジに、私を含めて飛び跳ねる人が続出…!
本当にすいません!!!
もう床が抜けても知りません!!!
恐るべきダンスチューンとなって大進化したアンセムに、沸きに沸いた時間になりました…!!
村松さん
「次の曲は(リクエストの)順位言おうかな?
聞きたい?
(聞きたい!)
聞きたくない!?
(聞きたーーーい!)
聞きたくない!?
(聞きたあああい!!)
…なんだ聞きたいのか笑」
お客さんと交流しながら、とても楽しそうな村松さん笑笑。
村松さん
「俺らにとってもすげえ大事な曲です。
1位の曲をやります。」
こうして大きな拍手で迎えられたのは、無論やらないことはないと思われた「November 15th」。
こちらも最初期からある曲で、15周年のこの場で聞く感慨もひとしおですが、そんな気持ちを後押しするかのように、最後のサビでは金銀の紙吹雪がフロアに向かって噴射されます。
2階席から見ていると、たくさんの直線を描く照明とともに、会場中がキラキラと輝いているように見えて、光が漏れ出すようなアンサンブルとともに、バンドの15周年を盛大にお祝いして、祝福してくれているかのような美しい光景でした…!
ここまで、ひたすら目の前のライブに集中する時間が続いたこともあり、少し忘れかけていましたが、改めてこれが15周年の記念すべきライブであることと、その意味を強く実感するようなハイライトだったように思います。
感動ムードはそこまで!
この激しいイントロは、とうとうここできた!
バンドの始まりを告げる「Isolation」…!
ここまでで相当なボリュームのライブの中で、始まった時の歓声と、イントロのコールは1番大きかったんじゃないでしょうか…!?
メンバーもお客さんも含め完全にランナーズハイ状態。
どこまで行けるか分からないけど、どこまでも行きたい武道館。
きっと指定席でなかったら、モッシュやダイブも巻き起こっていたであろう熱気に満ちた会場は、凄まじい混沌と熱狂の渦の中へ…!
武道館中に轟く、「Now is everything」の雄叫び…!
今この瞬間、心の声のまま、やりたいことをやってやれ…!
15年、自分たちのやり方を貫き続けて、今も続いているロックバンドからの最大級の鼓舞に、上がる拳と猛る想いはもう止まりませんでした…!!
村松さん
「ありがとうございました。
Nothing's Carved In Stoneでした。」
ラストは「BLUE SHADOW」。
ステージバックに流れる映像では、壁に描かれた「NCIS」の文字と今回のメインビジュアルの上を、蒼い夜空を背に4羽の白い鳥たちが力強く飛んでいきます。
まるで今のバンドそのものの姿のような美しい風景に乗せて、最後まで集中力を切らさなかった4人によって丁寧に紡がれる、逞しく、力強い羽ばたき。
心も、身体も、この日1番、その姿と音に魅了されるうちに、静かな余韻を残して本編は終了。
少し間を置いて始まったアンコールでは、
村松さん
「15周年で!
こんなに人を集めておいて、何も喋らない気ですか…!?
リーダー!!」
という村松さんの一言から、生形さんによるMCへ。
生形さん
「下高井戸のドトールで、ひなっちと、かっこいいバンド組もうって言って、おにいを誘って、ボーカルが中々決まらなくて。
半年決まらなかったんだけど、そこに拓が入って。
15年で世界も色々変わって、人間関係が希薄(な世界)になってきた気がする。
そんな中でも、俺らは自分を曲げずに、今日ここまでやれてきた。
本当にありがとう!!」
おおよそ覚えている範囲では、そんなようなことを、誠実に言葉を紡いで話していた生形さん。
この後、「喧嘩もしたし、酸いも甘いもあった中で、気付けば色んな感覚をメンバーと自然と共有できるようになっていった。」と村松さんが言っていましたが、私の目には見えない部分も含めて、本当に濃密なバンド活動をしていることは想像に難くありませんでした。
そうして15年経った今、こうして2度目の武道館にもこんなにたくさんの人が集まっている光景をふと見返してみると、改めて、「バンドを続けること」の凄みの一端を知ることに、繋がったような気がします。
村松さん
「聞きたい曲、聞けなかったとかあるかもしれないけど、もっと楽しませたいので、これからも要望してください笑
気づいてるかな?
まだ(リクエスト)全部やってません!」
かくして始まる開放感たっぷりのギターイントロから「Around the Clock」が始まると、客電が全点灯する武道館お決まりの演出…!
もちろん!!最高に楽しい!!!
そうして再び歩き出す、というかとっくに歩き続けている4人の姿を、音を、改めて目をしっかりと見開いて焼き付けます。
曲終わりに再び照明は暗くなり、美しい夜明けの音像を描き出す「Sunday Morning Escape」。
31曲の険しい登山を終え、見えた先にあった朝日は、本当に瑞々しく、綺麗なものでした。
ただ受け取る側だったはずの自分も、自然とやりきったような開放感に満ち足りていると、聞こえてくるデジタルの同期サウンド。
村松さん
「新曲やります。
みんなの声、聞かせてください!」
大喜多さんがドラムセットから立ち上がり、声を聞かせてと言わんばかりに大きな身振り手振りでジェスチャーを見せると、方々からお客さんの楽しそうな声や雄叫びが飛び交います!!
かくして32曲目は、現状の最新曲「Dear Future」。
最後まで、今を生きるバンドでしかなかったナッシングス。
あっという間に駆け抜け、曲が終わると何も言わずに、深々とお辞儀する村松さんと日向さん。
こちらに両手を合わせて、お礼を言っているような生形さん。
晴れ晴れとした笑顔で、こちらに手を振っている大喜多さん。
全てを出し尽くした4人は、淡々とステージを去っていきました。
その後、スクリーンには今回のリクエスト上位20曲の最終結果が映し出されるとともに、最新EPの発売と、次なるワンマンツアーの告知が…!
そのまま「Perfect Sound」が流れる中、場内のお客さんの様子が映し出されるエンドロールが流れました。
最後には感謝と、これからもよろしくの意を伝えるバンドからのメッセージが映し出され、大きな歓声と拍手に包まれる中、ライブは無事終幕。
あまりの情報過多振りに流石に疲れ果てた私。
そんな私を見透かしたように、会場外では参加者全員に栄養ドリンクが2本配られていたのにはちょっと笑ってしまいましたが笑、要するに「お疲れ!」ってことですよね!笑
全部触れてないだけで、派手な特効や映像演出が他にもたくさんありました。
ゲストも呼び込みました。
既存曲は同期もふんだんに取り入れて、攻めた新アレンジもありました。
特別なことをたくさんしているライブの中でも、3時間ほぼMCなしで、最後まで緻密に、熱く、感情ほとばしる演奏と歌を全力で全うし続ける4人の姿は、16年目の今を既に始めている、ロックバンドでしかありませんでした…!
今を生きるロックバンドの節目であり、歩み続ける姿の最前線に立ち会えて、感無量の夜になりました。
おまけ
(会場外にあったお花の一部です。私の心の琴線を激しく刺激するバンドばかりで、始まる前から眩暈がしそうでしたが笑、それだけたくさんのバンドから愛されている様の一端を垣間見ることができました。)
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
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