【ライブ感想文③】RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO@石狩湾新港樽川埠頭横野外特設ステージ 2024.8.17(土)~2024.8.18(日)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回も今年のRISING SUN ROCK FESTIVAL(以下、ライジングサン)で見たライブの感想文です。
フジファブリックで初日を終え、テントで眠りについたのは深夜1時前。
翌日朝にはお風呂に行くミッションが控えていたため7時には起床が必要…起きられるのか私…?
そんな不安をよそに6時30分に覚醒。
一度会場を離脱し、そのままお風呂へGO。
綺麗さっぱりつるりんとしたところで会場に戻ってきたのは午前11時の少し前。
最初のライブまで多少時間があったため、このフェスの間に一度は食べたかった「青ばん屋」のホットドッグをお昼ご飯に🌭
Tukisamu Mutton Network及びアシュラシンドロームのVo.でもある青木亞一人さんが店長をされている、「青南蛮の醤油漬け(通称「青ばん」」を売りにしたこのお店。
その青ばんをふんだんにパンに塗りたくったこの青ばんドッグは、ジャンキーなホットドッグに、ほんのり暖かい家庭を感じる青ばんの甘辛さが絡み合い、美味。
どうしてさっさとライブの感想を書かずに、ご飯の話をしているかというと…。
店長の青木さんとこの後見るバンドの御三方は非常に深い交流の縁があり、前日にはその御三方がお店でバイトされている様子も拝見していたことが、この後見るライブの前フリにも繋がっていくからです。
食欲を満たしたところで、そろそろ肝心の音楽欲を満たすべく、2日目のライブを始めます。
① 打首獄門同好会(12:30~)
ギリギリまで青ばんドッグに舌鼓を打っていたので全然見てなかったものの、トップバッターとはいえたっぷりリハーサルしていた様子の打首さん。
それを見逃したとて、ライジングサンは他のフェスと比べ1アーティスト当たりの持ち時間は比較的長く、50分もあればそれはそれはガッツリ楽しめるはず!!
いよいよ12時30分。
いつものバックドロップシンデレラの曲とともに威勢よく登場するメンバーですが、「もっとぉぉ!」と、あす香さん(Dr&Vo.)が歓声を煽る声はいつもの以上のハリで、2日目早々にエゾロッカーのお目目もお心もバッチリ覚ましてくれます…!
大澤会長(Vo&Gt.)
「北海道の皆さん、まずは声出せますかー!?」
1曲目はいきなりの「1/6の夢旅人2002」のカバーで、北海道民かつ水曜どうでしょう大好き民であれば歌えない訳がありません!
大澤会長
「声を出したらその次は、スクワットで身体も動かしていきましょう!」
「筋肉マイフレンド」でのスクワットタイムはすっかりお馴染みですが、私の周りにいた曲をあまりよく知らない人も、多少困惑しながらスクワットを楽しんでいる様子に、これだけラウドなサウンドでも、このバンドの音楽はたくさんの人を巻き込む力に満ち満ちていることを思い知らされます。
ついでに、一発目からのスクワットは下半身に非常厳しかったことから、それなりに昨日の疲れを引きずっていることも思い知らされます。
同じく曲を知らない人も、ステージ横のスクリーンに流れる「サラリーマン山崎シゲル
」とのコラボMVでたくさんの笑いに溢れていた「部長ぷっちょどう?」は、Aメロから大澤会長のラップと軽快なビートが融合して、かっこいいのに面白すぎる不思議空間!
曲中盤のアンコールのくだりでは、あすかさん決死の女優演技に、客席から巻き起こる「もうぷっちょ」コール!!
「まだ3曲目なのにアンコール!?」と、とぼけたフリして冷静な歌詞(というか台詞?)替えを決める大澤会長にも笑わせられながら、最後のサビ前には風乃海さん(VJ)の激しい身振り手振りで辺り一面しゃがませられるお客さん。
こうしてサビで豪快に飛び出せば、もう私たちはエゾの民であり、ぷっちょの民なのです…えっ?
その後再び、「きのこたけのこ戦争」でラウドロックバンドとしての強靭な演奏とともに、いつまでも終わることのない比較的平和な闘いを催したところでMCタイム。
ライジングは実に5年ぶりという打首さんですが、ここでスペシャルゲストとして、うまい棒の袋のコスプレをした、先述の「青ばん屋」店長、青木さんが登場…!
登場とともにあまりの人の多さに「やっばっ…!」と目を丸くする青木さんですが、ここでの役目は宣伝隊長。
いつものパワーポイントで、お店の場所や販売商品がスクリーンに映し出される中、お店の宣伝をする店長と会長笑
無論その間に、客席前方から配られ始めるのは大量のうまい棒ですが、1万人規模を収容するステージでは、比較的後方にいた私までは流石に届かず泣。
それでも心に一本のうまい棒を抱えながらの「デリシャスティック」。
青木さん
「お前ら!!お腹空いてるか!?」
煽り立てながらステージ上を動き回り、共に歌う青木さんですが、昨日からのお店番の疲れもあってか終盤、大澤会長に「疲れてる?笑」と囁かれる始末笑
それでも店長として、ロックシンガーとして熱の入ったパフォーマンス…色々な意味でご馳走様です!!
大澤会長
「青ばん屋の繁盛と、ライジングサンの益々の発展を祈願いたしまして一曲!」
始まったのは、あまりにもリアルですが非常に大事な金銭支援の一つ、「カモン栄一」で、たくさんの人が心を¥マークにさせながら歌い、願う、¥。
junkoさん(Ba&Vo.)の軽やかなステップとベースプレイも眩しかった「死亡フラグを立てないで」でしたが、なんとびっくり!
うまい棒を脱ぎ捨てた青木店長が、ハンドマイク片手にCメロで颯爽と現れ、歌ったと思ったらすぐさま履けるという俊敏振りに再び湧く会場…!
楽しい時間はまだまだ続いていきますが…。
なんと急に霧雨がパラつき始めます。
お客さん
「雨ー!雨ー!!」
大澤会長
「なにっ!?雨降ってる!?本当に降ってるんですね!?
セットリスト1曲変えなきゃ…」
まさかの展開に、急遽パワーポイントのデータを探す風乃海さん!(その間、予定されていたMCをこなす大澤会長の扇動により、ツアー告知のパワポも出すマルチな仕事ぶり!)
パワポも大変ですが、それ以上に急な曲変更に完璧に対応するメンバーの演奏力に脱帽しっぱなしだった「なぜ今日天気が悪い」は、演奏が始まる頃には雨は止んでしまっていたものの、ここ数日の台風騒動を思いながら、暑いのは嫌だけど天気はほどほどによくなれという願いを込めざるを得ませんでした…!
すっかり気持ちが熱くなったところでライジングとのタイアップ飲料(?)とも言えるポカリスエットの曲でもある「BUNBUN SUIBUN」で冷静に水分補給を促しつつ、再び北海道の大海原へ錯覚的に挑み続けるような勇ましいビートを鳴らしてくれた「島国DNA」まで一直線!
そして最後はもちろん…!
大澤会長
「スーパーにお米が少ない今!
全国2番目の米どころであるこの北海道で、お米の大豊作をお祈りしてもよろしいでしょうかライジングサーーーーン!!!
日本の米はーーーー!」
世界一!!!!!!!!!
1万人分のお米への愛情が轟く、平和で激しい音楽の大地、RED STAR FIELD。
声を出し、身体を動かし、音楽、食、金、その他諸々の欲を満たすためのフェスの最高のスタートを切るには、このバンドしかありませんでした…!
突然の天気雨にも、たくさんの美味いものにも、どこまで北海道の!音楽の!神様に愛されるんだこのバンドは!!
② THE BACK HORN(15:10~)
昨日ほどではないものの、肌にまとわりつく蒸し暑さは中々しつこい2日目。
そんな暑さが1番厳しい時間帯にもかかわらず、久しぶりにライジングでバックホーンを拝める私の心はゆらゆらとメラメラに燃えていました。
リハーサルの時にはそうでもないかな?と思っていたEARTH TENT内の人口密度は本番直前にはみるみると急上昇し、全く涼しくなる気配は皆無に…それがいい!!
ライブツアーではいつもツアー毎のオリジナルSEで登場する4人ですが、この日はイベントやフェスで聞ける共通のSE。
レクイエムのような神聖な歌声から、バチバチのベースとドラムのビート、鋭いギターリフまで、どこをどう切り取ってもバックホーンでしかないこのSEが大好きで、私が叩く手の動きは止まるところを知りません…!
登場から笑顔を見せつつも、ギラついた雰囲気を纏う4人。
客席を見てニコッとはにかみ、臨戦態勢を整える将司さん(Vo.)にゾクゾクする中、松田さん(Dr.)のスティックカウントから「声」が始まるなり、とてつもない声…声…声!!
真っ直ぐ客席全体を見据えながら、ブリブリに動き回るベースラインを奏でる岡峰さん(Ba.)。
久しぶりにこの石狩の舞台に帰ってきたバンドを待ち焦がれていた人がどれだけいたかを物語るような光景に見惚れているようにも見えて、早くもグッと握り拳…!
「希望を鳴らせ」では、将司さんによる、「その歓声を、気持ちをもっとくれ!」と言わんばかりに大きく引き寄せる両腕の力はさらに力強くなり、メンバーのコーラスもさらに勇ましく響き渡ります。
バンドだけでなく、ここにいる全員でステージを作っていく覚悟を感じさせる選曲…!
松田さん(Dr.)
「7年ぶりのライジングサンです!!
僕らがこのフェスに初めて出演したステージであるこのEARTH TENTに、また帰ってくることができました!
僕らは「KYO-MEI」を掲げてバンド活動を続けています。
僕らの音楽とともに、生きてていいんだという実感を少しでも分かち合っていけたらと思います…!」
近年の新曲では抜群にダークな「修羅場」でトグロを巻くようなグルーヴの果てに、将司さんがひそやかに毒を込めて歌い放つ「頭大丈夫そう?」のフレーズに歓声…!
あまりに怪しすぎて受け止めきれないほどの暗雲が立ち込めるこの曲も、ライブの場では混沌の熱狂を巻き起こすほどの力を既に携えていて、その怪しさを吸い込んだ「罠」で真っ黒な意志は更に加速しつつ、どこか生きることに祈りを込めるような音が響き渡ります。
その祈りの意志がさらに純度を上げるのは、歌い出しからどよめきが起こった「空、星、海の夜」。
21年前のEARTH TENTでも歌ったであろうこの儚くも力強く、現実と空想の景色が走馬灯のように駆け巡るこの曲は今も変わらず、頭を振り乱しながら激情のギターソロを掻きむしる菅波さん(Gt.)に呼応するように、たくさんの想いがテント中に浮かび上がります。
先ほどの松田さん同様、数十年振りのEARTH TENT出演という形で、ライジングに帰って来れたことの感慨を語る将司さんのMCから、「ジャンクワーカー」へ。
お経のような歌唱から、ロングトーンの伸びと血気迫る表情が凄まじい将司さん…!
今日の将司さんは、近年見たライブでは間違いなく最高潮に声が出ていることもあり、聞き手側として引き出されるこちらの感覚も、声も、自然と昂っているのを感じます。
働くことに侵されてぶっ壊れそうな頭から、自分の中の生きる実感を取り戻そうとする心がグワっと溢れ出すような感覚…!
このタイミングで満を持して、松田さんのドラミングから始まり、菅波さんのギター、中央のお立ち台で再び客席フロアをじっくりと見渡す岡峰さんのベースが合流、そして、イントロのギターリフとともに巻き起こる大歓声と将司さんのシャウト…!!
これだけライブで聞き慣れていても、こんなにも感情の荒波が昂り、うねり、揺らぎ、激しく波打ち続ける「コバルトブルー」!!!
少しずつ涼しい風も吹き抜け始めたテント中に激情と爆音の突風が吹き荒れ、そのまま生きる血潮そのもののような真っ赤な照明が灯る中演奏された「刃」で、今を生きる姿を体現し続けるバンドと共に歌い、叫ぶのみのライブ…あぁぁぁ…今、最高に生きてるなぁぁぁ私!!!!
ここで終わってもというライブでしたが、最後の出来すぎたほどの大団円は「太陽の花」…!
このバンドの音楽を信じて、何度でもステージに拳を掲げて、何度でも歌い叫び続けて、最後まで上がる手も歌声も衰えることはなくて、お客さんもバンドも、それぞれの生きている実感をぶつけ合い続ける感覚が絶えることはなかった50分。
将司さん
「どうもありがとう!またね!」
テント中に放たれ続ける爆音と魂のぶつかり合いで、生きる実感を無限に獲得し続ける最高の太陽の花を心に咲かせてくれました!!!!
一時的に喉がもうダメになりましたが…生きてる実感しかないので文句なし!!
③ Saucy Dog(16:10~)
最初は休憩も兼ねて遠くからまったり聞く予定でしたが、バックホーンに生きてる実感を底上げされて、脚力にもエンジンが搭載されたとしか思えない元気いっぱいの今。
気付けば勇み足でズンズンとSUN STAGEの前方エリアに辿り着き、到着と同時にライブスタート。
5月にビバラロックのライブビューイングでライブを見て以来、久しぶりに生で聞きたくなっていたタイミングでの絶好の機会。
1曲目はその時と同様、惜しげもなく「シンデレラボーイ」から始まり会場がどよめきますが、本人たちは至って淡々とその演奏だけを楽しんでいる様子…!
歌詞がフィーチャーされることも多い曲ですが、こうして改めて3人だけの演奏に集中して耳と心を傾けてみると、石原さん(Vo.&Gt.)の声は、メインステージでもテントサイトの後ろまで届くくらいには本当によく出ているし、いつもながらの朴訥とした様子で会場を見据えながら、淡々と自身のベースプレイに興じる秋澤さん(Ba.)は職人のようだし、時折り微笑みを讃えながらバンドのグルーヴを支えるせとさん(Dr.)のドラミングは、精神的にもバンドの支柱となっているし、3者3様の音楽としての魅力がしっかりと伝わってくるライブ。
せとさん
「ライジングサン、とうとうSUN STAGEに出ることができました…!
とても大好きなフェスで、空気と一緒に音楽を楽しめる場所だと思っています。」
正直あまり深く聞いているバンドではないため知らない曲もありましたが、昨日よりも涼しくなるのが早かったこの時間の石狩で浴びるには心地良すぎる演奏で、バンドもそのことを自覚しているような肩の力が抜けた音を聞かせてくれて…いたと思いきや!
「雷に打たれて」では、ステージの端から端まで走って勢いよくギターを奏でたり、「ヒーローになりたーい!!」と高らかに宣言して始まる「夢見るスーパーマン」では、カラッとしたジャキジャキのギターリフを聞かせてくれる石原さんは、アクティブなロックシンガーそのもの…!
それでもパワーが衰えることのない歌声や、頑なに3人だけの演奏で生み出していくグルーヴの力は、幾重にもライブを重ねてきたからこそのバンドの力だと改めて感じます。
石原さん
「みんな生きていると、生きづらさとかあると思います。
そういうのがないって人はそれでいいし、それが良いと思います!
もし生きづらさを抱える中で生きる上では、いろんな心の拠り所があると思うけど、みんなが今日このフェスに来てるってことは、音楽が心の拠り所なんじゃないかと思ってます。
みんなそれぞれ好きなアーティスト目当てで来てると思うけど、そういうアーティストの音楽が、これからも心の拠り所になれば…!」
そんな3人の、ロックバンドとしての意志と演奏の力に一番に感じたのは、石原さんによる上記のような趣旨のMCから、終盤の「怪物たちよ」。
切実な生きづらさが、3人の歪んだ音像だけで生々しく紡がれるからこそ、この音楽に助けられる人がいることは間違いなくて、私もその1人でした。
この曲の時は、ステージ左右のスクリーンに歌詞も映し出されていましたが、個人的にはそれが必要ないくらい説得力のある音楽かつ、届く言葉だったと思います。
あれだけ柔らかい雰囲気を纏っていたせとさんが、それまでと打って変わって真剣な表情でドラムに集中していた様子も忘れられません。
そのまま「優しさに溢れた世界で」でライブは終了かと思いきや、何やら中央に集まるメンバーに声がけする石原さん。
石原さんの言葉に、秋澤さんもせとさんもびっくりしたような表情を浮かべて笑っているご様子…!
石原さん
「時間余ったんで、もう一曲やっていいですか!?」
スタッフさんとの連携の元、大急ぎでギターを準備し、慌ただしく始まった「Be yourself」は、あまりに急なことだったからか、早々にギターの音が出なくなるハプニングもありましたが、それをカバーして有り余るくらいには大音量のお客さんの歌声…!
予定調和は一切なく、トラブルもあるのにそれをとにかく楽しむ姿勢は、明らかにライブ現場のロックバンド!!
ひたすらに3人の演奏だけで聞かせる姿勢も、MC最小限で曲を詰め込んで最後には急遽余った時間で1曲追加する姿勢も、歪んだ音作りも、3人の自然体で演奏に集中して楽しむ姿も、しつこいようですが、やっぱりどこからどう見てもロックバンドでしかありませんでした…!
今回は以上です。
感想文全体としてはここでようやく折り返しました。
2日目続きの感想はまた後日。
ここまで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
初日の感想文はこちら↓
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