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[ネタバレあり ライブレポ]2022年31本目 岡崎体育「JAPAN TOUR」 @札幌ペニーレーン24 2022.11.13(日)


 こんばんは。シリアスファイターです。

 今回は盆地テクノのパイオニア、岡崎体育さんのワンマンライブツアー、札幌公演のライブレポです。



 今年の春に行われたツアーは日程的に行けず、最後にワンマン公演を見たのは、「あの」最早伝説と言っても過言ではないさいたまスーパーアリーナの単独公演よりも前に行われた札幌でのワンマンだったため、本当に久しぶりとなりました。



 前回見た時はホールでしたが、今回はグッとキャパの狭いライブハウスツアー、しかも札幌は大大大好きなペニーレーンということで、大変喜ばしい反面、チケット取れるのかあ・・・?と不安すぎて、逆に考えすぎて疲れて夜もぐっすり眠れる日々を過ごした後、あっさりとチケットは取れてホッと一息ティータイム。



 ・・・いや、むしろ即完しろよおおお!!(結果的には完売公演でしたが)



 岡崎さんの楽曲は何から何まで1人で生み出されているとは思えないほどのハイクオリティぶりであることはもちろんのこと、ライブは本当にその都度一度きりのアイデアに溢れたもので、アレンジしかり歌詞しかり、全ての楽曲が、そのライブを見逃したら同じものは二度と見れないという希少価値に溢れまくっているのです・・・。


 そして・・・もちろん底抜けに楽しいエンタメでもあり、岡崎体育という人間の魅力全てを余すことなく浴びることのできる唯一無二の機会。


 そんなライブを間近で体感できる今回のツアー、春に行けなかった後悔の念も抱えたまま、すっかり涼しくなった、というかなんか雨風そこそこ強い琴似の町を闊歩し、ライブハウスへ向かいました。

 開演時刻間近、マネージャー松下さんの、「岡崎体育」から既に噛み始めているけど、あまりに微笑ましすぎる影アナによる注意事項の説明を経て、ほっこりした空気が会場を包む中、ライブは5分押しでスタート。


 赤い照明が照らし出す中、一転して不穏なビートのSEが鳴り響く中、上下水色でピンクのラインが入ったジャージを身に纏い、元気いっぱい袖から飛び出してきた岡崎さんは満面の笑み。


 そのSEそのままに、まずはビートに乗せて会場を踊らせがてら、自身も軽快な踊りを見せます…!


 そのまま一曲目の「Championship」へと雪崩れ込みます。


 登場時からキレッキレの動きはそのままに、この高速ラップパートを、全く噛まずに、ピッチも一切ブレず、熱く歌い上げる岡崎さんの姿はすこぶる楽しそうで、観ているこちらも自然と手が上がってしまいます!



 続く「Yes」ではマイクスタンドが登場。


 マイクスタンドの位置が中々決まらず、決まったと思って歌い始めようと思ったらまた直すという、ファーストテイク時とは全く違う見せ方で楽しませてくれます笑


 最終的にはスタンドからマイクを外してハンドマイクで「Yes!!!」のシャウトを決め、曲終わりには完全にマイクスタンドを無視して、お立ち台にすっと出てきて、ドヤ顔でギャルピースを決めるという最高に笑えるオチまで含めて、改めてエンタメとしてここまで音楽で楽しませてくれる岡崎さんの引き出しの多さに驚きます笑


 その後最初のMCとして改めてガイドラインを説明。


「北海道のガイドラインに沿って、大勢で大声出すのはダメだから、コミュニケーション取りたい時は一人ひとりに当てます。
 ただ、長い時間の大声も駄目なので回答は3秒以内でお願いします。」


 という、とてつもなくプレッシャーのかかるコミュニケーションスタイルを提示し、再び笑いを誘います笑


「岡崎体育のライブくるの初めての人!
 (半分くらいの観客から手が上がる!)
 嬉しい!
 デビューして7年くらい経つけど、未だに新しいお客さんが来てくれるのは本当に嬉しい。
 もちろん、何回も来てくれてる人もありがとう!

(ライブは)こんな感じで、一曲やって休憩を繰り返して、このツアーは本当にだらだらやりますので、
 間延びしてると感じた方は帰りに入口でスタッフに返金を求めたら20%の確率で返ってくるとかこないとか…」


 と自身のライブスタイルや、来てくれるお客さんへの感謝と、楽しませたい想いが詰まりまくったMCを展開した後、更なる観客とのコミュニケーションを取りたいということで、今年の夏頃からライブで恒例となっている「フランスパンゲーム」の時間へ!


 簡単に説明すると、流れてくるビートに合わせて岡崎さんが、
 ①「フランス」と歌ったら手を一回叩く
 ②「食べすぎてお腹」と歌ったら手を二回叩く
 というリズムゲームなのですが、岡崎さんは「焼きそば」や「フランシスコザビエル」、「フランフラン」といったフェイントを入れてくるため、相当注意していないと間違える非常に難易度の高いゲームでした笑(私はめちゃめちゃ引っかかった笑)

 ちなみに全体の成績は岡崎さんが客観的に採点し、札幌はこれまで11公演中4位とのこと!


「前日の旭川は7位で、アンコールでやり直しても7位、何も進歩がありませんでした。
 札幌も時間あったらアンコールでやるから、これからのライブそっちのけで頭の中で練習しといてください。」

 という新たなプレッシャーをかけられたところで笑、ステージにはギターと譜面台と椅子が運び込まれます。


「僕、長年(タイアップも含めて)色んな曲を作る中でボツをくらった曲がなかったんですけど
 そろそろ新曲出したいねとなって今年の夏に作って、「うーん…今じゃないですかね?笑(byスタッフ)と初めてボツを食らった曲を今からやります。
 弾き語りっぽい曲作ったんですけど、ギターは弾けないので抱えるだけになります。」


 とフリから既に面白すぎたボツ曲(?)、「宇宙と長野」へ。


 少年時代の苦い思い出の根本的な原因を辿り、最終的に宇宙と長野のせいにするという力技の歌詞笑が乗るメロディは、歌もギターの音色もどことなく哀愁が漂い、そして何よりアコギを引いてるふりが異常に上手い(?)岡崎さんは、本当はギター弾けるのではないかと錯覚してしまうほどでした笑


 その後、古い曲と新しい曲を一曲ずつということで歌ものの楽曲が続きます。


 オレンジの淡い照明が印象的だった「Snack」は、日常の何気ない一面を切り取らせたらこれ以上ないってくらい暖かくて優しい視線を感じる名曲で、そっと語りかけるような岡崎さんの歌唱も含めて、再び大好きになりました。


 そこから開放感たっぷりの「おっさん」へ雪崩れ込み、前半のピークへ…と思いきや、1番サビ途中で曲を中断。


 あからさまに不機嫌な表情の岡崎さん笑


「もっとミスチルっぽく、みんなで手の振りを揃えたい!
 3人くらいしかできてなかった!
 同調圧力!
 日本人のいいところ見せていこう!」



 という子どもが駄々をこねるようなリクエストを受け、1番サビの直前から再開笑!


 揃った手の振りを見た岡崎さんはめちゃめちゃ気持ちよさそう!で、その後は何も言わずとも起こる手拍子などにも上機嫌!という、ある意味狂気すら感じさせる「おっさん」に、思わず笑ってしまいました笑

「今回のツアーは歌もの中心のセットリストで回ってます。
 昔はネタ曲を聞きにきたお客さんが楽しめてるか怖くてできなかったけど、今こうしてやってみて、たくさん拍手が返ってくるし、音楽家として本当に楽しいツアーが回れています!」



 と、このツアーのコンセプトを語る岡崎さん。


 つまり存分に岡崎さんの歌を堪能できる!よっしゃ!と心の中でガッツポーズしていると、ここで3分だけ時間をください、との趣旨のMCから、インディーズ時代のレア曲「飛び散る恋神経系」へ。


 私は初めて聞いたのですが、とても可愛らしいテクノポップで、そんな気持ちとはほぼ無縁の青春時代を送ってきた私ですら、ちょっと甘酸っぱい気持ちにさせられました…。


「今日ここにいる人、味噌と醤油だったらどっちが好きか手あげてもらっていいですか?」



 曲終わりは唐突なラーメントークからスタートし、札幌だし当然味噌が圧倒的になると思っていたであろう岡崎さん。
 結果は味噌:醤油=6:4くらいという微妙な結果に笑


「これ土地によって、結果がバツっと分かれることあるんですかね?
 (例えば)高知だったら醤油ラーメンの方が多いとか。
 …この質問、高知でやったら醤油ラーメンの方が多いと思う人!
 笑、…知らんがな!ですよね笑」


 という和やかすぎるMCタイムを経て、


「今まで200曲近く作ってきて、1番好きな曲をやります。」


 の一言から待ってました、「鴨川等間隔」


 歌ってる岡崎さんはとにかく気持ちよさそうで、私も本当に気持ちいい!

 別にどうしてほしいわけじゃない
 ただそれくらいの許容や容赦を
 保てる心を育みたいぜ
 (幹から腐った訳では無いぜ)

鴨川等間隔


 隠せない嫉妬心はそのままに、でも少しでも前に進もうする意志がひょっこり顔を出すCメロから、間奏の岡崎さんによるエアギターソロに雪崩れ込むこの瞬間が、岡崎さんの人間味溢れるライブの中で、これ以上ないカタルシスを味わえる最高の瞬間です…!


 曲終わり、万巻の拍手が鳴り響く客席に、エアギターのピックを投げまくり、なんならそのままエアギターも投げ、エアアンプも投げかけて…かけないんかい!なにこれ?笑と自分で笑ってしまう岡崎さんを見て笑う観客笑


 岡崎さんのライブでは恒例、観客の持っているタオルいじり(今回も、ケロリンや、何かの大会の優勝記念、温泉のタオルなど、岡崎さん以外の、もはやミュージシャンのものですらないタオルがたくさんありました笑)を会場の隅から隅まで怒涛の勢いでやってみせた後、まだまだ歌ものライブは続きます。


 先述の新曲制作の折、レゲエを勉強しながら作り、実際のレゲエバンドの方にアレンジしていただいたという新曲「サブマリン」は、純度100%のレゲエソングでびっくり!!


 北国に南国の暖かくてホッとするような空気がフワッと入ってきて、心地よく会場を踊らせます。


「一つ、宣伝させてください。
 北海道ってテレビ東京系列映る!?」


 と、金曜日にTV放送される、岡崎さんが主題歌から劇伴まで担当した、一昨年度のポケモン映画の話へ。


「一昨年の夏に公開する予定が、コロナで延期になり冬になりました。
 座席の間隔も空けなきゃいけなかった頃で、動員も思ったより伸びず正直悔しかったです。
 その時見たくても見れなかったという人には是非見てほしいし、これからやるこの曲を気に入ったら是非見てください!」


 との趣旨のMCから、「ふしぎなふしぎな生きもの」へ。


 原曲はトータス松本さんの歌唱なので、セルフカバーのような披露。


 岡崎さん自身、親子(家族)の曲ではあるけど、自分に子どもや家庭がないため、書くのが難しかったと語っていましたが、ゆったりと寄り添うような優しいメロディを、優しく歌い上げる岡崎さんの姿は、楽曲に不思議と説得力を与えるものでした。



「北海道いいですよね、余生は北海道で過ごしたい、函館とかいいなと思って。
 修学旅行?かなにかで十勝に来て、ラフティングでなく、どこでもできる笑サイクリングを選んだんですけど笑、
 もちろん気持ちよかったですけど!」


 なんて北海道らしいトークも踏まえ、ここから岡崎さんの歌力にどっぷりと浸かった今日のハイライト2曲。


 ピンスポ照明が照らす中、スタンドマイクで歌われた「龍」


 夜、ふと1人になった時の不安や、焦りや、戸惑いや、後悔や…名前の付かないものも含めて色んな想いをゆっくりと昇華していくようなメロディはとても雄大で、そこに乗る岡崎さんの歌は透明で、深い祈りが込められているようでした。


 私の中では、これ以上ない「子守唄」のような曲だと改めて感じました。


 そこからハンドマイクに持ち替えて、続けて歌われたのが「エクレア」だったので、グッとこないわけにはいきません。

 いい曲といい歌はいい人といい場所で
 いい曲はいい人と共に

エクレア



 ここにいる観客の皆さんと、この瞬間を共有できて本当に良かったです。


 「i」の母音で高音伸ばすのが続く辛い曲なはずなのに、なんであんなにブレずに魂込めて歌えるんだ…凄すぎですよ、岡崎さん。



 「エクレア」の余韻に浸りすぎて、ここからのMCは記憶が飛びまくってるのですが、最前列のお客さんが全員岡崎さんのグッズを身につけてて本人が大はしゃぎしていた(いやまあ、私服でもなんでもいいけど!、とその後言ってました笑)のは、何となく覚えています笑


 その後、ミュージシャンで岡崎体育が1番好きな人ー!?という問いかけには、最前列のお客さんの半分からしか手が上がらなかったため、じゃあ誰が好きかと岡崎さんに問いただされたところ、アジカンやKREVAさんとの回答が笑


「まあ、なにをやっても上手くいきませんよね……
 …曲の前振りが下手すぎる笑、次何の曲か分かる笑
 何番目であっても、好きでいてくれて本当にありがとう。
 (アジカンやKREVAさんのような)そういう存在になります!」



 という宣言から、大方の予想通り「なにをやってもあかんわ」へ突入すると、曲中にメロディをいじってアジカンの「リライト」と、KREVAさんの「イッサイガッサイ」の一節を織り込むという離れ業をやってのけ、即興ソングの第一人者としての力を見せつけます…!

 最後のMCは、岡崎体育のイントネーション問題(「お」にアクセントか、「か」にアクセント?か)について話しつつ、いよいよラスト2曲。


「元気な曲やって帰ります!
 ありがとうございました!」


 終盤ではお馴染みの、イントロからけたたましいビートが鳴り響く中、力強いクラップが会場中に木霊する「XXL」は、最後の力を振り絞らんと会場中の手が上がります…!


 本編ラストは「The Abyss」



「踊らせたいと思って、実家の子ども部屋で1人で作った曲です。
 踊ってくださいなんて言いません。
 踊らせてこそ本物だと思ってます!
 いいなと思ったら両手あげて踊ってください!」



 こんな壮大で力強いビートを聞いたらもちろん!踊らずにはいられません!!


 この日1番のジャンプ決めてみせた観客と岡崎さんの圧勝で本編終了。


「アンコール待ってます。」


 と言ってステージを去った3秒後笑、再びオンステージする岡崎さん。


 もう一度フランスパンゲームをやって順位を上げたいか観客に聞いたところ、3割ほどしか手が上がらないという、正直すぎるリアクションを経て二度目のゲーム再戦は承認されず笑


「じゃあもう一曲やって帰ります!
 本当にありがとうございました!」


 真のラストは「感情のピクセル」


 ここまで歌もの尽くしのライブを経て、最後の最後に聞くネタ曲であるこの曲も、カッコ良すぎるトラックと相まって、力強いロックバンドのボーカルの如き岡崎さんの灼熱の魂の歌声が、私のど真ん中に突き刺さり、胸に込み上げるものがありました…!


 全力で拳を振り上げる私、最後は人差し指を天高く掲げフィニッシュする岡崎さん。



「口にすれば夢はいつか叶います。
 3年前にさいたまスーパーアリーナでのライブが終わって以来、言霊を残してきませんでしたが、今日ここに言霊を残していきます。
 岡崎体育は、紅白歌合戦に出ます!」


 歌って、喋って、歌ってを繰り返して、本人は最初、間延びがどうとか言ってましたが、それをずっと1人でやりながら、全く歌唱はブレず歌心たっぷりに最後まで歌い上げた、シンガーとしての岡崎さんの魅力を十二分に感じられたライブでした。


 盟友(というか先輩後輩の)ヤバTと揃って紅白に出るまで、また追いかけなきゃ。

(以下、セトリですが、順番は自信ないので一部誤りがあるかもしれません。)

セットリスト
1.Championship
2.Yes
3.フランスパンゲーム
4.宇宙と長野
5.Snack
6.おっさん
7.飛び散る恋神経系
8.鴨川等間隔
9.サブマリン
10.ふしぎなふしぎな生きもの
11.龍
12.エクレア
13.なにをやってもあかんわ
14.XXL
15.The Abyss

アンコール
1.感情のピクセル

 今回は以上です。


 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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