【ライブ感想文】TOKYO CALLING2023@新宿2023.9.16(土)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回は久しぶりに北の大地を飛び出して、3連休中の東京へ。
毎年恒例のライブハウスサーキットイベントTOKYO CALLINGの初日、新宿で見たライブの感想文です。
当初、9月の3連休はのんびりしつつ、近くで観に行きたいライブが多かったのでそれにも行けたら♪( ´▽`)
と、こんな絵文字みたいな心持ちでいましたが、急遽諸用が発生。
くぅぅっっ…!だが!土曜日は空いてる!!٩( 'ω' )و
と、こんな絵文字みたいな心持ちに切り替え、X(旧Twitter)に流れてくる情報を見ながら、密かにいいなあ…と妄想を膨らませていた、同イベントへの参加を決めました。
過去に一度旅行?ついでに参加経験のあるこのイベント。
ライブハウスが乱立している都会ならではのイベントで、3日間に渡って、新宿、下北沢、渋谷の各地区にあるライブハウスにおいて、同時進行で様々なライブが展開され、参加者はタイムテーブルを見ながらライブハウスを梯子して好きなライブを見るというフェススタイル。
東京のライブハウスなんて滅多に行くことはない私からすると、「あの名前だけ聞いたことのあるライブハウスはこれか!」と、さながらテーマパークに遊びに行くような興奮を、ライブハウスに入るたび、ライブを見るたびに味わえるという、美味しいポイントてんこもりのイベントにまさかまた行ける日が来るとは…むしろ願ったり叶ったり…!
今回私が行ったのは初日、新宿でのサーキット。
前回私が参加した時も新宿での開催日で、特に幾度となく名前だけは聞いたことのあった新宿LOFTに入った時は、すごく柱が邪魔だけど、異国感があってよい!みたいなことを思っていた気が…。
今回はできたてほやほやのZepp Shinjukuも会場に加わり、そこに行けるのも大いに楽しみだったこの日。
ライブハウスを主戦場とする猛者が集いしイベントを、しかと刻みつけた記録です。
私が会場に着いたのは、最初に見る予定のバンドが始まる30分前。
会場前の広場でリストバンド交換を済ませ、早速前述のZepp Shinjukuへ。
入口から赤いカーペットが敷かれた道を進んでいくと、大理石(そういう知識が皆無のためそんなわけないと思うけど)みたいな壁やら、おしゃれでピッカピカのドリンクカウンター及びお手洗いやら、まるでリッチなパーティ会場に来たかと錯覚する豪奢な雰囲気でしたが、フロアに入れば通い慣れたライブハウスの空気。
普段通い慣れた札幌のZeppよりもコンパクトで段差も沢山あり、どこにいても比較的ライブが見やすい印象です。
そんな中で一発目は…
①(12:30〜)夜の本気ダンス
6年ぶりのコーリングは、6年前に新宿LOFTの大トリとしてのライブを見て以来の夜ダンを、今度はその時の倍以上のキャパシティ、Zepp Shinjukuで見る、という不思議な縁から始まりました。
個人的には10月のツアーでの再会する予定が、まさか出会いの場(イベント)で再会できるという嬉しすぎる誤算。
時間通り場内が暗転し、SEとともに頭上のミラーボールが回り始めると、ライブハウスという名のダンスフロアの準備は整いました。
「俺たち、京都のバンド夜の本気ダンスです。
踊れる準備はできてますか、トーキョーコーリング!?」
米田さんのスタイリッシュな挨拶から、6年前の続きを始めるように、再びロックンロールの行き先を示し始めるのは「WHERE?」…!
小気味のいいフレーズを奏でるギターの音は剛腕でとにかく太く、音を支えるリズム隊の安定感も相まって…身体が本能レベルで揺れる揺れる…!
サビで広がる会場中のコールと無数の手。
そんなライブハウスの光景が向かう先は、早くも踊れる未来しかない頼もしさです!
「for young」では、米田さんはハンドマイクに持ち替え、お客さんに負けじと、かけ足するような軽快なステップを見せながら、抜群の色気のあるボーカルワークを魅せます。
お客さんを踊らせる以前に、バンド自身がが心から踊っている様は、見ているこちらの踊りたい精神を更に喚起させます。
早くも踊れて踊れて仕方ないライブの中で、ドラムの鈴鹿さんによるMCも、6年前の比では暴走ぶり笑
早速、新宿をわざと「渋谷」と言い間違えますが、あまりに発言の姿が堂々としすぎて逆に大滑りしてしまい、
「今日は朝一やから調子悪い」とベースのマイケルさんからツッコミが入ります笑
「違うやん!
(米田さんが)さっき「京都から来た」言うたやんか!
(東京のこと)分からへんもん!」
この後MCを経るにつれ、新宿でも渋谷でもなく、間違えないように広義の「東京」呼びになっていたというオチまでの展開も含め、大いに笑わせられます爆
「みんな元気やん!
終わる頃にはもっと元気になってるから!」
そんなMCもライブの火付け役の1つ。
中盤、ヒートアップしてきた米田さんが着けていたネクタイを外して頭上に放り投げ、華麗なツーステップを踏みながら歌う「fuckin' so tired」は、日々の仕事から解放されて遊びに来ている自分と重なり、自然と拳が上がってしまいます。
アウトロから同期音源がフェードインするように演奏される「審美眼」は、特にライブで聞きたかった曲の一つ!!
いたって冷静なプレイに徹し続ける西田さんの骨太ギターリフは、ゴツゴツしたダイヤモンドのようにギラギラと輝きを放ち続けます…!!
中盤のギターソロに入る頃には、あまりの輝きに目が眩んでに気絶寸前でした…。
そんな西田さんは、このイベントのトップバッターである自分たちにかけて、なぜ野球でもないのに「トップバッター」かを真剣に考える鈴鹿さんと、聞き間違えで「トップ」のことを洗濯用洗剤と勘違いしていたマイケルさんに対して、
「リズム隊は脳が溶けている。」
と、冷静に指摘して笑いを誘います笑
既に「渋谷と新宿の区別が付かないくらい楽しい!」という鈴鹿さんに、先ほどまでノリノリのステージングだった米田さんも冷静に唖然とする様がこれまた面白く笑、それだけこの朝一から、心も身体も踊らせるための演奏に徹してきた…ということでしょう!
「最後は大きい声で初めたらええ。」と、プロデューサー風の西田さんの振りから、鈴鹿さんと西田さんによる威勢のいいコールを火付け役として、「Crazy Dancer」で再び沸騰するダンスフロア!
エンディングの「Fun Fun Fun」には、まだまだ踊りたくて仕方ないけど、このライブはもう終わってしまうという、ワクワクと切なさがギュッと濃縮されていました。
長い1日はまだまだ始まったばかり。
ライブハウスで心ゆくまでライブを楽しみたい、踊りたい気持ちはもう止められません…!
鈴鹿さんの宣言通り、たくさん踊ってすっかり元気になった私。
足取り軽やかに、次のライブハウスへ向かいます。
②(13:30〜)STANCE PUNKS
続いての箱は10分ほど歩いた先にあるHOLIDAY新宿という400〜500人程度のキャパのライブハウス。
夜ダンの終わり時間によっては間に合わないかもと思っていましたが開始5分前に到着。
続くスタパンはライブを見るのは初めて。
自分がガッツリ聞いていたのももう10年近く前になりますが、今でも現役でパンクロックを鳴らし続けているその勇姿は如何に…!
「イエーーー!!
スタンスパンクスだー!」
うわあ!
ボーカルのTSURUさん、全く変わっていない!!
曲が始まる度にスタンドマイクを軸に何度も飛び跳ね、汗を撒き散らしながら叫び歌う姿は、初めてバンドを知った頃にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるとともに、現役で見せるその姿は、今もバンドに魂と命をかけているフロントマンとして、これ以上ない説得力です…!
それに呼応するように、前方では今も熱心にライブに通っているのだろうファンの人達による激しいモッシュ!時にはダイブ!
なんなら、昂ったギターの方も客席にダイブし、ファンの方達の連携で担ぎ上げられるという、その場限りのチームプレイ!
そして鳴らされるのは1mmもブレも迷いもない、ギターとベースとドラムとボーカルが猪突猛進するのみの直球のパンクロックだけ!
潔が良すぎて気持ちいい!
曲を知らなくても自然と拳を握ってしまいます…!
無論ただ暴れるだけでなく、優しさにも溢れるのが私の好きなパンクバンド。
TSURUさんは、今日このステージに最初に出る予定だったバンドが体調不良で出られなくなったことを、最初のMCで真っ先に心配して気にかけます。
「パンクロック続けてると、頭悪いってイメージあるでしょ?
でもバンドって楽しいからやってんだよ。」
「俺たちもう結成25年なんだ。
「やーめーろ!、やーめーろ!(反応のない会場)」
…あっ、みんな優しいんだな笑
24年だろうが、26年だろうが関係ないんだけど、長く続けてるとみんな褒めてくれるんだよ。
だから…もらってもいいか…?笑」
TSURUさんの言葉に、「偉い!」と太い声が飛び交う優しい世界です…!
重ねた時間以上に、今この場で、少し荒っぽい言い方をすると、クソみたいな何もかもを真っ直ぐに遠くまでぶっ飛ばしてくれるパンクロックを鳴らしてくれたこのバンドに最大級の力を込めて拍手を送りました…!
ラストの「モニーモニーモニー」まで、全速力の30分。
「また生きて会おうなー!!」
今日また、こうして会えたんだから生きてればまた会えるはず…!
パンクロックから受け取った力で、続くパンクロックバンドにバトンを渡します。
③(14:30〜)ガガガSP
リハーサルから大好きな「つなひき帝国」で、ついつい手と歓声を上げてしまう私みたいなお客さんがたくさんいる中、始まる直前まで(というか始まった後も)「一歩ずつ前に詰めて」というスタッフさんからの指示が途切れないほどパンパンのHOLIDAY新宿。
ライブハウスならではのギュウギュウ詰めで暑い熱気が立ち込める中、リハーサルまで服を着ていたはずのギターの聡さんは、当たり前のように上裸で短パン一枚という出立ちで戦闘態勢を整え、ボーカルのコザックさんは感慨深そうにお客さんを煽り、バンドのタオルを高々と掲げます…!
すると冒頭から、あの切なさに駆られるギターのアルペジオが…!
「ここは普段、ビジュアル系バンドの箱らしいですわ笑
それが今日は、スタパンからの我々なんて、20年前の光景ですよ!
この曲は20年前に付き合っていた〇〇さんと別れた時に作った曲。
やってよろしいか!!??」
もちろんと言わんばかりの大歓声、力強く響くオイオイコール!
メロディはどこまでも暖かく、演奏は直球でどこまでも暑く。
ステージ上の4人の熱量と、それに応えるお客さんの熱量によって、人間同士の音楽のやり取りでしか生まれない暖かい空間が確かにありました。
印象的だったのはコザックさんの眼差し。
前方で手を伸ばし続けるお客さんの手を一人ひとり丁寧に手を握り返したり、握り拳を合わせたりしつつ、全方位に熱い視線を送りながら、たくさんの言葉が詰め込まれた歌を届け続けるコザックさん。
「歌詞が多すぎて、スタパンのTSURUさんみたいに暴れられなかった笑」とMCでこぼしていましたが、そのステージングから溢れる気合いと魂は、その眼からだけでも十分に伝わってきました…!
「「卒業」とか聞きにきたんでしょう!?
さよならー!さよならー!って、やらせるかー!」
と今日は代表曲の一つである「卒業」はやらない様子で、残念そうなリアクションも聞こえてくる中で、
「お詫びと言ってはなんですが…」からの、「線香花火」に、耐えきれなくなったお客さんによるモッシュの嵐…!
私も、うおうおうおーと巻き込まれます!
この季節にぴったりとも言い難く、儚いなんて言葉も似合わない、バチバチに光り続けるライブハウスに胸が高鳴りました…!
(でもさすがにちょっと怖かったので私はするすると後方へ…)
「これでいいのだ」では、ベースの桑原さんのマイクの位置を何度も色んな角度に向けることでコーラスを妨害して楽しむコザックさんと、それに笑いながら対応する桑原さんという、微笑ましい光景も見られたライブもあっという間に終わりの時。
「もうバンド初めて26年目ですわ!
またどこかで見かけたら、応援してください。
だからそれまで言えることはただ一つ。」
ライブハウスの隅々まで熱い視線を送りながら、コザックさんが何度も唱えた、
「死ぬまで生きてやろうじゃないか!!」
終わる頃にはすっかり汗だく。
最後まで人間くさくてたまらないパンク&フォークの世界、やり切りました…!
④(15:30〜)climbgrow
サーキットイベントなのに全然動いてないな自分…とうっすら思いながらも、HOLIDAY新宿3発目。
この日はこの時間だけ空いていて、何を見ようかなと少しずつサブスクで聞いていた時に、どう考えても私が好きそうなバンドがいました。
リハから聞こえる爆音としゃがれ声、ぶっきらぼうだけど、どこか愛に溢れるような立ち振る舞い。
そしてスタートと同時に爆音一発!
「9月16日!!!
トーキョーコーリング!!!
遊ぼうかあああ!!!!」
頭を振り乱しながら、そのブルージーなしゃがれ声で文字通り叫び狂う杉野さんと、終始冷静なのにテクニカルでざらついたギタープレイに徹する近藤さんとのギャップ足るや…!
建物の地下二階にあるこの真っ暗なライブハウスで、まるで地下室をのたうちまわりながら暴れ出したくて仕方ない感情だけが音に乗って襲いかかってきます…!
ああ…これは好きですね…。
予習らしい予習はほとんどしていなかったため曲はほとんど分からなかったものの、ライブハウスで闘い続けてロックンロールを突き詰め続けてきたバンドにしか出せない音であることは一「聴」瞭然…!!
かろうじて曲名のコールが聞き取れた「LILY」は、イントロから一発で大好きになりました。
「しょうもないバンドも多い東京で、俺たちが1番かっこいいバンドです!」
「何かを始めるのに、年齢や立場は関係ないと思うな!俺は…!」
いつだって、ロックンロールに心が動いた、その時が始まりだと力強く宣誓するような「極彩色の夜へ」に、たくさんの熱い拳が上げられていました。
最後までギラついた汗をほとばしらせながら、曲を連打し終えると何も言わずに、凄絶なロックンロールの余韻だけを残して潔く退場。
これがライブハウスで、ロックンロールで生きるバンドの姿か…!!
新たな出会いに感謝しながらHOLIDAY新宿を後にしました。
〜余談〜
(アニメの次回予告風のナレーションで、リズミカルに脳内再生しながらお読みください。)
climbgrowを終え、すっかり夕暮れの新宿!
この日の会場は歌舞伎町!
なんだか怖そうな人もウロウロ増えてきた!
Zepp Shinjukuへ向かう私の足取りはどんどん早くなる!
これはライブによる興奮か…?
それとも急に怖い人に声をかけられるかもしれないという未知の恐怖からの逃亡か…?
次回!シリアスファイター!
「もう決めた!
バクシン終わるまでZepp Shinjukuに籠城!」
絶対読んでね!
⑤(17:00〜)THE BAWDIES
…さてZepp Shinjukuに戻ると、リハから絶好調すぎるROYさんの声が響き渡っています。
それを聞いたドラムのMARCYさんは真っ先に、「(モニターの)ボーカルの音量下げてください。」と冷静な物言い笑。
フロアからは不思議と笑いが漏れます笑
「(音量)下げたら意味ないの!」と、ROYさんはなぜかおねえ口調でおどけていますが、その後JIMさんからも同様のリクエストが入るなど、早くも絶好調のお祭りロックンロール集団、THE BAWDIES。
本編が始まると登場から、その目が覚めるようなシャウトを一発!
「そろそろお腹が空いてきたでしょう?
召し上がれ!」
いきなりの「HOT DOG」で、JIMさんもTAXMANさんも、ROYさんの勢いに負けじと、前にガンガン出てギターを弾き倒します!
そのまま続く「YOU GOTTA DANCE」の強烈なカッティングとヘヴィなグルーヴの破壊力は、間違いなくライブで叩き上げられたものに他なりません。
もう踊る足が、止まらない止められない!
「今日、MARCYが裏で円陣を組む時、いつもは「頑張っていこう!」って感じなのに、「何があっても楽しんでこう!」だった!
何もないよ!
ただライブしにきただけなんだから!
何があっても全部ぶっ飛ばしていきましょう!」
ホントに何かあったのかと少し心配にもなりましたが、その声と豪快な演奏を聞けば、迷いも不安も吹っ飛んでいくようです!
「ルーツミュージックを伝えるのも我々の使命」と、「WHY WHEN THE LOVE IS GONE」のカバーをじっくりと聞かせてくれるなど、イベントの舞台でも自分たちの基となっている音楽への愛をしっかり伝えてくれるのも素敵なところ。
(リンクが原曲(のはず)です。間違ってたらすいません…。)
曲終わりにふと静まり返る会場に、JIMさんの高速ギターカッティングから、「STAND!」でのパワフルかつ俊敏なセッション、何度も溢れ出すROYさんの咆哮は、思わず呆気に取られるほど見惚れてしまうものでした…!
「もうお気づきかと思いますが、僕らの曲、1番はスルーでもいいです。
2番から入れます!!」
ライブの進行とともに、今日初めてBAWDIESのライブに触れる人も、そのリズムとグルーヴにどんどん巻き込んでいきます。
特にお客さんが飛び跳ねて踊る勢いは、終盤になるに連れどんどんと増す一方。
「関係ない話していい?」とJIMさん。
なんと、あまりの熱気にパンツが破れてしまっています笑
ついでと言ってはなんだけど、とROYさんも、
「この間銭湯に行ったら脱いだ服を置いたカゴに、知らないお爺のパンツが重なってた笑」
と、本当にライブと関係ない話笑
「後半戦乗り遅れないで!
乗り遅れると…。」
演奏もMCも圧巻のロックンロールとエンタメに昇華しながら、最後のロングトーンはその長い長い長い長い伸ばし…に大歓声!!!
本当に長かった……………!
最後は「JUST BE COOL」で特大の打上花火という名の大ジャンプを会場全体で決めてフィニッシュ!
TAXMANさんの先導による「ワッショイ」を会場全体で決めて、最後は「普通の男の子に戻ります!」と言って泣きそうな顔でマイクを置いてROYさんが退場する笑まで、極上のエンタメロックショーでした…!
⑥(18:30〜)打首獄門同好会
「普段あまりやらない曲を…」と言ってリハからヘヴィな「TAVEMONO NO URAMI」を聞かせてくれただけでも十分に嬉しかったのですが、その後リハ終わりに「お土産があります!」と、お客さんに配られ始めるお菓子。
「リハでお菓子を配り始める。」なんて、字面だけ見たら意味不明ですが、このバンドの場合はそれが感激になってしまうからおかしな話なのです。
もちろん一曲目はコロナ禍以降、ライブで聞くのは初めてだった「デリシャスティック」!
無数の味を持つうまい棒が元気いっぱい振り下ろされる光景は、とても美味しそう!お腹空いた!
…じゃなくて、とても平和でカラフルなライブハウスの景色です…!
その後、大澤会長の先導で左右に分かれる会場のお客さん。
きのこ軍とたけのこ軍(私はたけのこ軍側にいました)に分かれ、大サビで一斉にウォールオブデスを解禁する「きのこたけのこ戦争」の光景は圧巻…!
(ウォールオブデスはちょっと怖いので、私は両手で三角を作って頭上にたけのこポーズを掲げる形で加勢!楽しかった!)
日々の中でも楽しく聞ける生活密着型のバンドであると同時に、あらゆる制限から解放されたライブハウスではとことん曲に共感して身体と心を解放することもできるラウドロックバンドであることも、この日改めて思い出すことができました…!
散々動いて遊んできた今日の太ももを「筋肉マイフレンド」のスクワットタイムでさらにイジメぬいた後、今日の暑さどころか、この夏全ての暑さが走馬灯のように蘇った「なつのうた」。
暑かったけど、楽しいことも沢山あった夏。
また来年もこんな夏が来ますように…と願いを込めながら聞き入ります。
「この後、ジャンプ力が凄い人が出てきますが、ジャンプ力と言えば…」
と、このあと出てくるバクシンのあゆみさんを意識せざるを得なくなったMCから「カンガルーはどこに行ったのか」へ。
この日は冒頭から映像(パワポ)の切り替えの調子が良くなさそうで、風乃海さんが何度も苦戦する様子が見られましたが、この曲の冒頭、笑顔で風乃海さんの方へ駆け寄り、背中合わせにベースを弾くjunkoさんは本当に楽しそうで、そんなことは全く気にならなくなります…!
この日はイベントの初日に当たりますが、大澤会長が会場にアンケートを取ると、何と3日間参加する強者もいる様子…!
「そんなイベントも「祝日」あっての3日間ですからね…。」
とくればもちろん「はたらきたくない」で、いつもなら見た目は可愛らしい(けど内容は可愛くない)映像の方をよく見てしまう私ですが、ふとドラムのあす香さんを見ると、とてつもない集中力と真剣な表情で、決めポイントが多いこの曲の力強い演奏と歌唱に徹しています…!
当たり前と言えば当たり前ですが、どんなに楽しげに見えても、根っこにあるのは音楽を届けようとする真面目な姿勢。
ストイックな面も含め、改めてかっこいいロックバンドとしての魅力を再認識しました…!
この曲からの「地味な生活」は、日々の労働や辛い日々に「お疲れ!」と優しく肩を叩かれているようで、感極まってしまいました。
たとえ働きたくなくても、働き続けた先にあったこのライブハウスの光景はたまらなく愛おしいものです!
最後は豪快にマグロが飛び交い、お米の大豊作を祝って終了。
私にとっての、ロックバンド大収穫祭もいよいよ終盤です。
⑦(20:00〜)バックドロップシンデレラ
「リハとか関係なく楽しんでいこうぜ!」
ボーカルのあゆみさんは、「うるわしのお嬢さん」のラテンのリズムに乗って、早くも客席に飛び込んで歌いまくっています。
そこそこフロアの後ろまで行きましたがまだ足りなかったようで、
「スタッフさんが(マイクの)ケーブル延長してくれるって笑」とはにかみながら語り、客席から歓声が上がります…!
「今日は俺も1日色々見てきたけど、若いバンドは歌から入る曲が多いな!
俺らもサビで歌い上げる曲を。」
自身もライブハウス、池袋Admの店長であり、この日は一つのステージでブッキングを丸々担当するなど、大活躍すぎたギターのペリーさんのイベント総括と学び(?)から、「アメリカでウンザウンザを踊る」で、早くも起こる大合唱…!
そして抑えきれずに再び飛んでいくあゆみさん!
(バクシンのみ撮影及びSNSでの拡散OKとのことでしたのでその時の写真を少しだけ↓)
ここまで、まだリハーサル。
ほぼ満杯のZepp Shinjukuでウンザウンザする瞬間はすごそこまできていました…というか既にしていました!!
満を持して本番。
大きく手を広げて優雅に登場するキャナコさん、力強く胸を叩いてアピールする一徳さん、両手をひらひらと光線のように向ける謎の動きを見せるペリーさん笑、そしてあゆみさんの4人が揃うと、早速「HATEです」で悪魔みたいな真っ黒なサンバのリズムに、待ちきれないお客さんは大沸騰…!
散々好きで聞いてきたバクシンも、今日が私にとってライブ初体験。
本能レベルで身体が動いてしまう感覚だけでいえば、この日最初に見た夜ダンに通じるものがありますが、ラテンやアイリッシュ、サンバなど世界中の音楽要素を取り入れたラウドロックやパンクが主体にあるバクシンの音楽は、内側の沸々とした想いが暴れ出しそうになる気持ちを、瞬間沸騰させるような瞬発力と泥臭さに満ち満ちています…!
そんな私も次の「バズらせない天才」が始まる頃には心が大沸騰…!
普段閉じている蓋はスペースシャトルの勢いでどこかに飛んでいき、もう在処を見失っていました…!
自分たちが信じて貫いてきたロックで、今これだけの人が踊り、ダイブし、声を上げて、私も言葉にならない叫びを上げているこの光景が、世間で言う「バズり」とズレているとしても、そんなことは全くお構いなしにたくさんの熱が充満するこのライブハウスは、最高にかけがえのないもので埋め尽くされていました…!
そのまま「フェス出して」の終盤、ペリーさんはこのイベント、このライブにかける自らの想いをぶち撒けます。
「自分の全勢力を投下して挑んだイベント。
結果的に今日は!
土曜日なのに!
池袋Admの収益は0だ!
物理的に営業できなくなった!
俺は、打首の方がトリがいいと50回くらい発言したが聞き入れてもらえなかった。
でも、今日外を歩いてたら、俺らのTシャツ来た人…心なしか多くなかったか!?
これは…俺たちでもトリいけるんじゃないかと思ったぞ…!
お前ら声出せるかあああ!?
ここでは!踊らないやつより!踊るやつが偉いんだああ!」
全てこのタイミングの発言だったかどうかは記憶が曖昧で自信がありませんが、半ばヤケクソ感も感じられる中、そんなことを言われて、これだけの強度を誇るロックミュージックを奏でられたら、そりゃ踊りますよ!!
ウンザウンザしますよ!
もう抑えきれなくなったお客さんはそのまま「国家の不正を暴きたい」の冒頭から、見事なウォールオブデスと完璧な大合唱で応えると、ペリーさんも心底楽しそう…!
こういう光景は自分が当事者だと相変わらずちょっと怖い部分もありますが、バンドの鳴らす音楽に対して、こういう楽しみ方でも愛や感情を表に出せるライブハウスが、こうして目に見える形でハッキリと戻ってきたと思うと感慨深すぎます。
ゆえに、「2020年はロックを聴かない」→
「遊びにいきたい」というコロナ禍からの復活を表すような流れで演奏される2曲は、上手くいかないことだらけだったコロナ禍のバンドの気持ちを、激しくもハッキリと昇華してくれるような響きを伴っていたように感じました。
ついついシリアスなトーンで感想を書いてしまうほどには、心を揺さぶられる瞬間が多いライブでしたが、そんな中でもリハーサルよりも客席後方遥か遠くまで飛んでいくあゆみさんが、ステージに戻ってきた時ふと冷静に、
「あの…曲が終わるタイミングだと思って、急いでステージに押し返さなくてもいいから…。ゆっくりやって笑」
話す少し笑ってしまうと同時に、確かに前方のお客さんの見事な連携プレーで、グングンと前へ前へあゆみさんが送られる様は、お客さんと演者の即興のチームワークが発揮される圧巻の光景でした笑
ペリーさん
「こいつが勝手に飛んでるだけですからね!」
あゆみさん
「そうですね…。
でもおかげでステージ上で、4人で曲を終えることができています!ありがとう!!」
バンドだけでなく、お客さんもあってこそ、ライブが成立していることを証明する瞬間の一つ。
「今日色んなバンドを見て、エネルギーを受け取った君たちの顔はキラキラしてる!
そのエネルギーをまた俺らに渡して、そしてまた俺らからも受け取ってほしい!」
そんな趣旨のあゆみさんのMCから、頭上のミラーボールも照らし出す中での「月あかりウンザウンザを踊る」。
これからもこんなライブハウスでのエネルギーのやり取りが続いていく気がしてたまらない、キラキラ光る汗まみれの光景が広がっていました。
ここまでくればラストはもちろん、「さらば青春のパンク」…!
歌いたければ歌えばいい、ただじっと聞いて心だけ踊らせてもいい、モッシュしたければモッシュすればいいし、どうしても抑えきれなくなったらダイブしてしまっても支えて受け止めてくれる誰かがいる。
それ以外にも、今日これまでみてきたたくさんのサークルやウォールオブデスまで走馬灯のように蘇る時間。
ライブハウスで知ってる楽しみ方を当たり前のように何もかも取り戻した光景に、突然涙が止まらなくなってしまいました。
ずっとライブハウスで闘い続けてきバンドが、コロナ禍の3年を経てもなお燃やし続けていた熱を持って、このイベントにライブハウスの全てを取り戻してくれたような、これ以上ないZepp Shinjukuの大トリでした。
「俺らも21時から見たいバンドあるから、さっさと終わらせます。」と言って、超高速でアンコールの「一週間」を終えて帰る頃には、ライブハウスで見るライブの熱は、有り余るほどに燃え盛っていました。
グズグズしてる場合じゃない!
私自身の大トリとして見たいと決めていたバンドを見届けるべく、迷惑にならない程度に早足で最後の会場、来年に閉館してしまう新宿BLAZEへ向かいました。
⑧(21:00〜)四星球
着いて早々、このステージを1日プロデュースしていた三浦ジュンさんのリクエストにより、銀杏BOYZの「BABY BABY」をやってみるべく、シンガーの康雄さんは、お客さんのスマホを借りて、歌詞を見ながら歌にチャレンジし、最後にはLINEを読み上げようとしたりしておどけています笑
リハで思いの外時間を取ってしまい、一旦履けずにその場で服を脱いでいつものハッピ姿に着替え笑、「床のツルツルが気になるな…」と言ってその場にうずくまって動かなくなった康雄さんは、まさかの「UMA WITH A MISSON」の盛大な前フリで、元気いっぱいのお客さんからのコールにより、康雄さん(お馬さん)は一発で立ち上がることに成功!
歓喜の拍手と笑いに包まれた状態で、そのままイベント共通の出囃子SEとともにライブが始まるという、文字だけ見ると何を見にきているのか分からなくなって既に面白すぎる四星球が、私のTOKYO CALLINGを締めくくります!笑笑笑
そのまま、パンクロックのビートに乗ってタイトルフレーズをサビで繰り返す「言うてますけども」に突入しますが…、
ライブではサビで、「かっこいい!かっこいい!」とレスポンスすることを知らないお客さんが多いと見た康雄さんは、訝しげな表情で曲を中断し、
「えっ…このコール知らんやろ?
知ってる人どんくらいおる?
(客席後方から「知ってるー!」の声)
知ってるのにそんな後ろにおるん!?
四星球待機せずに、バックドロップシンデレラ見てからでも間に合うと思ってきたやろ!?」
と、愛がありすぎるお客さんいじりで会場を再び笑いの渦に(すいません私もでーす、と思いながら私も笑ってしまいました…)。
反省の意も込めて、そのまま再開された曲では、更に真心込めて「かっこいい!」と叫ばせていただきました…!
そのまま今度は「馬コア」をやるとのことなので、前方のお客さんは康雄さんの先導であちこちにサークルモッシュの態勢を整わせ、行くぞおおお!と曲を始める………とか?
言うてますけども!言うてますけども!…とまさかの1曲目のサビが再開され、あちこちにサークルを作ったお客さんは戸惑いながらもサークルを解散させ、「かっこいい!」コールを再開します笑
その様子を眺めながら歌う康雄さんはご満悦笑
全く油断ならず面白すぎます笑笑
その後、無事「馬コア」は演奏され、とても平和なサークルモッシュが終わったところで康雄さんが客席に前のめりになり、まさやんさんのギターととも「クラーク博士と僕」を歌い始めると大歓声に包まれます…!
待っていたとばかりにダイブしようと前のめりなお客さんも現れ、早くもこのライブのピークが訪れる………とか?
言うてますけども!言うてますけども!…と悪夢再び!笑
ダイブをしようと構えていたお客さんはそのまま困惑しながら「かっこいい!」コールに興じます!笑
その様子が康雄さんのツボに入ったため、そのお客さんと、そのお客さんをリフトしようとしていたお客さん数名をステージに上げ、
「もう一回その様子再現して!!
もう「言うてますけども」って1番気合い入れて、前のめりになってたやん!笑
あの顔もう一回見せて!!」
と、ステージ上でまさかの同じくだりをもう一度始め、いつまでも終わらない「言うてますけども」笑
最後にはリフトしていた側のお客さんいじり(「うちのバンドの客、個性強すぎやろ!笑」)までしっかり終えたところで気を取り直して!
「タイアップでもない!
シングルでもない!
TikTokでバズったわけでもない!
ライブハウスでやり続けてきただけのこの曲のサビを今、みんなで歌ってくれた。
これはライブハウスやライブバンドにとって、希望やと思うんですよ!!!
僕らがやりたいのは、最高のエンタメです…!」
突然そんなに真面目なことを言い出して「クラーク博士と僕」を熱唱するものですから、目頭が熱くならざるを得ません。
今しか確かなものがない人生で、こうして笑える時間、ロックに熱狂できる時間はかけがえのないもので、それを大切にし続けた先に今日みたいな日があるのなら、それはライブハウスやバンドにとっての、本当の希望だと思いました。
その後、康雄さんはそそくさと袖に履け、メンバー3人で今日のイベントの感想を話していると、胸元に大きな星を輝かせ、頭にちょんまげを携えたちょんまげマン(康雄さん)が登場笑
「僕は…(このイベントの出演バンドを)全部見た!全部良かった!!」
と、時空を超越したちょんまげマンさんが、太くて色気のある美声を聞かせると、そのまま「ちょんまげマンのテーマ」へ笑
会場一体のちょんまげポーズもしっかり決めた後、素早くステージを去り、サッと再登場した康雄さんは、「ちょんまげマンありがとー!」と客席後方に向かって大きく手を振っています笑
そのまま今度はLOVE MUSIC(冒頭で触れた三浦ジュンさんがプロデューサーを務めていたフジテレビの音楽番組)でやった曲ということで、「君はオバさんにならない」を、愛情たっぷりの歌唱と演奏で届けます。
「(イベントが3日間ある中で)新宿を選んだのは、かっこつけとかじゃなくて、家出少女とか、ホストに泣かされてる子に、この楽しいライブの音や笑い声が届いて欲しいと思ったからです…!」
綺麗事にも聞こえるかもしれませんが、笑いも音楽も全身全霊で届け続けるここまでのステージに込められた想いは、真面目にしっかりと届いています。
「クラーク博士と僕」で尺を取りすぎたのか、予定していた曲ができなくなりかけているらしいこのライブ笑
「アンコールの時間を潰してやっていいですか?」という康雄さんからの提案に、スタッフからOKが出ると再び会場が沸きます…!
終盤は感謝と願いを方々に込めるように、歌とロックンロールを届け続けていました。
お祭りの盆踊りのような愉快なビートに乗って、来年閉館してしまうこの新宿BLAZEに何度も「ありがとう!」と言い続けながら歌われた「ライブハウス音頭」。
「今日出たバンド、全員辞めないように!!」
ロックバンドへの想いを込めた康雄さんの叫びから、「HEY!HEY!HEY!に出たかった」。
ライブハウスも、ロックバンドも、音楽番組も、いつか「終わり」は必ず来るけれど、それでも大好きでかけがえのないものだから、できる限り続いてほしいと願い続けて、行動し続けることの尊さを、たくさんの笑いと音楽に変えて4人が教えてくれました。
最後は三浦ジュンさんをステージに上げ、袖でライブを見ていた今日の出演バンドのメンバーを交えて胴上げ5回でフィニッシュ!
ライブハウス、バンド、イベント、人への感謝とリスペクトをたくさんの音と笑顔で伝える、これ以上ない締めになりました…!
今回は以上です。
6年ぶりのコーリングは、バンドはもちろんお客さんも含め、ライブハウスが生きがいになっている人をたくさん見て、そんな人の気持ちにたくさん触れることができたイベントでした。
ホールやアリーナ、スタジアム、ドーム、野外フェスetc...、ライブの環境だけでもたくさんの選択肢があって、それぞれに良さがありますが、圧倒的に人の体温(物理的な意味でも、精神的な意味でも)が伝わるライブハウスで見るライブ…やっぱり大好きだと心から思います。
参加された全ての方、本当にお疲れ様でした!
そしてこの長い長い感想文、一部だけでも読んでくださったそこのあなた、本当にありがとうございました。
最後までびっちり読んでくださった方…本当ですか!?
あなたは優しすぎます!
お願いなので好きな音楽とともにできる限り幸せな瞬間を一瞬でも多く感じられるような人生を送ってください!勝手にお祈りしてます!
本当にありがとうございました!
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