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#68 キャリアコンサルタント活躍の場(その6)

1.国家資格キャリアコンサルタント登録者数64,113人(2022年10月末):2022年は増加基調回復

1-1.2021年度-2022年度の動き

 2022年10月末現在の国家資格キャリアコンサルタント登録者数が、64,113人(前月比+61人)と発表されました。「キャリアコンサルタント活躍の場」というタイトルで、2021年9月から、定期的(ほぼ3か月おき)に、連載物として投稿していますが、今回は”その6”になります。
 キャリアコンサルタントが社会インフラとなるためにも、「登録者数」は重要なメルクマールと考えています。

 国家資格化以降の登録者数の推移を見ると、それまで、毎年8-9千人の増加を続けていた所、2021年度は、+1005人の微増に留まりました。2016年3月までの民間資格取得者(=2016年4月以降に国家資格に切替)の相当数(7-8千人)が、5年期限の資格更新をしなかったためと思われます。

 2022年度(4月ー10月)は、+3,551人の増加になっています。2017年の新規資格取得者の、5年の期限到来での未更新はあるものの、一応、年度ベースでは、増加基調を回復したと思われます。

国家資格キャリアコンサルタント登録者数推移(キャリアコンサルタント登録センター発表)

1-2.2025年3末の目標(10万人)には大幅未達

厚労省が掲げた目標「2025年3末にキャリアコンサルタント10万人達成」は、そもそも2014年の計画策定時に、前提としての認識の誤りが幾つかありました。
①2013年時点(民間資格時)の人数(45,000人)を過大に見積もっていた
②国家資格スタート時の人数を約60,000人と見積もっていた
(実際は25,000人程度で、スタート時点で35,000人過大見積もり)
③資格を更新しない可能性を過少に見積もっていた(実際は未更新が多発)

一定数の資格未更新は継続して発生して減少要因となることが見込まれる為、2025年3末(目標10万人)の着地は、8万人前後になるのではないかと予想しています。

キャリア・コンサルタント養成計画について(2014年厚労省公表資料)を基に筆者作成

2.キャリアコンサルタント活躍の場

2-1中小企業のニーズ

このタイトルで、昨年の9月から6連載で書いてきましたが、キャリアコンサルタントの5年期限の資格更新をしない人が相当数いるのも、活躍の場が少ないという現状が背景にあります。
#57 キャリアコンサルタント活躍の場(その5):2022/7/30
#48 キャリアコンサルタント活躍の場(その4):2022/5/24
#43 キャリアコンサルタント活躍の場(その3):2022/4/8
#24 キャリアコンサルタント活躍の場(その2):2021/11/16
#15 キャリアコンサルタント活躍の場   (その1):2021/ 9/13

2022年は、「人的資本経営元年」とも言われ、大きな方向性として「人事戦略と経営戦略の『連動』」が示されています。キャリアコンサルタントの重要性が説かれるものの、なかなか機会がない、というキャリアコンサルタントの声も聞こえてきますが、人的資本の情報開示の要請が進む中、大企業だけでなく、一部ではありますが、中小企業にも少し動きが出て来たのを感じます。

中小企業には、十分な人事スタッフいない中で、外部のキャリアコンサルタントに依頼したいという所があります。潜在的なニーズは相応にあると思います。採用戦略を進める上でも、人材育成に熱心な会社として他社と差別化を図りたいというニーズです。

私自身は、現在フリーのキャリアコンサルタントとして活動していますが、
出来るだけ、企業様には一連のプロセスの中で、一定期間、キャリアコンサルタントとして関われるよう、提案しています。
ミドル・シニア向けセミナーとセミナー後のフォローアップ・個別面談(キャリアコンサルティング)を組み合わせたパッケージがメインです。

キャリア形成サポートセンターがようやく落ち着いてきたようです。
HPで、ジョブカード普及サポーター企業を検索して、面白そうな会社にアプローチしてみるのも、一法かと思います。(サポーター企業のホームページのURLが掲載されています)
 人的資本経営元年の今年も残りわずかとなりましたが、小さな動きながら、少しずつ活動の場を増やして行きたいと思います。


 



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