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「喰う」【ご報告】二〇〇〇字(本文)

 食欲旺盛。とにかく美味しく食べられる。「生きることは喰うことなり」を実感している。

 その効果が血液検査の数値に現れ、急激に改善しているようだ(おまけ2で公開)。入院したまま、あの「病院食」が続いていたらどうだったろうか。やはり、「喰う」ことである。

 長年の大酒が祟って肝臓・膵臓からいったんは離縁されてしまったかに思えた今回の1か月の入院だったが、心を入れ替えるなら、と、復縁となり退院とあいなった。しかし、その条件は手厳しい。その1! 「酒との関係は金輪際、絶て(いや、「暫くは」だったかな💦)」。その2! 「脂質は1日35g以内に制限しなさい」と、きたもんだ。酒は、ま、これは至極当然、仕方ない…。昨今、ノンアルコール何某なる重宝な品もあるし不満足ながらも受け入れられないことはない。しかし脂質制限については、これまで外食や出来合いの惣菜に頼っていた食生活スタイルからすれば、かなりの変革が必要となる。外食は、蕎麦・うどんなどクリアするのは一部しかない。大好物の焼肉なんかはもってのほか。バターをたっぷり使ったケーキなんぞも決死の覚悟で口に入れなければならないのである。和食の多くはセーフではあるが、鰻や鯖、鮪トロなど脂質を多く含むものがあるので、やはり限られる。馴染みの店であっても、「ワタクシ専用に低脂質の料理を作ってね」とは言えない。
 「じゃ、どうする?」
 自分で作るしかない、ということになるわけである。一時期、ある女性の賄い付きの生活を経験したことがないわけではないが、人生のほとんどが、自炊生活。できないわけではない。
 20代のころ、外食チェーンに関わっていたこともあり、厨房に立ち包丁を持つことには抵抗感はない。と言っても、ちょっと板さんのマネごとをした程度であるが…。
 三十路から17年勤めた会社では、昼食用と夜食用のふたつの弁当を持ち込んだことがある。と言っても、休日にまとめて買い込んだ惣菜を、3,4日タッパに同じように詰めて持っていくという不衛生極まりないことをやっていただけであったが…。
 47歳で独立したあとからは、接待、セッタイの毎日で小料理屋がワタクシ専用食堂と化していた。よって、自炊は休日の日に限られ、酒のアテに刺し身を買ってくるか調理したとしても肉を焼く程度。料理と言える代物ではなかった。
 ただ、この時代からはオフイスを住まいとしており、キッチンが充実している。なので、調理の真似事ぐらいはやったことはある。
 接待とは関係なく友人としてお付き合いできる仕事関係の方や外部スタッフをオフイスのマンションに招き、パーティなることをたびたび催していた。そんなときは、開催のたびに1週前から予行練習を繰り返すことになる。その中で牛タンスープだけは大好評であった(ただ、そのためだけに圧力鍋を買い込み、時間と手間と、コストをかけたおかげだが…)。またあるときは、おでんパーティを企画し、やはり2,3日前から試行錯誤していたのだが、具材を丸ごと鍋に入れたためか、おでんではなくポトフではないかという論争にまで発展してしまったこともあった…。
 かように、自炊してきたと言っても調理とは無縁。出来合い品を皿に盛っただけ。脂質が制限されれば、その惣菜コーナーの品は、ほぼ使えない。素材から調理する本格的な料理は、初めてと言ってもいい。しかも、栄養成分を意識したメニューを考えなければならない。ウエブのレシピを検索し、研究・実験を重ねながら、鋭意努力を重ねているのである。
 その成果か、美味しく食べられている。ただ単に禁酒のおかげなのか、はたまた、ワタクシの技術が、少しは上達したせいなのか、治療効果が出てきて内臓の働きが改善されたおかげなのか、そしてその健康の大切さを感じながら、食べることの歓びを噛みしめながらゆっくりと食事できているせいなのか、とにかく美味しい。「喰う」ことにここまで真正面に向き合って意識したことはなかった。大袈裟であるが、美味しく「喰う」ことができていること自体が生きているってことなんじゃないかと、思えるのである。
 ところがそれだけ時間を使っている。食事にかかる時間が、これまで1日の合計でも1時間程度だったのが、その何倍にもなる。調理で1時間。(食事できる歓びを噛みしめながらゆっくり噛んでいるので)食事で1時間。ほかにも仕込みにかかる時間がある。ということは、1日6時間以上もかかる。主婦(夫)の方は、それが毎日である。家事や料理で目いっぱい。仕事していれば一日30時間あっても足りないだろう。その当事者になって、頭がさがる思いである。
 なので、今後はここまで学んだことと合わせてノンオイルや低脂質製品などを賢く使いながら時短を図り、せっかくいただいた「余生」を充実したものにしていきたいと考えているところである。

(ふろく1)


基本的な食材としているのは、低脂質かつ高タンパク質の「鶏ムネ肉」と「カレイ」「タラ」などの白身魚の焼き物・煮物。加えて、鮪赤身や白身魚の刺身、そしてイカ、タコ。特にイカは優等生である。

基本メニュー(低脂質 高タンパク質)
「タラの焼きもの」は、焼きが苦手なのでスーパーから調達しているが、「カレイの煮つけ」は、短時間でできるので調理している。

カレイの煮つけ(100g推定脂質:3.0g) 「タラの焼きもの」(100g推定脂質:0.2g)


鶏ムネ肉ハム(100g推定脂質:5.5g)
「鶏ムネ肉」は、これまでは敬遠していた。しかし、調理法によってはジューシーに仕上げることができることを知り好物になっている。

定番「鶏ムネ肉ハム」(レシピ)
1)フォークで穴をあける
2)ジプロックに入れ、砂糖(大さじ1)をかけ、しっかりもむ。
※私は蜂蜜を使う(量はテキトー💦)
3)塩(小さじ1.5)と水をかける。軽くもむ。
4)空気を抜いて冷蔵庫に
※3時間でもOKらしいが、ワタクシは「ひと晩」寝かしている。これがポイント
5)大きめの鍋でお湯を沸かす
6)ジプロックの水分を捨てる
7)空気をしっかり抜いて沸騰した鍋に入れる
8)4時間、湯煎(3時間でも良いが、4時間がベスト。私感)
9)ジプロックから肉を皿に取り出し、ラップをかけて冷蔵庫へ

その他のレトルト食品(ノンオイル製品)
いま探しているのが(時短のため)レトルト食品。スーパーでも売っているカレーやホワイトシチューの中に、低脂質のものがある(これまで備蓄していた製品は脂質が高く捨てざるを得なかったので、これらの製品は助かる)。

「咖喱屋カレー(大辛)」(脂質:6g) 「1/2日分の野菜 かぼちゃと根菜のカレー(中辛)」(脂質:4.5g) 「北海道シチュー「クリーム」脂質:5.7g」

他に、<SONOKO>という会社が販売しているダイエット食があるが、現在、研究中。この会社は、『やせたい人は食べなさい』という著作で知られテレビにも出演していた料理研究家・鈴木その子(故人)が始めたようである。
<摂食障害を原因とした長男の死をきっかけとして、レストランで食事を提供しつつ食事法をアドバイスし、自宅でも食を楽しめるようにと物販を始めることで、摂食障害者をはじめとして食に悩む人を救ってきました>『過食・拒食からの脱出』から
まだ、研究中であるので、今回は写真での紹介だけにしておきます。

<SONOKO>ノンオイル・ビーフシチュー
牛肉の脂肪をとってあるのでパサパサ感は否めないが、食べられる。
<SONOKO>ノンオイル・餃子
お酢と胡椒で食べてみました。十分に食べられます。(推定脂質:5g)

うな丼の「特並」!

鰻パックのうな丼(推定脂質:7g)
先日、友人Hさんから鰻蒲焼パックをいただいた。脂質は1匹20gを超えるので3日に分けて。行きつけの鰻屋でもわがままを言うわけにはいかない。パックだからできた、久しぶりの鰻である。

(ふろく2)


今週の月曜日に定期診察があり、(15日の)血液検査の結果が急激に改善されていると主治医に言われました。この疾患関連以外の数値は、ほとんどが改善されているようです。あとは、IgG4の数値。やはり、「喰う」効用が出ているようです。
そこで質問をしてみました。「酒は、いつごろから呑めるようになるでしょうか?」
お答えは、
「1年後でしょう」…💦

入院前(12月26日)
(3月15日)

【次回(3月27日)予告】
こんな「昭和な自民政治」が続いていいのか!
(筆が腐ってしまったのじゃないかと思えるほどに)久しぶりに書きます。^^


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