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温もり【エッセイ】六〇〇字

 早大のオープンカレッジ「エッセイ教室」。先週土曜日から秋講座が、スタート。これから10週間、8課題。七転八倒、七難八苦の日々が続く。第1回目のお題は、「温もり」であった。

               ※
 某大学病院のドックの看護師面談のとき。
 「採り直しますか~」と、看護師は、検便袋も見ずにモニターに向かったまま、言い放った。量が足りなかったかもしれないと、確認しただけなのに・・・。
 「え! いま出ませんよぉ」と、答えた。
が、彼女は、提出した「気になる事」の項目を入力し続ける。60歳から毎年利用し、11回目。こんな扱いを受けるのは初めてだ。ここは、元総理も利用する。彼にも同じ対応をするのだろうか、と思いつつも、検査が始まった(このワタクシなので当然、後で意見書を出すことにしたのだが)。
 基本的な検査が済み、注腸検査に。同じカメラの検査でも、胃は、鎮静剤の効果で、知らない間に始まり、終るので、全く苦痛じゃない。しかし、腸は、量が多いと腸を傷つけそうになっても痛みを訴えないので、抑えるらしい。だから、強い痛みを感じることもある。技量次第と思うのだが、今回の医師は、前回痛かった時の担当と、同じ人物だった。
 ちょっと、不安。やはり、痛い。S字結腸の曲がり角の壁に当たり、痛い。脂汗が出る。すると、別の看護師の女性が、背中に掌をあてた。不思議なもので、和らぐのだ。これは、「タッチング」という、看護師の基本的技術らしい。掌の温もりによって「オキシトシン」という物質が分泌され、緩和するらしい。
 何度か経験しているが、「検便女」の件があっただけに、彼女がマリア様に見えてきた。

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