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装幀【エッセイ】六〇〇字

早稲田EC「エッセイ教室」秋期講座、三回目(全八課題)のお題は、「装幀」。
師匠は、「装幀」(「装丁」や「装釘」ではなく)の漢字にこだわっていましたが、広辞苑には、こうある。<装(よそお)い訂(さだ)める「装訂」が正しい用字>と。💦
難しいお題。今回もかなり悩みましたが、本のカバーということから、このようになりました。
              ※
 一九四七年五月三日。『戦前の日本』という本に、新しくデザインされたカバーが、掛けられた。戦争できない国にして、米国に歯向かえなくするのが、裏の意図だったのだが…。
 戦争は二度と嫌だと、国民は、歓迎する。七六年間。カバーに合わせようと、国民は努力してきた。今風ではないと差し替えようとする動きもあったが、どうにか、護り通した。
 しかし最近、ウクライナ情勢と中国や北朝鮮の不穏な出来事を口実に、「戦争できる国」にしようとする雰囲気に変わってきた。安倍政権からその空気が拡がり、岸田政権になり、安保三文書を閣議決定。敵基地攻撃能力を持ち、防衛費を倍増し、世界第三位の軍事大国になろうとしている。専守防衛というカバーデザインとは、明らかに異なってきている。
 リスクを冒してデザインを変えなくても、解釈変更で済む。勝手に進めても、国民は何も言わない。だから極右勢力向けのポーズでいい、と考えているふしがある。米国も、日本がどう解釈しようが、通りに「属国」となっているザマにほくそ笑んでいるだろう。自国の軍需産業のために兵器を売りつけても、二つ返事で、ホイホイと金を出すのだから。
 が、野党も国民も大人しい。カバーを捲ると『戦前の日本』の表紙が、現れるかもしれないのに。声をあげよう! でないと、「戦中」になってしまうゼ。まずは、「NO! の一票」から。

(おまけ)
60年代や70年代とちゃうっしょ。
地に足が付いた日本作りをやらんといかん時代とちゃいまっか?
(どこの方言??? 笑)

朝日新聞朝刊(10月18日)「文化欄」


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