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(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書16 思い込みの排除6

エピソード6:デザインの色でうまくいかないとき

私はデザインに関わる仕事をしています。今はディレクターをマネジメントする立場ですが、以前はクライアントにデザインを提案する機会がよくありました。

色は、デザインの重要な要素です。デザインは、「インフォメーション」と「デコレーション」の2つの役割があります。

情報区分・情報の数・注視点が直感的にわかるよう、色を活用することは、インフォメーションデザインといえます。

ビジュアル訴求・メッセージ性・ブランド上のトーン&マナーを表すよう、色を活用することは、デコレーションデザインといえます。

以前、デザイン提案を何度繰り返しても、「色がわかりづらい」と、クライアントからの返事があり、うまくいかないことがありました。

あまりにもうまくいかないので、考えた挙句、ふと思いました。「この担当者は色弱かもしれない」と。そこで「色弱シミュレーションツール」を使って、色弱ね方の色の見え方を模擬検証し、色弱の方にとって色と色が混同しないように、色のチューニングを行い、デザインを再提案しました。

そうすると…

一発クリア!
「すごくわかりやすくなりました」とクライアント担当者からのお返事。

そう、その担当者は、やはりたぶん色弱者だったのです。色弱の方は、自分から「私は色弱者です」とはあまり言いません。ですが、日本では320万人が色弱者だといわれています。仕事上関わりのある方の中にもきっと居ると思います。

であれば、色弱の方を含め「多様な色覚の方のことも考えた色彩設計を予めしておくことで、皆に届きやすい情報にする」ことが、何よりも重要と言えます。

今は無料のスマホアプリもあり、すぐにシミュレーションできます。一度試してみましょう!
https://apps.apple.com/jp/app/%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF/id389310222

※色弱の色々な話は、また別の記事でもお話しします。

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