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(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書48 ③聴覚障害の認知と理解

③聴覚障害の認知と理解

聴覚障害者の
【職場での困りごとや解決策】について

◼️困りごと
聴覚障害者が職場で直面する困りごとは多岐にわたります。以下に、主な困りごとを列挙します。

1. コミュニケーションの障壁
   会議や日常のコミュニケーションでの発言の聞き取りが難しく、情報伝達の遅れや誤解が生じることがある。
   人数が多い会議や雑踏の中での会話が特に難しい。

2. 安全上の問題
   警報や注意喚起の音声が聞こえないため、緊急時の対応や安全確認に困難が生じることがある。

3. 指示やフィードバックの受け取り
   上司や同僚からの口頭での指示やフィードバックが聞き取れない場合、職務の遂行に支障をきたすことがある。

4. 社交的なシチュエーション
   職場の飲み会や慰安旅行など、社交的な場面でのコミュニケーションが困難。
   グループでの会話や背景音が多い場所では特に聞き取りが難しい。

5. 教育・研修の受講
   職場の研修やセミナーで、音声による情報提供が主体となっている場合、内容の理解が難しいことがある。

6. 電話対応
   電話によるコミュニケーションが要求される職種では、特に困難を感じることがある。

7. 同僚や上司からの理解不足
   聴覚障害に対する認識や理解が不足している職場では、必要なサポートを受けられない場合がある。

8. 情報収集の困難
   職場のアナウンスや口頭での情報共有が中心となっている場合、情報を取りこぼすリスクが高まる。

これらの困りごとを解消するためには、職場の理解と協力、適切な職場環境の整備や通訳サービスの提供などのサポートが不可欠です。

◼️解決策(一事例です)
解決1. コミュニケーションの障壁
   手話通訳の導入: 重要な会議や研修時に手話通訳者を配置する。
   書面や電子デバイスによる情報共有: Slackやメールなどの文字情報によるコミュニケーションを積極的に用いる。

解決2. 安全上の問題
   視覚・振動による警報: 音声による警報だけでなく、光や振動による警報を設置する。

解決3. 指示やフィードバックの受け取り
   明確な書面による指示: 重要な指示や情報は書面やメールで伝える。
 
解決4. 社交的なシチュエーション
   小規模な集まりの推奨: 大きなグループよりも少人数での会話を推奨し、環境を整える。

解決5. 教育・研修の受講
   字幕付きの教材提供: 映像教材を使用する場合は字幕をつける。
   通訳者の同伴: 手話通訳者を研修やセミナーに同伴させる。

解決6. 電話対応
   文字情報による通信ツールの利用: チャットサービスやメールを主なコミュニケーション手段として導入する。
   FAXや専用の通話アプリの活用: 必要に応じてFAXや聴覚障害者向けの通話アプリを利用する。

解決7. 同僚や上司からの理解不足
   聴覚障害に関する研修・啓発活動: 職場全体での聴覚障害に関する理解を深めるための研修やセミナーを実施する。

解決8. 情報収集の困難
   掲示板や電子掲示板の活用: 重要な情報は掲示板や電子掲示板にも掲載することで、情報の取りこぼしを防ぐ。

加えて、聴覚障害者本人も、自らのニーズや要望を積極的に伝え、自分のための環境整備を積極的に進める姿勢が求められます。もちろん、同時に、職場全体の協力と理解が不可欠です。

Think Universality.
Think Difference.

m.m

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