見出し画像

生徒会長VS番長

ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカの国会演説で、今回のロシアによるウクライナ侵攻を、イスラム過激派による9.11テロ日本による真珠湾攻撃に例えて強く非難した。

これに対して、不快感を示した日本人は少なくないようだ。
一方、日本の国会演説でゼレンスキー大統領は、日本をアジアのリーダー、ソビエトと最初に戦った国である、と賞賛している。

この人、なかなかしたたかな人だと感じる。

「ロシアの侵攻と真珠湾攻撃を一緒にするなよ」と思う人もいると思う。

真珠湾攻撃を非難しても、広島・長崎の原爆投下は非難しない。
戦勝国側の論理だ。

わたしは「拝啓 プーチン大統領様」という記事を書いた。
しかし、ゼレンスキー大統領による真珠湾攻撃の話を聞いた時、ふと我に返った。

「あの頃の日本と状況が似ている…。」
日本は、アメリカを初めとする連合国側から、強い経済封鎖を受け、どうにもならなくなり戦争するはめになった。(異論はあると思うが)
日本から先に手を出すようにアメリカに仕組まれたとも言われている。
また、奇襲攻撃と言われているが、実はアメリカ側は察知していたという話もある。

日本には日本の正義(論理)、アメリカにはアメリカの正義(論理)があったように思う。アメリカ人の半数を超える人たちが、原爆投下を正当化しているという。

正義は、いつでも人の数だけ存在する。

今の世界情勢を、学校内の力関係に例えてみよう。

三年生にトランプという悪がいた。
こいつは頭がいい、駆け引きも上手い。
合理主義者であり、なかなかしたたかな奴だ。
いつも学校内の権力抗争に目を光らせていた。

二年生には、プーチンという悪がいた。
こいつはケンカが強い上に強欲で人を信用しない。
約束なんてクソくらえというタイプの人間だ。
しかし、武術をやっていたので強さには敏感で正直だった。
トランプをけん制していた。

同じ二年生に金(キム)という危ない奴がいた。
こいつは一年留年している。
いつもカッターナイフをポケットの中に忍ばせており、時々それをちらつかせて「いつでも刺してやるぜ」という目をしている。
こいつも力には敏感で、トランプをいつも意識し、隙あらばトランプを刺してやろうと思っていた。

そして、一年生には習(シュウ)という悪がいた。
こいつは、めきめきと頭角を現し強い勢力を持ち、一年生を牛耳っている。
最近は勢力を広げ、学校を牛耳ろうと画策しており、三年生にも口出してトランプさえも威嚇してくるようになった。

習はなぜかプーチンとは気が合うようで仲が良い。
お互いにギブアンドテイクだけの関係を築いている。

ところが、ある日トランプが退学になった。

そして、それと同時にバイデンという男が生徒会長になった。
この男は真面目で堅物な人間だった。
正論を片手に悪どもを批判し切って行った。

しかし、争いは嫌いで、もっぱら論争で相手と戦うタイプの男だ。
生徒会の規則に則り、安全な学校生活を守っていきたいと思っていた。

するとその状況を見た悪達の態度が変わり出した。
学校内の勢力争いの均衡が崩れ出したのだ。
ある日、プーチンと仲の良い習は「今だったら、やりたいように出来るんじゃね?」とプーチンをそそのかした。

それを聞いたプーチンは「そうかもしんない…。」とその気になった。
そしてプーチンは以前に子分だった奴をまた取り込もうとシメに掛かった。

それを見た生徒会長バイデンは、学校側を巻き込んでプーチンに強く抗議した。生徒会書記(副会長ではない)の岸田君はバイデンに右へ倣えだ。

しかし、プーチンには正論は到底通用しない。
お行儀のよい、バイデンの批判や懲罰など一向に堪える気配がない。

プーチンの蛮行は留まるところを知らず進んで行く。
このままでは、プーチンは孤立して、本気でキレてしまうかもしれない。
あるいは、いずれ退学にもなるかもしれない

これに乗じて、金もナイフを磨き、露骨に振りかざすことが多くなってきた。

ここで、習は思った。
「しめしめ、プーチンが退学になったら、いよいよおれの天下だ。」

この話を耳にしたトランプは「おれならプーチンを止めることができた。」と言い放った。トランプは危ない奴だが、極めて合理主義者であり、交渉の才能もある。

過去には、金を威圧し、なおかつ差しで話し合いを行い、戦わずに話を納めてきたことがある。最後の最後は、合理的に動ける頭を持っていた。

トランプは何をやるか分からない危ない奴だと思わせるのがうまかった。
悪どもは、そこをけん制していた。

しかし、トランプは危なっかしくて、三年生の中には敵も多かった。
その結果、学校外へと追いやられてしまった。

生徒会長がいくら正論を言っても、悪であるプーチンの心には響かない。
プーチンは、建前よりも本音で話す奴しか信用しないのだ。

腹をくくって相手の縄張りに乗り込み、本音で話す人間しかプーチンを納得させることはできない。

「よう、実際はどうなんだい?本音で話そうや。」と言える奴が学校内にはいない。

悪には、悪の気持ちが分かる人間にしか本音で話ができない。
同じ土俵に上がるには、面と向かって差しで話をしなければならない。

遠くから批判するだけでは、何も事態は変わらないのだ。

さて、話を戻そう。

トランプが大統領選で落選した時から、こんな日が来ることを予測していた人は多いと思う。わたしもその一人だ。そしてやはり均衡は崩れた。

バイデンはオバマの側近だった。
結局、オバマと同じことをやっている。

日本もそろそろ、アメリカの傘の下で安心しているのは終わりにした方が良いと思う。

戦争はしないが、自国は守る。
建前と本音。

理屈だけではもう世界に太刀打ちできない。
正義は人の数、国の数だけ存在することを忘れないようにしなければならない。例えそれが同盟国であってもだ。

日本は戦争に負け、戦争に嫌悪感を持ち、戦争に敏感な国となった。
日本国憲法は元々は戦勝国であるアメリカが作ったものだ。

今、日本が自分の足で立つ機会(ある意味チャンス)が来ているのかも知れない。

戦争は決して起こしてはならないというのは誰もが思うことだ。
しかし、最後に自国を守れるのは、自国民しかいない。

日本にとって何が本当の正義となるのか?
今、それが問われている時だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?