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#女たち Vol.18

露西(ルーシー)の場合

自宅があるマレーシアのジョホールバルから職場のあるシンガポールまで車で片道約1時間。

仕事帰りの運転中に、いつもDJ Yanaのラジオ『Welcome Happiness,GoodbyeWorries』
を聴く。
彼女の声は澄んでいて聴きやすく、歯に衣を着せぬコメントの中に時折覗く人の良さが出るところが好きだ。声からは、彼女が虹色のモヒカンヘアをしているという事は想像できない。

今日は、まさか自分の相談メッセージを、あのDJ Yanaが読んでくれるなんて想像もしていなかった。
飛び上がるほど嬉しかったが、自分の伝えたい事がちゃんとYanaに伝わっておらず、しかも、私のメッセージのせいでちょっとした騒ぎになってしまった。
私からのメッセージだと気づく人は周りにはいないと思うが、恥ずかしかった。
Yanaよりも私の方が、サンバルチリソースよりホットになったと思う。

私は、彼が私の同僚ともお付き合いをしていたという事を相談したかった訳ではない。

私も、彼から、一緒にイポーに来てほしいと言われたいのだ。
彼の傍で彼と共に暮らしたい。
私は、彼以外の男性との結婚は考えていないのだ。
彼ならきっと私を迎えてくれると信じている。

シンガポールは一夫一妻だが、マレーシアは4人まで妻を迎える事ができる一夫多妻制だ。

私の相談メッセージは上手くYanaに伝わらなかったが、Rasa Sayangがラジオから流れた時、そんな事はどうでも良くなった。

Rasa Sayangは、『愛する心』を意味する。

彼と一緒に歌った歌だ。

偶然でもよい。咄嗟に選んだ曲でもよい。
Yanaなりに、私を応援したいと思って送ってくれた曲だと受け取る事にした。

勇気と希望が湧いた。

…彼に、私も妻として迎えいれてほしい事を相談してみようと思う。

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