レズビアンカップルが子供を持つこと
私たちに新しい家族が加わります
突然ですが、この度、私たちの家族に新しい命が加わることになりました。私がイギリス人の女性パートナーと同性婚をしてから2年。今回、精子提供を受けて、私のパートナーであるローラちゃんが妊娠しました。現在、5ヶ月目になります。
私たちの住むニューヨークでは同性カップルの間に子供がいる家庭も珍しくはないのですが、日本語でこうした経験を共有している方はあまり見かけません。だからこそ、私たちの経験を少しでもシェアできればと思い、全然更新してなかったnoteに書き留めてみようかな?と思いました。
妊娠のために、私たちはカリフォルニア州にある精子ドナーバンクを利用しました。ドナーを選ぶ過程では、人種や家族の病歴、そして一番大事なのは染色体異常がないことを確認する点が重要とされています。
ちなみに私たちのドナーは”たまたま”日本人でした。
「やっぱり日本人がいいんだね」と言われるかもしれませんが、実際は「アジア系のドナーがいたらいいな」くらいの軽い気持ちだったんです。結果として、DNAの相性が一番良かったのが日本人のドナーだった、て感じです。
昨年の秋から、私たちはセントラルパークの近くにある、とあるクリニックで相談を始めました。ローラちゃんがまだ32歳ということもあって、最初からIVF(体外受精)ではなく、まずはIUI(人工授精)に挑戦することにしました。
同性カップルの家族によっては、ママAの卵子を採取し、精子と体外受精させたものをママBの体に着床させることにこだわるカップルもいると思いますが、私たちは今回IUI(人工授精)を選びました。一番の理由は、アメリカでのこういった医療はとてつもなく高額だということです。
大手企業や学校、公務員は保険で一部はカバーされますが、自営業とアーティストである私たちは、ほぼ全額を自己負担することになりました。
精子バンクでのドナーの購入費用が約2,500ドル、そして送料が300ドルほど。クリニックでのIUIの費用は約1,500ドルなので、トータルで一回の挑戦で4000ドル以上かかる計算です。(日本円で約60万円)
IVF(体外受精)だとさらに高額で、1回あたり約19,000ドル(約300万円)もかかるので、正直、IUIで成功してくれればと願っていました。
こういった選択をする中で、私たちは少しずつ気づかされることがありました。同性カップルが子供を持つことに対して、世の中にはまだ偏見や無理解があるんです。(ダイバーシティ代表とも言える、ニューヨークでさえ!ですよ。)
たとえば、私が「精子提供を受けて、ローラと子供を作ろうと思ってるんだ」と友人に話すと、「え?ローラが産むんだったら、Masamiとは血がつながってないんだね。それって平気なの?」と無神経に聞かれたことがあります。
こうした質問が、特に悪気があってのものではないことは分かっていますが、同性カップルの立場や経験に対する無理解がそこにあるのも事実です。このような悪気はないけれども傷つくような言葉を受け取った時、「血のつながりだけが家族の絆のすべてではないこと」を多くの人に知ってほしいな、と強く感じました。
私がこうして経験を日本語でシェアすることで、日本の住む同性カップルやこれから子供を持ちたいと考えている人たちの助けになれば、と思っています。
また、もしもあなたの周りに私たちのように子供を持つ同性カップルがいたら、どうか思いやりをもって接してあげてください。同性カップルでも、ヘテロセクシャルカップルと同じように、愛情いっぱいの家庭を築いているのです。
次回は、私たちのTrial and Error (挑戦と失敗)の辛さ、それを乗り越えた時の絆について話していけたらな、と思います。
それでは、ゆっくりの更新になると思いますがお付き合いください。
See you soon :)