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貯金0円からの起業活動第一歩

現在スペインで味噌屋起業を目指しているmasamiです。

私のスペイン口座残高ゼロになってしまった。
2022年、ユーロと円の価値がひっくり返ってしまい、日本の貯金をスペイン口座に送金するタイミングを見失ったのです。円安である。

しかもスペインでの起業って一体どんな難関が待ち受けているんだろうか。
果たして私に起業など出来るのだろうか。とんでもない遠回りと書類に埋もれる日々なのではないか……

不安に押し潰される日もある。

頭の中をぐるぐるしてても意味がない。

さてどうしたものか。

動かなくては何も始まらない!

毎月400€(約6万円)を6ヶ月支給という有り難い制度があると情報を仕入れた。ただし一生に一度しか使えない特別切符のようなもの。
必要書類を即集めて無事受給できる事になりました。

私はこの400€を知識・技術向上、設備投資など将来の為に投資することと決めました

味噌屋をするのに麹作りは必須項目だ。その技術を学ぶには日本か?

麹菌は日本で独自に成長を遂げ、日本の環境だから進化する事が出来たスペシャルな微生物です。では、日本に行こうかと何日も航空券とにらめっこ。

ロシア対ウクライナ戦争が勃発し、燃油サーチャージ料が高騰したのとロシア上空が飛べないので長時間フライトは避けられません。
本当に悩みましたが、航空券高騰と子どもを長期間預けるのは困難と判断し別の方法を模索することになりました。

求めていれば情報は得られるもので、オランダで麹や日本の発酵食に詳しい茉莉花さんの存在を知りました。

https://www.instagram.com/malica_ferments/

オンラインでお話しした感じ、忖度しない正直な人という印象を受けた。
直感でこの人に教えてもらいたいと思いました。

過去の実績を見ると英語で麹クラスを行ってました。
日本語で麹クラスを開催予定はあるのかと聞いてみた。
「masamiさん一人でもやりますよ、一緒にランチしましょ」と言ってくれた。たった一人の為にクラス開催します?こんな嬉しいことあるでしょうか!

この人だと感じた直感を信じ、修行に行くことにしました。

日本語のクラスという事で、私を含めて日本人女性4人が参加しました。
茉莉花さんと息ピッタリで優しいYさん、どんどん疑問を投げかける気さくなNさん、文化人類学の博士課程で発酵論文を書くために子連れでアムステルダムまで来たWさん。

個性豊かなメンバーが良いバランスで、3日間という時間をかけて本当に良い発酵をしてた

最終日、文化人類学のWさんが茉莉花さんに沢山の質問を投げかけました。そのインタビュー中に、私の麹を作る目的が見つかってしまった。

Wさん「なんで最近は発酵ブームなのでしょうか?」
茉莉花さん「理由は2つあって、1つはコロナが流行り健康志向が強まったことと、子育てがひと段落した方が日本人であるというアイデンティティーを求めて麹を使って何かしたいという人がいます」

聞いてる私が口パクで「わたし、わたし」と自分の事を指差してリアクションしてました。私のお腹の底にストンと落ちるものを感じた。
何で麹なのかずっと疑問に思っていたその答えがオランダで見つかりました。

麹を通して自分が日本人であること、さらにはそうした自分が、他者や社会から認められているという感覚を得たいと願っているんだと気が付いた瞬間です。

因みに、茉莉花さんは写真家でもあります。茉莉花さんが出版した麹の本は茉莉花さんが撮影した写真がふんだんに使用されています。

写真なのに透き通るような、澄んだ美しさが感じらる本です。写真家でもあり、発酵専門家でもある茉莉花さんの言葉は今でも考えさせられます。

「私は自分に肩書きを付けたくない、他人に何者かを決められたくない」

私はこの数年何者かになりたくて探し求めていた人間です。他人に決められたくないと言う茉莉花さんの考えがカッコ良くて、飾らなくて、ストレートで茉莉花さんがなぜ唯一無二の存在感を醸し出すのか見えた気がしました。

甘くてほっこり上品な麹、目標とする麹はこれだ!

動いた分得られるものは大きい。どうやら、真実なようだ。
その一歩がオランダで、そして茉莉花さんで本当に良かったと心から思う。

起業活動はまだ始まったばかり。
オランダの風車のように、風を味方につけてどんどん加速していく気がしてならない。


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