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双極性障害【薬のこと】

双極性障害の私と薬の関係について。

発症してから約20年。
投薬を続けていますが、一向に良くなりません。
何度も病院やクリニックを変え、薬を変えたり増やしたりしてきましたが、治りません。
双極性障害は一生治らないとされているので、治ることは諦めていますが、せめて薬は飲み続けても「普通の」状態になりたいと願っています。

私にとって「普通」とはどういう状態かというと、週5日間仕事に通って、趣味も楽しめる、そんな状態です。
今はというと、躁状態(元気な状態)になることは少なく、ほとんどの期間「うつ状態」が続いています。
その「うつ状態」はというと、私の場合は頭が重くてならず、何もできない状態です。
光沢がなく、どす黒く、厚さ1cmくらいで、額を覆ってしまうくらいの大きさの鉛の板が額に張り付いている。
それが、じわじわと頭の中から湧き出てくる。
そして、何もできなくなるほど重くなる。
そんな感じです。
私はこの鉛の板に「鉛くん」という名前をつけました。

この鉛くんが出るようになったのは、定年退職をして、再就職先を探し始めた5年ほど前だったと思います。
再就労のための施設に通い、求職活動をし、なんとか職に就いたものの、この鉛くんのおかげで仕事は休みがちになり、契約の更新時期に給与を半分以下に減らされてしまい、やむなく退職しました。

次に就職したのが今の会社です。
障害者雇用枠でパート勤務です。
そこでもしょっちゅう鉛くんが現れ、休みがちになっています。
しかし、幸いなことに障害者に理解のある職場なので、給与が下がったり、クビになったりすることもなく、今に至っています。

こう書くと、仕事に就いたことが鉛くんの原因のように感じます。
しかし、私は働き続けたいのです。
鉛くんには出てきて欲しくないのです。

しかも、鉛くんは仕事のときでなくても出てくることがあります。
友人と会うとか、趣味の活動をするといった楽しいことをしようとするときにも出てきます。

この2月には転院をし、新しい薬を試したり、量を増やしたりしていますが、今のところ目立った効果はありません。
ただ、私は思うのです。
「この頭の重さは薬では治らない」と。

一般に「うつ状態」は気分が落ち込み、物事への興味や意欲を失ったり、自己嫌悪になったりするようです。
私もそういう時期がありましたし、今でもそうなることがあります。
しかし、多くの場合、やる気はあるのです。
頭が重くなっても、「仕事に行きたい」と思っているのです。
興味があるものもあります。
それなのに、頭が重くて行けない、できないことが情けなく、悔しいのです。

ですから、どんなに気持ちを持ち上げる薬を飲んだところで、この頭の重さは改善しないと思っています。
骨折をしているのに、風邪薬を飲んでも治らないのと同じです。

では、どうしたら改善するのか。
それは分かりません。
分かっていたら、とっくに良くなっているでしょう。
ただ、漠然と思っているのは、気持ちの中にある、自覚のない、何かがそうさせているのではないか、ということです。
その「何か」を突き止めて、それに対する自分の対処の仕方を改めることが、この頭の重さの改善につながると思うのです。

それは私の幼児期の体験によるものかもしれません。
そのときに感じた「許せない」「怒り」「悔しさ」「強くならなくてはならない」「人一倍努力しなくてはならない」「常に完璧でなくてはならない」、そういった思いが原因なのかもしれません。
或いは、それだけではなく、他にも意識していない遠因があるのかもしれません。

どうしたらそれを突き止められるのか。
それは薬ではできません。
そのために心理療法を受けています。
その心理療法が私の中の「何か」を見つけ出してくれることを望んでいます。
もしかしたら、これが最後の希望かもしれません。