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畑からまなぶ人づくり(1)

人ではない食という命を育てている人たちから、何か人づくりのヒントが得られないだろうか。そんな思いで色んな蔵や農家さんのところに出向くようになりました。蔵人や農家さんはどんなことを大切にされ、どんなこだわりをもって日々命と向き合っているのか。
何事も一生懸命一つのことに専念している人たちからのお話は、全てに通じる人生の在り方、生き方みたいなものを学ばされます。

今回ご紹介させて頂くのは、自然農法で野菜を育てているアイアイ自然農園の加藤さんからのお話をもとに、私自身が気づかされたことなどをまとめてみました。
https://aiainouen.com/index.php?FrontPage

加藤さんはもともとは企業勤めの方で、体調を崩したことから食に関心をもちはじめ、やがてご自身でも野菜を育てるようになったそうです。

農業を始めたころは、より安全なものをといった思いが強かったそうですが、今はおいしい野菜を育てたいという思いのほうが強いとのこと。

私もアイアイ自然農園のお野菜を頂きましたが、野菜なのにフルーツのようにさわやかな甘さがあっておいしい。口に入れた瞬間、野菜というイメージが覆されました。8月に農園に行った際には、茄子や胡瓜、ピーマンなど旬を迎えた野菜がたくさん生っていました。

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加藤さんが野菜を育てる際に気を付けているのは、生態系。

虫も、ミミズもほどよくいないといけないそうで、虫などが大量に発生するのは、土の中で何かがくるっている証拠。生態系を整えようとして、土のあるべき姿に戻そうとする、それが虫やミミズなどの大量発生につながるそうです。

アイアイ自然農園では農薬はもちろん、肥料も使わない農法で野菜を育てています。化学肥料だけでなく、有機肥料も使わないとのこと。さらに、水もほとんどやらず、自然の雨に任せるのみというのですから驚きです。

そんな状態でどうやって野菜が育つのだろうかと思い、色々お聞きしたら、なるほどーと思うことがたくさん出てきました。

環境を活かして育てる

まずは、野菜を植える順番。肥料となるような窒素成分を空中から取り入れる豆類や、根を張ることで土を耕してくれるトウモロコシやオクラなど、それぞれの相性をみながら、季節ごとの旬に応じて植える作物を変えていくそうです。(これはよく知られていることかもしれませんが。)

また、アイアイ自然農園の特徴でもあるのですが、畑の畝に刈り取った雑草が被せてあります。これをしないと水無しでは育てられないそうで、雑草から生まれる発酵(微生物)の力で水分と栄養が作物に行き届くようになるとのこと。

私が面白いなーと思ったのは、肥料を使わないため、なかなか芽が出てくるるのが遅いそうです。でもその間、作物は地中深くに根をはっているそうで、しっかりと根をはって、はってようやく地上に伸びてくるのだそうです。

雑草も大事

また、雑草についてのお話はとても興味深かったです。雑草があると水分が取られ、光も当たらなくなるため通常刈り取るのですが、アイアイ自然農園では、雑草を根っこから抜き取るのではなく、ある程度の長さになった時点で刈り取るそうです。加藤さんは、「雑草も大事」と言います。

どうも野菜の近くに生える雑草は野菜と同じ匂いがするそうで、自然に集まってくるとのこと。

根があると自分が好きな菌を集めようとするそうで、「色んな雑草があると、色んな菌が集まる。そこから色んな効果を生み出す。」そのため、「雑草はなくてはならないもの。」とのことでした。

畑に入ってぱっと見て主役が誰かわかるような形がいいそうで、雑草は野菜の半分くらいの高さになったら、刈り取るのが理想だそうです。

加藤さんいわく、「おいしさは雑草がもたらす。」とのことです。

次回は、アイアイ自然農園の自然農法から学んだ気づきを教育と絡めながら、独自の視点でまとめていきます。

お楽しみに!!

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