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欧米で銀行への不信感が高まる

こんにちは。

3月10日、シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻しました。
日本には、聞き馴染みのない銀行ですが、
アメリカ国内で16番目に大きい銀行です。

SVBは、ベンチャー企業中心に預金者を増やしていきました。

ベンチャー企業は、創業まもない企業であり、
借入するのが難しかったり、借入を躊躇するため、
他の銀行のように金利ビジネスができなかった。

また、連邦準備制度理事会(FRB)が金利を上げたことで、
返すお金が増えるため、借り渋りが起きたこともその要因であった。

SVBは、いつでも預金者が引き出しできる短期資金で、
長期保有や売却できない資産(債券)に
投資することによって急成長していきました。

実際に総資産のうち債券投資の割合を見ると
SVBは57%で、アメリカの商業銀行全体は、24%
と他と比べて、2倍以上も債券を保有していたのです。

商業銀行・・・個人及び法人向けに預金業務や貸出業務、支払い決済手段の提供などを行う金融機関。市中銀行。簡単に言えば、メガバンクやりそな銀行みたいな、みんなが使う銀行だと思ってください。

これが、誤りだったのです。

アメリカは、コロナ禍やウクライナ侵攻によって、
過度なインフレが起き、インフレを抑えるため
連邦準備制度理事会(FRB)が金利を上げてきました。

これによって、債券価格が下落したのです。

なぜ、債券価格が下落するのか?

例えば、元本償還期間が5年で、利率(金利)2%の債券100円と
元本償還期間が5年で、利率3%の債券100円どちらに投資しますか?

もちろん3%の債券を選ぶはずです。
5年間で累積5%の差ができるからです。

このため、2%の債券は100円で売れなくなるため、
累積5%の差を埋め合わせるため安くせざるを得ません。

この原理によって、SVBは巨額な損失を計上したのです。

この損失をカバーするために、株式売却で調達しようとしたが、
筆頭株主のサウジアラビア銀行に断られたのです。

ここにSNSによって、不安が拡散され、
預金の取付(多くの人に引き出される)が起き、
約5兆円が引き出され、SVBのキャッシュがなくなり、
経営破綻が起きたのです。

また、これに伴って、ヨーロッパや他のアメリカの銀行でも
銀行不振が強まっており、株価が暴落しており、
その不安によって、預金を引き出す人が増えているのです。






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