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テスラがなぜトヨタを抜いて一位になれたのか?

こんにちは。

2000年代で自動車といえば、日本!
と世界で言われ続けてきました。

しかし、2020年に「テスラがトヨタを抜いた」と
経済系メディアを中心に誌面を飾りました。

しかし、テスラの販売数は明らかに世界一ではありません。

2021年販売台数(連結ベース)
2021年の売上高ベース世界シェア

2019年のトヨタ販売台数は約1074万台で、
テスラは36万7500台と大きな差があるのです。

では、テスラはどのように世界一になったのでしょうか?

そもそもテスラとはどんな企業?

テスラの歴史

テスラといえば、「イーロン・マスク」と
多くの人は思い浮かぶと思います。

実は、イーロン・マスクが設立した企業ではありません。
2003年7月にマーティン・エバーハートとマーク・ターペニング
によって、設立された企業です。

イーロン・マスクは、2004年ごろから巨額出資した人物です。
そして、2008年にCEOとして務めました。
(法廷で共同創設者として認められる)

2010年に1株17ドルで上場しました。
2020年7月には、トヨタを抜き自動車業界でトップとなりました。
現在の自動車メーカーの時価総額は次のようになっています。

2022年3月17日時点の時価総額(単位:ドル)

テスラの時価総額には、他の9社の時価総額を合わせても
勝てないまでに成長しました。

イーロン・マスク・・・南アフリカ共和国出身で国籍はUSA、カナダ、南アフリカ共和国。実業家、エンジニア、投資家。
X.com創業者(現PayPal)スーペースX創業者、テスラCEO、ニューラリンク共同創設者、ボーリングカンパニー創設者、Zip2共同創設者、OpenAI共同創設者

時価総額・・・株価×発行済総株式数で計算されます。他の算出方法もあります。

テスラの概要

テスラはテキサス州オースティンに本社を置き、
アメリカの電動輸送機器およびグリーンエネルギー関連企業です。

テスラの製品は、EV(電気自動車)、電動輸送機器、
ソーラーパネル、ソーラールーフタイル、
その他関連製品とサービスを展開しています。

プラグイン・セグメント(ガソリンと電気で動く自動車)で16%、
EVで23%の市場シェアを獲得しています。

なぜ、自動車メーカー世界一の時価総額なのか?

自動車産業のビジネス構造革命 〜利益面〜

自動車メーカーは、日米欧、基本的なビジネスモデルは同じです。
「クルマ製作費(コスト)+利益」の価格で売るという構造です。
純利益は、「普通車であれば数十万円、高級車は数百万円、
軽自動車は数万円程度」と言われています。

このことから、「付加価値をつけて高く売る」と
「安く作って数を売る」の2パターンになります。

「作って売る→儲けで新型車の開発or新工場の設立」
の循環で、大量生産から利益を拡大していきました。

しかし、テスラは違います。
「投資によって得た資金」で、車の開発と生産を行なったのです。

テスラは、現状の実態として売れば売るほど赤字なのです。
しかし、テスラは投資家から資金を得ることを目的としています。
なぜかというと、将来EV市場で一人勝ちする時が来たら、
しっかり利益を確保できれば良いという考えなのです。

なぜ、テスラに投資するのかは以下3つの理由と分析できます。
イーロン・マスクに対する期待感、ESG投資の拡大、
以下記載する戦略

自動車産業のビジネス構造革命 〜製造だけでない〜

自動車メーカーは、製造・販売だけです。
そして、周辺産業と協力して新しいサービスを提供しています。

しかし、テスラは違います。
周辺サービスまで自社または子会社で運営しています。

例えば、ライドシェアサービスや
燃料まで自社で確保しているのです。

自動車産業のビジネス構造革命 〜製造法〜

1台の自動車は3万個の部品から成立しています。
トヨタなどの企業は、コンストラクターと言われています。
商品コンセプトや設計、
最終組み立てから販売まで担当します。

部品は、部品メーカーが作り、
コンストラクターに納品します。
構造としては、次の図のようになります。

しかし、テスラは直営工場内で完結します。
(※高度な技術を要するセンサー、半導体などは
外部サプライヤーに依存しています)

サムスン電子と共同して新設工場を設立など
自社でも巨額投資しているため、
今後全てを自社工場内で全て完結するかもしれません。

自動車産業のビジネス構造革命 〜販売形態〜

テスラの車両を買う場合、
基本的にテスラのWebサイトからの注文することになります。

納車は次の3パターンから選択できます。
・最寄りの直営店の「Tesla ストア」
・直営の充電ステーション
・自宅まで配送するホームデリバリー

従来、消費者はカーディーラから購入しますが、
テスラは販売代理店の概念がありません。

まとめ

テスラは自前完結型の製造工程とデジタル販路によって、
受注生産型の自動車メーカーを貫いています。
さらに、一切のテレビ等のマスメディア広告を打たない、
自社メディアの活用による緻密なPR戦略があります。

このことによって、コストダウンと在庫懸念を排除しています。
テ伝統的な自動車産業構造を大きく破壊しようとしています。

この新しいビジネス構造こそ投資家を集め、
自動車メーカーの時価総額世界一になったのです。


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