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【金融教育2】今後の為替レートを推測する

今回は、政策金利を用いて為替レートを推測する「カバーなし金利平価(Uncovered Interest Rate Parity)」とインフレ率を用いて為替レートを推測する「相対的購買力平価(Relative Purchasing Power Parity)」を紹介します。

カバーなし金利平価 Uncovered Interest Rate Parity

金利平価とは、短期的な国際資本移動を見て、為替レートを予測する。

将来の為替レートSe、現在の為替レートSと置くと、カバーなし金利平価でSeを求める式は次のようになる。

S=(1+アメリカの政策金利)÷(1+日本の政策金利)×Se

この式をSeを求める式にすると

Se=(1+日本の政策金利)÷(1+アメリカの政策金利)×S

2020年7月30日20時現在の為替レートは、1ドル=105.107円である。日本の政策金利は-0.1%、アメリカの政策金利は0.25%である。

よって、

Se={1+(-0.001)}÷(1+0.0025)×105.107
Se=104.74

円高ドル安になると予測される。

相対的購買力平価 Relative Purchasing Power Parity

購買力平価とは長期的に見た時の理論であり、為替レートと物価の関係性を重視した考え方である。相対的購買力平価とは、購買力平価の考え方を全て変化率煮直した関係のことを指し、購買力平価を微分して求められる。

(絶対的)購買力平価の式

日本の物価=現在の為替レート×アメリカの物価
現在の為替=日本の物価÷アメリカの物価

この式を微分すると相対的購買力平価の式になる。

日本のインフレ率=Δ為替レート(為替レートの変化率)+アメリカのインフレ率

ここで、日本のインフレ率は0.1%、アメリカのインフレ率は0.6%であるので、

0.001=Se-105.107/105.107+0.006
Se=104.5815

円高ドル安の予想となる。

まとめ

カバーなし金利平価や相対的購買力平価で求められた将来の為替レートは、あくまで理論値であり、実際に円高ドル安にならないこともあります。

保険会社でドル建て預金をしていて、コロナのため生活が苦しくなり、ドル建て預金を日本円に直して、手元に戻すと元本割れをしたという、クレームが相次ぐというニュースが最近あった。

これは、円高ドル安のため円が高くなったからである。実際に為替レートの都合上、元本割れする可能性を秘めているのにも関わらずクレームを起こすのは、金融リテラシーが低い国民性なのではないかと感じます。

アメリカが政策金利を下げている間や金融緩和を行なっている間は、円高ドル安が続くのではないかと私は考えている。

この推測があっているかは、私の領域外なので分かりませんが、上記にあげた為替レートを推測する理論上では、円高ドル安になると私の推測と一致しています。

しかし、新型コロナウイルスという不確実性が高い事象に対して各国がどのような金融政策・財政政策をしていくのかを見ていく必要性が高いと思われる。

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