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資生堂ヘアケアなどの日用品事業売却の意図

 こんにちは。ビジネスの世界では、会社を売買する、一部の事業を売買することが頻繁に行われている。大々的にニュースになった例として、「すかいらーくグループが大戸屋に対して敵対的買収をする」、「伊藤忠商事がファマリーマートを子会社化する」などいろんな目的があって企業の売買が行われています。

 さて、今回は資生堂に関する話をします。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、資生堂の化粧品事業の不振が目立ちました。化粧品事業は、リモートワークの拡大と不要不急の外出を避けるため、化粧の必要性がなくなったため売り上げが大きく下がっています。

 しかし、今回の資生堂は日用品事業の売却で異例中の異例だといえます。シャンプーなどの日用品は、消耗品で毎日使われるものが多い。その日用品を売却することは資生堂にとって、一か八かではないですが挑戦的であることは間違い無いと思います。

 資生堂の日用品で売却にかける事業は、「TSUBAKI」シリーズのヘアケアであったり、男性化粧品の「uno」であったり、皆さんにとっても聞き馴染みの多い商品を含んでいます。

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(*上:TSUBAKIシリーズの一部、下:unoシリーズの一部)

 これらの売上営業利益率は5〜10%といわれ、日本企業としては決して低く無い水準で、売上高に占める比率も1,000億円以上の事業規模です。この規模の事業を「選択と集中」を進める中で、切り離す決断が吉と出るか凶と出るか非常に注目が浴びると言えるでしょう。

 そして、なぜこの大規模な事業を切り離すのかを見ていくと、資生堂は「グローバル市場での成長と収益性を見込める経営」を選択している。

 日用品は安定的な収益を上げるが、国内市場に限られ、成長の見込みは少ない一方で、「ELIXIR」や「MAQUILLAGE」、「HAKU」などといった化粧品は海外でも有名であり、中国をはじめ需要があると言えます。

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 日用品の広告宣伝費や製造費用等の費用の全てを化粧品事業に回して、世界市場を狙う高級化粧品の売上を上げる方が、将来的に収益性が見込め、さらなる企業の成長につながるといった判断で、今回の日用品事業の売却する方針になったと言えます。



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