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無料で展示・ギャラリー使用ができるって本当? 「喫茶ランドリー」が、有料ではなく、無料としたのは、こんな理由と想いでした。

来店してくださる皆さん、遠くからでも応援してくださる皆さんのおかげで、先の2020年1月に、喫茶ランドリーは2周年を迎えました。そして3年目がはじまりました。パチパチパチパチ!

オープン当初から、お店の発信はSNSが基本で、喫茶以外の特に展示やギャラリー使用のことについては、ホームページにも記載がありませんでした。そのほとんどは、店内でのコミュニケーションでお伝えすることを基本としていたからです。

それを今回は、広くこうして発信してみようと思います。小さな展示や展覧会をすることに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。そして、私の、私たちのこんなことに使わせてもらえますか?とうことがあれば、気軽におホームページから問い合わせをください。

最初は有料も考えたんです

お店がはじまった当初は、すべての料金が試行錯誤でした。コーヒー一杯は? 洗濯は? レンタルスペースは? そんな中、さらに悩んだのが展示についてでした。

僕らが好きな喫茶店を、全国巡っていると、ささやかにお店の壁を使った展示が行われていることがよくありました。そういうものを研究して、どんな料金体系で提供しているのかを見ていきました。「1週間●万円」とか、そこにコーヒーチケットを含めていたり、いろいろな形式があるようでした。でも、どこかで有料設定そのものの敷居の高さを感じていました。

で、そうこう迷っているときに、オープン時にお世話になった村田商會さんにポップアップショップを開いてもらいました。

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当時は4人席が2つあった入口脇に大テーブルを移動させて、そこに中古の喫茶店食器たちが並びます。

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軒先には家具などが並びます。すると、当たり前ですが、村田商會を求めた新しいお客さんがいらしてくださいます。もちろん、喫茶でお茶するかは、マストではありません。モノを見て、購入して、帰る人もいますし、せっかくだからとゆっくりされていく方もいます。

例えば売上げの●パーセントをもらうという話

すると家具も食器も、どんどん売れていきます。通常であれば、こういった場所貸しの場合は、「売上げの●パーセントを徴収する」というのが、よくあるパターンだと思います。

しかし、お店のレジの蓋を開けてみると、確実に通常営業時よりも、確実に売上げが上がっているです。あぁこれは、どんな人にも空間をレンタルしたとしても同じだなと確信しました。

一方、出店者サイドは、それなりの準備で費用が掛かります。車を借りたり、その他諸々準備も。お店の体を取ると、ちょっとした人件費もかかります。これがべらぼうに儲けているというのであれば、売上げの……と言いたくなりますが、そうではありません。

また、展示に使いたいという人もこれは同じです。作品を売るということも、それほど行われることではない。むしろ準備にお金がかかります。しかも、コマーシャルな、広告的なものでなく、非常に個人的な想いのもとに作られているものがほとんどです。それに、お客さんに話をしていると、ものを作っているひとは多いのに、それを実際に多くのひとに目にふれてもらうギャラリーという存在は非常にアクセスしづらいというものだと感じました。

だったら、これは気持ち良く無料にしよう! そう、決めました。

そして、ひとつだけ条件を決めました。

それは、

喫茶の営業と居心地の妨げにならないこと

それだけです。喫茶営業を妨げない、最高の心地の妨げにならない、それができれば、空間をどう彩り、使うことについては、無料です。ただし、準備に掛かる費用については、出展、出品者が負担してください。そのようにしました。

こうしたことは、はじめて展示をしたり、はじめて出店したりするひとがチャレンジしやすくなりました。

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軒先で、フリーマーケットをやるもよし。

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マーケットをやるもよし! ここからはじまった「喫茶マーケット」は、あっという間に地域の人気者となり、いろんな軒先に引っ張りだこに。まさにインキュベーション的な役割を果たせた事例のひとつ。

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家事室の勝手口に、こんな看板が置かれて、

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家事室に現代アートが展示されることもありました。

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現代アートの前で、子どもが遊び、洗濯物を畳むのも、なかなか楽しい光景でしょ?

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A0サイズの写真がたくさんレールに吊り下げられたポスター展も圧巻でした。

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作品のレベルが高いと、こんな風にしっくりきます。だから、喫茶営業にも、居心地にも何の支障も出ません。

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まち側からも、この光景が目に入るのも、いいこと。

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軒先に、趣味で手作りしたロウソクを灯させてくださいと、地元の方がいらしたときは、こんな風に彩っていただきました。

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美大生が自分の卒業制作を展示したいということもありました。普段はチラシ置き場になっているカウンターテーブルも、こういうときは展示スペースになります。このとき彼女は、会期中、お店のスタッフとしても働いてくれながら、在廊してくださったり。

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客席に置いてあったものをどけて、彼女の作品をそれぞれのテーブルに設置しました。水滴が表面張力で器の上を動き回る作品。そんな風にちょっとしたことでお店とコラボも楽しかったりするものです。

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でもやっぱり、写真というメディアが、喫茶ランドリーの展示では相性が世のかもしれません。この時は、インスタグラマーの3人の女性たちに声をかけてはじまった企画。

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生まれてはじめての自分たちの個展。一生懸命展示方法を考えていらっしゃるのが印象的でした。路地側の窓にぺたぺた貼るも良し。

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テーブルには透明のシートを敷いて、小さな写真をたくさん展示したり。彼女たちには、会ったことのないインスタつながりのファンが意外と多くいて、その人たちが連日喫茶ランドリーを訪れて、リアルでつながっていくのも感動的でいた。最終日のパーティーもすごかったなぁ。

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でも、広告的な要素が出てくる場合は、お金をいただくことにしました。これはニコンさんが、若い人向けの写真メディアプラットフォームを立ち上げに際して、企画した写真展。サイト名に合わせたバス停の看板が、お店の前に登場!

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どこまでが既存のお店で、どこからが展示なのか? どの方もそうなのですが、ホワイトキューブの対極にあるような、喫茶ランドリーの空間を、いかに単身で展示するのかということを、皆さん楽しんでいただいています。

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モグラ席にあった紐と洗濯ばさみは、以前展示したインスタグラマーの女性たちが展示で設置したもの、それをそのまま残しておいてもらったら、それをうまく使ってくださいました。こういうことが起きるからこそ、コトある度に、残せる手垢はすべて残しておきます。

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説明的なことは、モグラ席の壁側、目線に入る部分に。上のレールには、大きめの写真を。展示方法についても、具体的にいろいろと考えられています。

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展示ひとつでもいろんな可能性があるな〜と思ったのが、コレ!最後に商会するのは、理科大の建築学生(栢木研究室)たちによる家具展!なんと、喫茶ランドリーの家具をまるごと入れ替えて、学生たちがつくった家具にしてしまうというもの。

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厳密に喫茶ランドリーの通常営業に支障が出ないように、席数は減らさないようにしてもらったり、必ずカレーが食べられるようにしてもらったり(笑)。学生さんたちは、何度も採寸して、デザインして、自分たちでつくってこんなステキな空間に生まれ変わりました。結果、写真奥の大テーブルは、お客さんにもスタッフにも好評で、そのまま使わせていただくことに。

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念願だった、軒先に小さなテラスも生まれて、犬の散歩のおじさんもフラット座るシーンが生まれたり。この家具展、もう最高でしょ??

あなたのやりたいを実現してほしい

というわけで、今回はじめて、喫茶ランドリーの展示やギャラリー使用について、紹介をさせていただきました。もし、自分の小さなやりたいことと照らし合わせて、興味が沸いた方がいらしたら、一度お店にいらしてください。そして、やりたいことの妄想を膨らませて、気持ちが固まったら、気軽にホームページから問い合わせをください。

※条件は、喫茶ランドリーの営業の妨げにならないこと、喫茶ランドリーの居心地の妨げにならないこと、の2つですが、最終的な判断は、喫茶ランドリーのオーナーとスタッフたちによって行われます。また、そもそも喫茶ランドリーについての興味や知識がなく、ただのスペースだと思われている方には、2つの条件と満たしていてもお断りすることがあることは、予め了承ください。

今、喫茶ランドリーは、両国・森下本店の他に、神奈川県の宮崎台と座間にもあります。今回は、両国・森下本店の話ですが、多の店舗も、同様のマインドで運営されていますので、実際のお店の空間を体験した上で、やりたいことがあれば、同じように問い合わせをしてみてください。

というわけで、久し振りの喫茶ランドリーネタでした。3年目の喫茶ランドリーは、これまで黙って距離を保っていたオーナーサイドも積極的に使い倒していこうと、いろんな企画を考えていますので、そちらもご期待ください。

それでは、今日はこの辺で。


1階づくりはまちづくり

大西正紀(おおにしまさき)

ハード・ソフト・コミュニケーションを一体でデザインする「1階づくり」を軸に、さまざまな「建築」「施設」「まち」をスーパーアクティブに再生する株式会社グランドレベルのディレクター兼アーキテクト兼編集者。日々、グランドレベル、ベンチ、幸福について研究を行う。喫茶ランドリーオーナー。

*喫茶ランドリーの話、グランドレベルの話、まだまだ聞きたい方は、気軽にメッセージをください!

http://glevel.jp/
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●田中の書籍『マイパブリックとグランドレベル』は2020年2月に5回目の増版(第六版)が決定しました。私のnoteの内容の、基礎的、バイブル的な内容となっています。まだの方は、ぜひ手に取ってみてください。


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ありがとう!帯広にも喫茶ランドリーの兄弟スペースが!
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ハード・ソフト・コミュニケーションを一体でデザインする「1階づくり」を軸に、さまざまな「建築」「施設」「まち」をスーパーアクティブに再生する株式会社グランドレベルのディレクター兼アーキテクト兼編集者。日々、グランドレベル、ベンチ、幸福について研究を行う。喫茶ランドリーオーナー。

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コメント (4)
素晴らしいステキな取り組みですね!一度お伺いしましたが、また行きたくなりました😊
ありがとうございます!最初にいらしていただけたのは、いつごろでしたでしょうか?お店の中も日々変わっておりますので、またいつでも気軽にいらしてください!
ありがとうございます!昨年の12/14です。ちょうど忠臣蔵、吉良邸討ち入りの日で、近くで元禄市やってることをスタッフの方に教えてもらいました!みなさんとってもフレンドリーで優しくて居心地が良かったです!是非今度、何かイベントやりたいなぁなんて思っています😊その時のことnoteに書いてます。
https://note.com/macfreedom/n/n68f239b30c8f?magazine_key=mae2071d58828
はじめまして!
私も地域の人が集まるお店を作りたいと考えていて、頭にあることをほぼ実現している!と衝撃を受けています。
近いうちに訪問しますね(^o^)
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