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海外でバックパッカーをしていた僕が、外資コンサルをやめて未来のNFTプロダクトを立ち上げた理由。


自己紹介

はじめまして。
株式会社Apas Port共同創業者兼、HARVEST FLOWのプロダクトマネージャー(PdM)を務めている南出聖希(みなみで まさき)です。
オンラインや海外では「Masa」という名前で活動しています。

最近、HARVEST FLOWというNFTxRWAxLendingを組み合わせたプロダクトを開発しており、登壇やイベントでのブース出展の機会をいただくことが増えてきました。
そこで、もっと多くの方に知っていただきたいと思い、noteで発信を始めることにしました。

経歴

私の経歴を簡単にまとめると次のようになります。

  • 1997年 京都生まれ、高校まで京都育ち

  • 2014年 カナダの高校に留学

  • 2016年 早稲田大学国際教養学部に入学、海外バックパッカーに目覚める

  • 2017年 ドイツ・ベルリンのHumboldt大学Computer Scienceに留学

  • 2020年 早稲田卒業後、日本IBMに入社

  • 2021年 一般社団法人Privacy By Designを共同創業

  • 2022年 LaTobi合同会社を創業

  • 2023年 株式会社Apas Portを創業

と、色んな国にいたり、何社か会社を創業したり、26歳にしては色々な経験をしてきた方かなと思います。(Web3界隈の先人のみなさんには負けますが)

このnoteで伝えたいこと

そんな私が、このnoteで伝えたいことは、日々どのようなことを考えながらプロダクト開発をしているのか。そして、国内外のクライアントやパートナー企業と共に、最先端のWeb3に触れながら妄想している未来についてお話しします。

今回は初めてのnoteということで、Apas Portを創業するまでの私の人生、創業の秘話、そして今開発しているHARVEST FLOWの目指す未来についてお話しできればと思います。

Apas Portを立ち上げるまでの人生

全ての行動の起点は好奇心。長期休みをバックパッカーに捧げた学生時代。

私は高校時代、カナダへ1年間の留学したことをきっかけに、“もっと広い世界を見てみたい”という思うようになりました。そこからは、留学制度があり、授業が全て英語で行われる早稲田大学の国際教養学部に入学を決め、上京。

大学生になった私は、2ヶ月も休みがあるなんて大学生は最高じゃないかと、塾講師のバイトで貯めたお金は全て長期休みに海外でのバックパッカーに捧げました。
バックパッカーとしての生活では、ベトナムをバスで縦断したり、インドを寝台列車で横断したり、ヒッチハイクでタイを縦断したり。

ヒッチハイクでタイチャンマイに行きたい僕。

旅の途中たくさんの出会いがありましたが、最も印象に残っているのはインドで出会ったドイツ人エンジニア。

ノマドエンジニアとして世界を旅している物知りな彼と、1週間ほど一緒に過ごした影響から、ブロックチェーンやプライバシーを含む広義な意味でのWeb3.0哲学について興味を抱くようになりました。

Web3.0の聖地、ベルリンへ

その後2017年、私はベルリンにあるフンボルト大学に1年間留学をする機会がありました。当時のベルリンは「ネクスト・シリコンバレー」と呼ばれ、ブロックチェーンスタートアップやVCが集まる、世界一ホットなクリプトハブでした。

そこで私は、大学生活に励む傍ら、知り合いの会社でSolidityエンジニアとして最初のICOバブルを経験しました。(その会社はバブルの泡の一つとなりましたが)

そんなベルリンでは、思想・カルチャー・テクノロジーの祭典が行われ、まさにテクノクラブやヒッピーなカルチャーが色濃く残る街です。TOA|《Tech Open Air》Web3 SummitはベルリンのFunkHaus、元ナチス時代の国営ラジオ放送局で行われていました。極ナチズムの地を、リベラルな技術や思想の発信場所にするというのは、ドイツ流の皮肉がかなり効いてて素晴らしい。

TOA 2017年 Ethereum財団の発表 @ FunkHaus
2019年 Gavin WoodとEdward Snowdenの対談 @ FunkHaus

帰国後は、日本で二人しかいないPolkadotアンバサダーに就任。
そこから、毎月ミートアップを開催したり、東京大学ブロックチェーンイノベーション寄付講座でアプリを開発したり、時にはイベントで登壇したりなど様々な活動をしてきました。

Polkadotミートアップに駆けつけてくれたGavin Wood @ Neutrino
Forbes 30 Under 30にて登壇

新卒はIBMへ入社

大学卒業後は新卒で日本IBMに入社。エンタープライズ向けのファイナンスソフトの導入コンサルや、GDPR《EU一般データ保護規則》施行に伴うGDPRやCCPA|カリフォルニア州消費者プライバシー法の対応支援を担当しました。

そして私は、GDPR施行の中心地であるベルリンにいた経験から、日本の遅れている個人情報保護法や企業の意識を改革したいと思い、一般社団法人Privacy By Designを共同創業。企業への研修や教育コンテンツの制作、イベントなどを行いました。

Apas Port創業のきっかけ

きっかけはやはり好奇心、そして坂本龍一さんのNFT。

大学卒業から数年間、クリプト業界からは少し離れていましたが、2021年の冬に坂本龍一さんのNFTが出るということで(名曲をピアノで弾いていた程ファンでした)、Collectible|《収集可能》NFTに興味を持ち、NFTにずっぷりのめり込みました。

音符を1音ずつNFTにするというので、当時かなり話題に。運良く手に入れた私は、テレビからのインタビュー依頼が殺到しました。

ビートたけしの番組

カオスから始まったNFTプロジェクト

坂本龍一さんのNFTが話題になった頃、日本ではまだ今のようにNFTが浸透していませんでしたが、その後、海外のとあるプロジェクトが日本で話題になり、私は日本コミュニティのモデレーターとして本格的にNFT業界に参加しました。

Discordに触れるのもその時がほぼ初めてで、あの時感じたコミュニティの熱気を今でも覚えています。

世界中から40万人もの参加者が集まり、色んな言語が飛び交い、会話なんてできたところではない、まさにカオスな状態でした。

中には日本人も一定数いたので、”英語を喋れる自分がなんとかしなくては!”と、モデレーターに立候補し、選んでいただけて日本語コミュニティを作り上げました。実は、Apas Portを共同創業した代表 佐々木ともそこで出会いました。

その後、1年ほどで10個程のプロジェクトをモデレーター→コミュニティマネジャー→コラボマネジャー→Discordウィザードと様々な役職で関わり、多い時では3つくらいのプロジェクトに関わっていました。

顔も名前も知らなかった仲間とApas Portを創業

成功も失敗も見てきた経験を活かし、出会ったばかりの顔も知らない仲間とNFTプロジェクトを立ち上げたり、アドバイザーやDiscordウィザードとして支援したり、SPAMDAOというNFTを愛する者のコミュニティを立ち上げたりしました。

これら一連のプロジェクト経験や人との出会いが、Apas Port創業のきっかけになっています。
そしてそのコアにあるのはMago Mintという、ガーナのスラム街のゴミでアートを売り上げる長坂真護という芸術家のプロジェクトでした。

顔も名前も知らなかった同士で集まって立ち上げて完売させたプロジェクト。
そして同じ体験を通して同じ感動を覚えたメンバーと、スマートコントラクトが織りなす0と1しかない新しい世界に感動を届けていきたいという思いを込めて、「Web3に感動をデプロイする」をミッションにApas Portを創業しました。

Web3に感動をデプロイする

HARVEST FLOW立ち上げへの思い

Web3の課題▶︎長期的な価値の維持

これまでWeb3のたくさんのプロジェクトを経験してきて感じた課題は、資金調達後に長期的に価値を維持できないことです。

多くのWeb3プロジェクトは利益の源泉がなく、新規参入者の資金流入がビジネスモデルの基盤となってしまっています。

これではゼロサム/ネガティブサムゲームになり、上げと下げの相場サイクルを数年ごとに繰り返すWeb3市場では、多くのプロジェクトが消えてしまいます。

Web3の課題仮説

ソリューション▶︎ポジティブサムな経済圏

利益の源泉がなく、ポンジスキームであったことが課題だったのであれば、経済成長を続ける現実の世界の経済と結びつけることでポジティブサム経済圏を作る鍵になるのではないでしょうか。

そんなことを考え始めるうちに今までのバックパッカーとして世界中を回った経験とどこか繋がった気がしました。

経済成長を通して社会を良くしたい。インドやカンボジアで見たチャレンジ。

バックパッカーでインドに行った時、所持金がほぼつきそうになり、孤児院で1週間ほど過ごしたことがあります。

そこで出会った支援団体の方や、子供たちとの過ごす中で、生まれた時代や環境で今後の人生の選択肢が大きく限られてしまうという課題をなんとかしたいという思いが生まれました。

孤児院で子供たちのためにホーリー祭りを。支援団体のみなさんと

去年カンボジアに行った時にも、同じ思いを感じました。
カンボジアは1970年代のポルポト政権時代に知識人を中心に人口の1/3が虐殺されており、現在でもその爪痕は残っています。

出生証明書や銀行口座がないために、生まれながらにあたりまえであるはずの金融サービスにアクセスできず、生活の質を上げられない人がたくさんいます。

車を買うための与信があれば、家族を養うことができ、子供を学校に通わせることができるのに。

カンボジアの方達のそんな話を聞くうちに、Web3技術を使うことで今までお金が流れなかった場所に支援を集め、利用者もエンドユーザも社会も豊かになれるユースケースを創りたいと思いました。

車のローンの審査を受けるドライバーさんと。(トタン家に10人の家族と住んでいるとのこと)

HARVEST FLOWとは

世界とつながる暗号資産レンディングサービス

HARVEST FLOWロゴ

HARVEST FLOWは、世界中の事業者やエンドユーザに暗号資産を貸し出すことで、貸し手は貸借料(インカムゲイン)を得ることができ、借り手は経済成長を通して生活が豊かになるサービスです。

イメージとしては、Web2のクラウドファンディングに近いです。
暗号資産を使うことで日本だけではなく世界中から、従来金融よりも低い手数料で資金調達が可能になります。
そのため今まで資金調達ができなかったという課題を解決することができます。

名前に込められた意味

HARVESTには「収穫」、FLOWには「流れ」という意味があります。

全世界の経済成長を実りと捉えて収穫(HARVEST)し、世界中から資金が流れる(FLOW)ことで社会的、経済的な変化を生み出す新しい形の資産運用の体験を提供したいという思いが込められています。

ポジティブサム経済圏を実現する

HARVEST FLOWで得られるインカムゲインは現実の事業で挙げられる収益を利益の源泉としているため、ポジティブサムであることが大原則です。
そのため、掲載するプロジェクトは安定的な収益が得られるビジネスモデルが確立しており、万が一の時にも担保を取ることができる現実資産(Real World Asset)を活用した事業に焦点を当てています。

従来のWeb3の課題であったマネーゲームやポンジスキームであるゼロサムではなく、ポジティブサムな経済圏をHARVEST FLOWは目指していきます。

HARVEST FLOWが目指すポジティブサム経済圏

終わりに

マス層を取り込むキラーアプリになるのはRWA

先日、SusHiTechにブースを出展した際、来場者の中には暗号資産を持っている方も一定数いました。その方々に「買った後何に使っているのですか?」と尋ねると、大概は価格が上がって売ったか、数年間塩漬け状態とのこと。

投資としては「買って忘れる」というのが正しいことを市場が証明していますが、それだけでは投機目的以外のマス層がWeb3に参入するまでの道のりは長いと感じています。

そして、NFTがアート投資の文脈で多くのマス層をこの世界に引き込むことに成功したように、クラウドファンディングのような有機的な事業へのレンディングを通じて同じ現象を起こせないかと考えています。

オンチェーン上の暗号資産の使い道はお金でお金を増やすマネーゲームが主流で、現実の世の中に価値を生んでいないのではないかと指摘されていました。

近年注目されているのがRWA(Real World Asset)という現実の資産や権利をオンチェーンに持ち込む領域です。

Web2ユーザのオンボーディングにはRWAがキラーアプリになるという仮説

私はWeb2との親和性からマス層のオンボーディングにつながるキラーアプリはここから生まれてくるのではないかと考えています。

なのでHARVEST FLOWはRWA領域をNFTとレンディングという切り口でユースケースを作っていきます。

次回予告

ここまで読み進めてくださったみなさん、ありがとうございました。
第一弾の記事ということで、私の自己紹介と、Apas Port立ち上げからHARVEST FLOWに込めた思いや目指す未来について書いてみました。

次回以降はHARVEST FLOWの詳細の説明や初回のプロジェクトの紹介、イベント出展での経験などについて発信していこうと思います。

暗号資産の新たなユースケースを創出し、Web3の可能性を広げることを目指すHARVEST FLOWの今後の展開にご期待ください。

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