蟹座

愛で包む

蟹座は、蠍座、魚座と共に水のエレメントを持つ星座です。水とは感情や共感を表します。エモーショナルさ、人情の厚さみたいなものを体現しているのか、まさに蟹座さんなのです。

蟹座の支配星は月ですが、月は安心、愛着、くつろぎ、住まいなどを表します。とはいえ、家庭的などと言われると、ピンとこない蟹座さんも少なくないのではないかと思います。蟹座さんの愛は身近な人たちを守り、育むために行使されますが、それが家庭という枠のみに囚われたり、家事が上手というところだけを意味したりするとなると、それはあまりにも狭すぎる定義だと言わざるを得ないからです。身近な人たちと情緒的な心の通う関わりを作り出すこと。その環境を守り、育むこと。つまり、生きる上で基盤となるような安心感を生み出せることこそが、蟹座さんの秀でた能力なのです。

蟹は頑丈な甲羅を持っています。蟹座さんは自分にとって大切な人たちを「甲羅」の中に引き入れ、守り、ケアするところがあります。これがいわゆる、身内びいきや排他性として語られやすい点なのだと思います。けれど、蟹座さんは経験を積む中で、その甲羅をぐんぐん大きく育て、地球を包むほどにまで大きくしてしまうことだってできるのです。世界を「私ごと」にできたときの蟹座さんの慈愛の深さは、途方もなく大きいのです。

非常にパワフルで行動力のある方が多いのですが、時に誰にも話さずに思い切った行動に出ることがあります。「誰にも相談せずに仕事を辞めた！」みたいなエピソードは、蟹座さんの身近にいる人ならば聞いたことがあるのではないかと思います。それでもそこまでに、蟹の殻の中ではたくさんの感情がぐわんぐわんと動いているのだと思います。愛する人たちと、彼らとの生活について、たくさんたくさん心を使っているのです。それがある日突然、思い切りの良い動きとして可視化されているだけのことなのです。そういう意味で、蟹座さんは決して自分勝手な人たちではありません。

また、蟹座さんは模倣を得意とします。何かを習得するとき、誰かの、何かのマネをしながら学ぶようなところがあるのです。そのためいわゆる「モノマネ」が上手な人も少なくなさそう。また、記憶力がとてもいいこと、過去から学ぶところも蟹座さんらしさなのだと思います。蟹座の作家や脚本家に歴史モノを描くのが上手な人が多いのも、そんな理由があるのかなと時折思うのです。

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