また何処かで

アンビエントミュージックやノイズミュージックが好きだ。
Low-key dub infectionは僕のソロ名義で、音楽をより非音楽的に表現したくて始めた。
なんとなく、求められるものを作っている感覚が嫌で、バンドとしてのパッケージングを辞めた。
もっと抜本的な、音楽を聴くときの感情を取り出すことと、僕の脳内をそのまま焼き回せるコンテンツが、その頃の僕には必要だったのだと思う。
友人には「本当に音楽が大好きだから出来ること」と言われて、自分では気付かなかったことを思い知らされた。
音楽から逃げたかったはずなのに、知らず知らずのうちに意味を解体する努力が快感になっていた。

「色のない夢をみよう 忘れてもいいように」という詩を書いたことがある。
徐々に色褪せる思い出ならば最初から色なんてなければいいと思っていたが、別れは色濃く焼き付いてしまう。
ほんの少し人よりも感情を受け取る力が強いだけで、心臓は小さくなって寝床を狭くする。
生き辛さは心の隅で黒く硬化して、足取りを重くするようで、帰る場所なんてなかったかのように思わせる。
誰かに縋る訳にもいかずに、ただ自分の黒い塊に執着・依存することで、また独りになっていくことに気付かないから愚直で惨めなんだろうな。
jammedはそういった生き辛さを心につっかえた人に届いて欲しい。
空っぽにもなれない僕と誰かのための歌でいい。

別れがくる。
飲めないくせに酒が欲しくなる。
ただ自分を健やかにすることに専念するよ。
また。

良い夜を。

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