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正木諧 (datkids)
2023年4月28日 19:46
肉を焼く音が喧騒に掻き消される。その時、俺は珍しくへべれけに酔い、そいつと一緒に自らの手の甲に煙草を押し当てていた。何の生産性もないそのチキンレースに白旗を揚げたそいつは、ぬるくなったビールを一気に流し込んだ。何によって生まれたかわからない笑い。痛みは想像より少なかった。翌日目が覚めると、擦れて肉が剥げたのか、ジーンズのポケットは赤黒く染まっていた。そいつとの関係は痴情のもつれで終