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わかりやすくビオワインについてまとめてみました。

今や普通に見かけるようになった
ビオワイン、オーガニックワイン、自然派などといったワイン。
しかし「ビオ」と一言にいっても色んな農法やワインがあり、
色んな意味が混在しているので、今回さくっとまとめてみました。


「自然派農法に関する呼称」

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現在多く使われている農法は大きく分けて3つに分かれており、
下図を見て頂ければ、関係性は一目瞭然です。

オーガニック図


以下、それぞれの特徴となります。

・リュットレゾネ/サステーナブル
(減農薬栽培)ー化学肥料や農薬、除草剤などを極力使用しない農法のことで、減農薬栽培を意味するフランス語だ。サステーナブルは英語。
農薬の使用は、顕著な被害が発生したときなどに限られており、使用頻度や容量等はあくまで生産者に委ねられる。特別な決まりはない。

・オーガニック/ビオロジック(有機農法)ー農薬や除草剤、化学肥料や添加物などを“一切使わない農法のこと。
日本で「有機」といわれる農法。

・ビオディナミ/バイオダイナミックー決められた有機肥料を使う+占星術などによる暦を使って栽培する農法のこと。
水晶の粉やカモミールの花を使用したり、肥料の加工の仕方、撒く時期にいたるまで細かく決まりがあり、ビオロジックよりもさらにストイックなルールに従って栽培されるイメージ。


「溢れすぎているビオ系の言葉」

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あくまで一般論的な視点での解説なので使う人によっては意味に差が出てくるので参考までに。

・ビオワインー明確にビオロジックなのかビオディナミなのかの区別がない。有機農法で造られたワイン全般。
・ヴァンナチュールー自然のもつ生命力を利用して造られたワイン全般を指す。特定の農法や規定を守っているということではないので、生産者の思想基準によるもので曖昧。
・オーガニック/有機ー化学肥料を使わない農法のこと全般を指す。有機もほぼ同意義で使われることが多い。無農薬などと同じような意義で使われているが必ずしもそれを指すものではない。


「ビオワインの特徴」

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・ビオワインの昔と今の違い
少し前だと自然派ワインが珍しくもあり、普通のワインとの差をわかりやすくするために、還元臭という硫黄のような香りがしたり、沈殿物を取り除かない濁りがあるワインが扱われがちだったために、
クセのあるワインとして敬遠され、もしくはそのクセを好むビオ信者にしかうけていない印象でした。
しかし、今では特徴的な要素が減ったものも多く出回りはじめ、
通常のワインをと香りや見た目で変わらないものが増え、
有機=健康のイメージから一般的にも多く好まれるようになりました。


「ビオワイン神話:二日酔いにならないは本当か」

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結論から言うとNo。
通常のワインを醸造する際に加えられる、添加物、よく言われるのがSO2、いわゆる二酸化硫黄とか亜硫酸塩といわれるもの。
自然派ワインだと規定などにより、この添加物が普通のワインに比べて少ないと言われており、
そしてそれらの添加物が頭痛をもたらす原因だと言われてきたゆえに、
「悪酔いしない、頭痛がしにくい」と考えられているが
決定的な根拠はなく、有機のワインでも飲み過ぎれば頭痛も起きるし、
二日酔いになります。

「各国のビオマーク」

ワインのラベルに印刷されている様々なビオマーク一覧です。

エコセール(フランス)

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フランス農務省のオーガニック認定機関。権威ある国際有機認定機関です。
二酸化硫黄の含有率やラベル表示に加え、農薬や肥料、土壌検査など、細部に及ぶ厳しい検査項目が定められている。
有機農法5年以上続けていることも条件としてある。

AB(フランス)

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Agriculture Biologique:有機農法の頭文字をとったもの。
原材料の95%以上が農薬や化学肥料、添加物を一切用いずにつくられ、EU圏内で生産・加工されたことが条件。
さらに最低3年以上のオーガニック農法を続けていないといけない。

ユーロリーフ(EU)

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EU欧州委員会の有機農業規定に乗っ取って生産されたオーガニック食品に表示される認証マーク。
二酸化硫黄の使用上限、その他醸造方法、使用許可物質、使用量が細かく設定され、ソルビン酸と硫黄化合物の除去用の物質は
原材料の栽培地やコード番号などが記載。2012年以降、各国独自の有機認証マークに替わって使用されるようになった。

そのほかオーガニックワインと認められるためのワインの醸造に関しては、醸造方法、使用許可物質、使用量などがかなり細かく設定されている。
ソルビン酸や硫黄臭除去のための金属系イオンの添加は禁止。

USDA(アメリカ)

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アメリカ農務省のオーガニック機関。
USDAの認証を受けたワインについては、ぶどう栽培とワイン醸造の両面において、化学肥料を用いないなどの細かい規定 をクリアしている。

デメテール(ドイツ)

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ビオディナミ農法によってつくられたぶどうを使用していることを認証している。他のものと違いビオディナミのみが認められている。


「まとめ」

このとおり、ビオ、自然派、オーガニックなど、日本で使われている言葉はどれを指すのか曖昧なものが多いです。
年々、増えているこういったワインは、普通のワインと比べて細かな規定はあるものの、他のワインより、美味しい、優れているということにはならないと考えています。
規定を守ることにより理想のワインが造れないという事で、あえて名乗らないようにする生産者もいます。
ただ、どういったワインを扱うにせよ、説明する側としてはふわっとした内容ではなくできる限りしっかりと理解すべきです。
一部でもそのご参考になれば幸いです。


こちらではより簡単なわかりやすい記事を書いています。
ご愛読いただければ幸いです。

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