県外人が沖縄県知事選で思ったこと
辺野古を作らずに普天間の危険性を除去する。
これが理想だし日本人なら皆んなそう願ってる。それは当然のこと。
ただ交渉ごとには相手がいる。そしてそれは簡単には動かないことは、沖縄返還後の歴史が程証明している。
◆交渉として成立し得る内容があるか。
戦後の沖縄は、アメリカにとっては戦利品だった。今の北方領土と同等だ。
その後、様々な条件下で沖縄は返還に至ったが、我々が望むような基地のない沖縄は、残念ながらその条件からは漏れ、今なおその状態は続いている。
そんな中で出てきた辺野古移設案。確かに辺野古は万能な解決策でない。基地の数もプラマイゼロ。海も埋め立てられる。しかし唯一、普天間の危険性が除去は達成されることになる。
が、今回の選挙結果はこれを否定した。つまり、また別の解決策に道を求めたことになる。(はたまた、実は普天間という問題提起そのものが否定された...?いや、それはないか)
いずれにせよ、玉城新知事がその辺りで妙案を持ってるのであれば大歓迎だ。ぜひ敏腕を振るって歴史を変えて欲しいと思う。
一方もし仮に、ただ単に辺野古反対を唱えるだけで、従来通りアメリカと言わば体当たり的な交渉を臨むだけとなると、残念ながら膠着状態の継続しかない。なぜなら、その結果はすでに過去が証明しているからだ。それは粘りとか気持ちの問題ではなく、単に、相手にとって利のない話は交渉として成立しないということだ。
ぜひ前者であることを期待したい。
◆国家単位の基地問題で、地方政治が出来ること。
さて、この国単位の問題で、冷静に、地方政治が出来ることは何かと考えてみた。
先の通り、沖縄によほどの妙案がない限り、アメリカが沖縄の要求を呑むことはない。
となると、目の前の課題をちょっとずつ動かすこと、になるのかなと思う。(この問題に限っては、ひょっとしたら政府も同じなのかもしれないが)
それ故、辺野古という策が浮上し、沖縄も一旦は了承したのではないか。という想像。現にアメリカもまぁそれならと、重い腰を上げつつあった昨今ではないだろうか。
普天間の除去という成果を上げながらも、地政学的にも米軍の強度は維持される。
両者の要求を満たした一つの例だろう。
交渉とはつまり、このようなことだ。
基地そのものの全廃には確かに程遠いが、目の前の課題をちょっとずつ動かすという地方政治が果たせる役割を満たした策ではあると思う。
このように、現実的な、相手も首を縦に触れるような策を見つけていきたい。
そしてもう一つ、その過程で沖縄には、ぜひとも様々な果実をもぎ取って欲しい、とも思う。
他の46都道府県にはない負担を負っているのだ。他の県政課題解決の道具にしたところで、バチは当たるはずもないだろう。これらを満たすなら妥協してやらなくもないよ。ちょっと乱暴な言い方だけど、それぐらいの気持ちで上手いことこの状況を使って欲しい。
破れた佐喜間さんは普天間にディズニーと言っていたようだが、企業誘致も良し、子育て、医療、介護、観光などのテコ入れ協力要請するも良し。そこも強かにやって貰えたらと思う。それを受け取るぐらいの大きな価値を提供しているのだから。
◆辺野古に代わる案を生み出せるか。
決して沖縄だけに任せるという意味ではないが、先の辺野古に代わるものを出すことが、次の沖縄県知事に託された期待だ。政府や他の地方との会話でそれを生み出せるか、はたまた既に持っているのか。それにアメリカは同意できるのか。その道筋は、報道を見る限りはまだ見えないが、沖縄の民意は一先ず玉城さんを指名した。先ずは応援したい。
そして、少しずつでもこの問題が好転することを祈りたい。
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