masakishimada

毎日、暮らしているなかで出会うひとや出来事について、書いて残したいものの記録です。触れ…

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毎日、暮らしているなかで出会うひとや出来事について、書いて残したいものの記録です。触れ合いから感じたよろこびを言葉にできたら。ちいさなお菓子を味わうように、いちにちのどこかで読んでいただけましたら。

最近の記事

彼への手紙と彼からの

幼稚園のちびちゃんのともだちが家に遊びに来ました。女の子のお母さんとふたりの弟もいっしょに。ともだちが家に来たのははじめて。 ちびちゃんはせっせとおもてなしをしたようです。 翌朝、ちびちゃんは女の子に手紙を書きました。 楽しかったということ、また遊びに来てねという気持ちを伝えるものです。 ともだちが持ってきてくれた、リンゴのように大きなプラムの絵が描いてありました。 さて、ぼくがともだちに手紙を書いたのはいつだろう、と思い巡らせると、高校1年生の頃を思い出しました。 同じク

    • たくさんあるなかからふたつ

      暑い暑いと、会う人みんなが口にしています。 ほんとに、眩しくて暑い日々。 毎日、ちびちゃんは帰り道のあがたの森公園を流れる川に入って水遊びをしています。 川の水はひんやりと冷たいので大人も足をつけて。 ところで、毎日何かを選んでいますね、ぼくたちは。着るもの、食べるもの、話すときには言葉を選びます。 意識的に行うこともあれば、無意識に選ぶこともあるでしょう。 日々、当たり前のようにやっているので、楽しさや喜び、といったものを感じなくなっていることがあるのだなあと気がついたの

      • 時を刻むぼくたちはいのち

        雨の金曜日です。 ちびちゃんが帰ってきました。 きのう、幼稚園のキャンプで安曇野へ行っていたのです。 ちびちゃんのいない夜、家の中は静かすぎて、落ち着きませんでした。ああ、すぐにこんな時間が当たり前になるのだろうなと思うと、この毎日が宝物に思える、そんな夜、妻が眠りについてから、ずっと観たいのに観ていなかった映画を観たのでした。 では、マイク・ミルズの「カモンカモン」のこと。 生きている時間はいつも未来に向かって進んでいます。 きょうはきのうに、あしたはきょうに。 時間は

        • 欲しいけれど

          1年でいちばん賑わうクラフトフェアが終わり、6月の松本は静かな日が続いています。 お店の梅の木を剪定した際、たくさん梅が採れたのでいただきました。 梅仕事ですね。 庭ではミニトマトが赤くなってきて、パプリカが膨らみ、あちこちから紫蘇が芽を出しています。 毎日、仕事から帰り、ひとまわり庭を見るのが楽しみ。 庭って、なかなか代わりのない空間です。 大きな自然とは別の、安心をくれる特別な場所。 鈴木るみこさんという方の文章がすきです。 ぼくがよく読んだのは、クウネルという雑誌の特

        彼への手紙と彼からの

          はやく大人になりたかったんだね

          フェリクス・ホフマン展が八ヶ岳のちいさな絵本美術館でやっています。 松本とは気候が違い、今が新緑といった感じでした。深く、空気を吸い込んで、気持ちよかった。 「七わのからす」を古書店でみつけてから、ホフマンの絵の世界に惹かれていました。 1冊1冊の絵本が、子どもや孫のために作られたものであることは知っていましたが、実際に、手作りされたものを見ると、受け取るものが違いますね。 ホフマンが持っている芸術的なエネルギーをいっぱいに丁寧に詰め込んだ仕事であることがわかります。言葉を変

          はやく大人になりたかったんだね

          まだ、ぼくはしたことがない

          大学生活と卒業後の2年間を暮した町の駅付近は、夜になると通りに男の人が点々と立ち、道行く人に声をかける、夜のお店がたくさん立ち並ぶところでした。 その頃のぼくは毎日、新しく作る舞台のことで頭がいっぱい。台本を書き、それを演出するのがぼくの役目でした。 深夜のファミリーレストランで朝まで書いていたことがよくあります。 お仕事の女の人とそのお客である男の人がやってきて、近くの席に座ると書くどころではなく、ふたりの会話に聞き耳を立てていました。 なぜそんな話題になったのか、突然、

          まだ、ぼくはしたことがない

          抱きつくちびちゃん、おかえりなさい

          今朝、お店の外を掃き掃除していると、2件隣の蕎麦屋さんが半袖シャツで通り過ぎました。 半袖? 暑くて、急にだよね。 本当に、急に暖かくなりました。 春休みのちいさな冒険に出かけたふたり。 ちびちゃんと妻がじいじとばあばの家に泊まっている間、ぼくはひとりで過ごしておりました。 静かな家、本を読んだり、文章を書いたり、食事の用意をしたり、洗濯した服をたたんだり、やることはまあ、ありました。退屈もしませんでしたが、いつもと違うことになかなか慣れないのでした。 いつもだったら布団

          抱きつくちびちゃん、おかえりなさい

          はじめての仙台からの帰り道

          新幹線に乗っています。 出張先の仙台から帰っているところ。 展示会ではお越しくださった沢山の方とお話しすることができました。 家具を前に、ほとんどの方があの震災のことを話されます。最近、地震が頻繁に起こっていることについても。 背の高いものは置かなくなったね。 倒れたときのことを考えるよね、これなら倒れても平気かなって。 家具のお取り扱い、お手入れについてお話しをすると、大丈夫よというように頷き、おっしゃる方もいました。 ひとが使うんだから、いいのよ、キズがついたって

          はじめての仙台からの帰り道

          大切な時をつくりましょう

          年中のちびちゃんたちが卒園する年長の子たちへの贈り物として創った音楽劇を観るため、妻とふたり、幼稚園へ行ってきました。 それぞれの子のそれぞれの表現が見られて、幸せな気持ちでいっぱいになりました。 寄り添うように弾く先生のピアノの音がやさしくて、温かい毛布で包まれたような時間でした。 なんかいいなあ、こういうのがよかったなあ、とじぶんの子どもの頃を少しばかり思い返しました。 せっかくなのでいつもとは違うことを。 終わった後は歩いてすぐの美術館のカフェに3人で行きました。うれ

          大切な時をつくりましょう

          質問に答えるということ

          木曜日の夜から降りはじめた雪は、翌朝ちびちゃんと家を出る頃にはやみました。 朝からせっせと雪かき、皆さんそれぞれの家の周りを手際よくやるので、どんな細い道もちゃんと歩きやすいようになっています。 本当に、雪が好きなちびちゃん。 ぱかーんとなにか蓋が開いたように弾けまわり、雪と戯れています。 さて、先日、静岡から中学生6名がお店に来てくれました。 伝統を受け継ぎ、仕事を続けている会社を訪問し、インタビューをする、というのが目的です。 ぼくがお相手することになり、会社のはじ

          質問に答えるということ

          今日も孫に思い出される

          はじめてコーヒー飲んだのって、いつ。 朝食のテーブルで妻から言われ、思い出したのはどこかの喫茶店、ちいさな四角いテーブルの向かいにはじいちゃんがいる。 運ばれてきた白いお皿には、目玉焼とベーコンとホットケーキ。おやつでしか食べたことのないものを朝食として食べるって、道を外れた行為、という感じがして、心が踊った。 生きてる限りは楽しまなくっちゃ、といった言葉を聞いたわけではないけれど、思い返すと、じいちゃんは自身の人生をそんなふうに彩ろうとしていた。 時に、その行動は目茶苦茶

          今日も孫に思い出される

          やわらかくて温かい、傍にあるもの

          「かえでがおか農場のなかまたち」 という1冊の絵本がある。 作ったのはアリスとマーティンという名のプロヴェンセン夫妻。 彼らには農場があり、そこで暮らす生き物たちについて書かれている。 たとえば、オスヤギのサムにはこわいものがなにひとつなく、ときどき柵を壊して人間を怒らせる。 なぜ、ひとがそれを嫌がるのかといえば、もう一度柵を作り直さなければいけないし、バラを食べられてしまうから、花もトゲも、ぜんぶ。 サムにはともだちがいて、それはヒツジのメエ。毛を刈られるときには恐怖で

          やわらかくて温かい、傍にあるもの

          きのうの公園

          先日、あがたの森公園の図書館でちびちゃんと絵本を借りてきました。 以前持っていたことがある本ですが、群馬から藤野へ引っ越す時に手放したものです。 ちびちゃんは読んだことがありませんでした。 トミー・ウンゲラー「ゼラルダと人喰い鬼」 料理好きのちびちゃんはゼラルダの作る料理を見るのも楽しいようだし、子どもを食べるのが好きな人喰い鬼という存在も興味深いみたい。 もちろん、ぼくは何度も読んでいるのでその本の良さを知っているつもりでしたが、ちびちゃんはどんな話か、はじまりから終わりま

          きのうの公園

          ほんのちょっとずつ違うわたしに

          アルプスの山々は白く、凍ったあがたの森公園の池を見ながら、ちびちゃんと歩く朝の道。 じぶんで歩くよりぼくに抱っこされている方が寒くないようで、抱っこ、と手を広げます。 ぼくの方もちびちゃんを抱っこした方が寒くないので抱っこします。 でも、重くなりました。 いつまでできるのかなあ。 昨日の朝、抱っこして歩いていると、しゃっくりをはじめたちびちゃん。 しゃっくりだ、と言うと、 しゃっくりんだよ、とちびちゃん。 しゃっくりん、ていうのかー、チャップリンみたいだね。 チャップリンて

          ほんのちょっとずつ違うわたしに

          眠ることよりしたいことって、ありますか

          朝、窓を開けると視界に白いちらちらしたものがいくつも見えたので、目が変になってると思ったら、それは雪でした。 あんまりゆっくり落ちてくるので、すぐに雪とは思わなかったのです。 さて、以前も書いたことのある87歳の設計士、Eさんについて。 お客さんからオーダー家具のご相談をいただく度、真っ先に本社にいるEさんのところへ向かいます。 サイズのこと、便利な仕様について、豊富な経験と深い知識から、鋭い答えをすぱっすぱっとくれるので、尊敬せずにはいられません。 物腰はやわらかく、決

          眠ることよりしたいことって、ありますか

          はじまりをみつけた日

          島根県にある10代続く鍛冶屋さんが、毎年ついた御餅をお店に送ってくれます。白くてぺったん丸いやつ。 それをお雑煮にして、3人でいただきました。 山の向こうから昇ってきたおひさまを初日の出だねと、見ました。 歩いてすぐの神社まで、散歩しようと話していたけれど風が冷たくてやめました。 荷造りをして妻の実家へ。 途中渋滞したところが藤野のあたりだったので、窓の向こうの日蓮大橋を見ながら、そこで暮らした日々を思い出しました。 みんなで囲む食事が楽しくて食べすぎちゃったり、じいじにまと

          はじまりをみつけた日