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Drive!! #176 ボート X 小説

「やっぱ、どっかで違うなーって思うんかな」
とか言ってる間に、もう半年ちょっとで引退やけど。と細川さんは付け加えた。

新年最初のエンジョイローイングを見ながら、細川さんが「こうやって遊びで漕いでる分にはいいんやけどなぁ」という言葉に自分の心も反応してしまう。

そんなの考えたって仕方ない。と割り切れる時と、「なんでわざわざこんなしんどいことを?」と自分を疑うことをここ数ヶ月は繰り返しているような気がする。

それは、俺が自分で自分を取るに足りない選手だと思っているからだと思っていた。でもそれはちょっと違うようで、細川さんのような部活の中心的な存在になっても同じようだった。

迷いながらそこにいる。熱狂してなくてもそこにいる。

細川さんをみているとそんなのもありなのかなと思えてくる。この人はいつもおどけているようで、内心は意外と暗いというか、一度考え出すとなかなか割り切れずに、何度も何度も同じところを考えて回っているような気がする。

今日は天気も良好で、レクリエーション的なレースではあるが、上着を着たまま漕いでいる人はほとんどいなかった。

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