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Drive!! #175 ボート X 小説
新年1発目の練習は、エンジョイローイングと言ってマネージャーやCOX、コーチも交えてチーム対抗戦を行う。
練習が始まる前に、細川さんは約束の練習ノートを手渡してくれた。
「これ、こないだ言ってた続き持ってきたで」
なんとなく役に立ってるみたいでよかったわ。と付け加えた。
細川さんの記録は全部で大学ノート8冊分あった。今9冊目を書きながら練習しているという。後でゆっくり読むことにしよう。
今日の部内レースでは、全部で8艇のフォアのチームが組まれた。4艇ずつ並べて予選となる2レースが行われる。俺と細川さんは後半の組だったので、船台付近のコース沿いに腰掛けて、前半の組のレースを見守っていた。
遠巻きからでも、みんな笑顔で漕いでいるのがわかる。
「こうやって、遊びで漕いでる分にはええんやけどなぁ」
まあ、そんなん言ったら元も子もないけど。と細川さんは付け加える。
確かにそうだ。大袈裟に言って仕舞えば、人生をちょっとでも良くするために漕いでいる。わざわざ人生を転落させようと思って漕いでいる人はいない。少なくとも俺はそんな癖の強い思考でボート部に入ったわけではない。
でもしんどい思いをして、その先の何かを探していた。
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