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Drive!! #173 ボート X 小説

細川さんのノート 一回生の11月9日
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アイデア
新人戦の日に自分はエルゴで2000mに挑戦しようと思う。練習メニューとは別に勝手にやろう。2週間後、自分の成長を確認するのだ。
7"00を一気に切ってみたい。そのために何ができるか、考えよう。

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細川さんのノートの3分の1ほどを読んでみた。
確かに今のイメージとは違って、鬱々として、耐えている日々がそこには残っていた。

俺も自分の世界にまずは集中したいと思う。もう消灯時間だ。上の段で瀧野は寝息を立てている。もし許されるならこの1冊だけでなく、続きのノートも読んでみたいと思った。

もうやめようと考えていた細川さんは、結局練習に集中することでその壁をぶち破るというより、壁を受け入れて戦っているような気がした。断片的なノートの言葉では、当時の出来事や心境の全ては把握できない。もちろん書いた細川さん本人の主観もふんだんに含まれているだろう。

でも今の自分のように、好きで始めたボートのことで真剣に悩んで乗り越えた姿が書いてあることに、勇気づけられた気がした。

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