人生100年時代のキャリア戦略③-3 ~ 【仕事の選択基準②】「Can」→「Want」 ~
まずは前回のおさらいですが、
【仕事の選択基準①】として
「Should」 ではなく 「Want」 を軸に考える
というテーマでお話させていただきました。
そして今回は 【仕事の選択基準②】 として
「Can」 でもなく 「Want」 を軸に考える
というテーマでお話したいと思います。
今回のテーマは一見地味なんですけど、多くの人が陥りがちと言いますか、
「それって普通のアプローチだよね?」
と感じるものなので見過ごされがちな問題です。
でも、本文中に出てくる、ライフシフトを体現されているある方も仰っているとおり、非常な大事な視点だと私は思っていますので、その意味するところをお伝えしたいと思います。
【仕事の選択基準②】 「Can」でもなく「Want」を軸に考える
前回から続けてもう1点、「Should」「Want」「Can」の視点における仕事の選択基準で注意すべきポイントを補足しますと、
「今の自分にできること(Can)」を軸にして考えない
という視点があります。
これもかなり注意しないといけないのですが、
まずはこれまでに培った「できること(Can)」を棚卸して
その「できること(Can)」を軸にこれからの仕事を考えましょう
という
「Can」を仕事の選択基準とするアプローチ
が提唱されることもよくあります。
これは企業が行う「シニア社員向け定年前研修」などでよく聞く話でもありますので、特に違和感がない方も多いのではないでしょうか。
ただ、このアプローチは「短期的に食べていくための現実的なプラン」としては適切だと思いますが、
「できること(Can)」というのは、必ずしも「価値観と合うもの」とは限らないため、長期的な視点でのライフシフト的キャリア観としては必ずしも適切とは言えません。
たとえば
自分の価値観に合わなくて本当はやりたくなかったけど
会社からの指示には従わざるを得ず
職務としてやり続けているうちに結果的に得意になった
という、そんな「できること(Can)」がある人も多いのではないでしょうか。
そんな
「本当はやりたくないけど、できること」
を軸に「これからの仕事」を決めてしまうと、
結果として「しんどい仕事」をやり続ける
という結果を生みますので、途中で挫折する可能性も高まります。
この点について、1人キャンプYouTuberとしてライフシフトの「王道」を突き進まれているお芸人のヒロシさんも、著書「働き方1.9」の中でこのような述べられています。
好きなことをして生きていくという話をすると、「私はこれが特技だから、この達人だから、これを仕事にしてみたい」という人がいる。
しかし、得意なものと好きなものとが一致しないことも多い。本当は好きでもないのに、周囲からそれが得意だと評価された仕事を続けることはキツイものだ。
いくら得意だと思うことでも、好きでなければ、挫折や伸び悩みで脱落してしまう。得意であることだけがモチベーションなのだとすれば、得意でなくなれば、容易に挫けてしまうのだ。
また、誤解していただきたくないのは、「得意なこと」 「できること」 を捨てましょう、ということではありません。それはそれで、強力な「リソース」になります。
「Want軸」から何か好きなこと、やりたいことが見えてきたときに、そのリソースを活かすことができれば、実現のスピードがあがったり、質が高まったりします。
例えばスターバックスのハワード・シュルツさんは、
「人を大切にする場を作りたい」 という 「やりたいこと」
と
「カフェ経営」「ゼロックス社などで培ったビジネスパーソンとしての能力」という「得意なこと」
を掛け合わせることで「サードプレイス」や「従業員を大切にする会社」としてスターバックスを発展させたとも言えます。
このような感じで、
得意なこと(リソース)はそれはそれで大切にしつつ
「どうすれば”やりたいこと”とうまく組み合わせることができるか?」ということを考え続ける
そういう姿勢が大切になってくるのではないかと思っています。
以上、「Should」 「Can」 「Want」についていろいろとお話してきましたが、「人生100年時代の仕事の選択基準」について改めて申し上げますと、
主たる選択基準にすべきはあくまで「(自分の価値観に基づく)Want」であり、「Should」や「Can」はその次に考える従属要素である
ということを心に留めておいていただければと思います。
ということで今回は、【仕事の選択基準②】として
「Can」 でもなく 「Want」 を軸に考える
というテーマでお話させていただきました。
そして次回は、仕事ではなく 【学びの選択基準】 として
「とりあえず〇〇」からの脱却
というテーマでお話したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
******************************
【ホームページはこちら】
******************************
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?