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はじめてお店をはじめてみる。

突然ですが、お店はじめました🛒その名も、New Stand Tokyo。7月28日、六本木7-2-8にオープンというなんだかナニワだらけな開店ですが、特に関西は関係なく、どっちかというとNew Yorkをルーツとしています。

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New Standってなに?

本国アメリカのNew Standは、NYで生まれたリテールスタートアップ。もともとは老朽化し始めていた地下鉄のnews stand(新聞売店)をアップデートして生まれ変われせようというアイデアから生まれました。一号店は本当のnews standをレノベーションしてUnion Square駅でスタートし、今では全米に40店舗以上に。NYフェリーや空港にも入っていたりします。

ここのCEOをやっているAndrew Deitchmanとは、New IncというNew Museumが主導するインキュベーターのメンターをしていた時に知り合いました。そしてお互いにクリエイティブエージェンシー出身だったこともありすぐに意気投合したのでした。(彼はMother NYの初代社長なんで、並べて語るのもおこがましいのですがw)当時からNew Standのコンセプトや、コミュニティを巻き込むカルチャーの作り方がとても素晴らしく、過去にも一緒にプロトタイプを作ったりと、これまでも何かと応援し合うような仲でした。

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なんでいきなりお店はじめたの?

そして月日は流れ、昨年六本木にWTFCWhateverで一緒にWHEREVERというコワーキングビルをオープンしたとき、1Fをどうしようか?という話が持ち上がりました。せっかく六本木というアートや日本&世界の文化が集積した立地なのだから、なにか街に開けた場所・直接コンシューマーと繋がれるような場所にしたいよね、と。するとすぐに思いつくのが、ギャラリーやショップだったのですが、自分たちの名前を冠してDIYでやるのは簡単だけどあんまりスケールしないし、そもそも素人の僕らだけでちゃんと継続するものを作り上げるのは難しいと感じました。そこで真っ先に思い出したのが前述のNew Stand。まだアメリカでしか展開していないNew Standの東京店をオープンできたら、彼らの持っているお店運営の最先端のノウハウやスキルを借りられるし、自然と東京⇄New Yorkの両方でお互いまだ観たことないような商品をキュレーションして紹介しあえるから、新しいワクワクを提案するようなお店を作るにはベストなのではと考えたのです。

それでAndrewに打診して、ダメもとで交渉をしてみたところ、「最高じゃん!僕らも日本のプロダクトは大好きだし、Masaのチームがやってくれるなら安心だからやろうぜ!」と予想外の超ポジティブリアクション。そこですぐにNYに飛んで(そんなことができた時代が懐かしい...)、COOのLexを含めたチームとミーティングを重ねた結果、日本及びアジアのNew Standビジネスを任せてもらえることになり、さらにはWhateverがNew Standグループのcreative technology partnerとして、今後彼らの様々なリテールイノベーション事業のサポートをさせてもらえることとなりました。正直こんなトントン拍子で話が進むとは思っていなかったので、お店なんかやったことないしどうすんだよ!?と、正直うれションとびびりションの混成ションが漏れっぱなしだったのを覚えています💦

お店づくりって大変...

しかし、そこからが大変でした。お店なんか作ったことないから、作りながら様々な課題が噴出しつづける一年でした。このお店づくりの過程を細かく記述していくと大長編になってしまうので、今は一旦端折ります(空間デザイン、什器制作、商品キュレーション、運営オペレーション、仕入れ交渉、サイト制作、EC制作...話したいことはたくさんあるけれど、書き始めたらキリがない...)。

基本的な考え方としては、本国New Standのブランディングや世界観は踏襲しつつ、全く同じことをやっても面白くないし、必ずしも日本の市場にフィットしないかもしれないと考え、New Stand Tokyoのコンセプトを定義し直すことにしました。僕らはnews standからきたNew Standを、改めてNew Standardの略であると捉え直し、次の当たり前になるような「次代性」のある商品を紹介していく「未来の日用品店」になろうということをコンセプトとしました。東京には、オシャレなものを扱うセレクトショップがたくさん存在するので、それらと差別化する意味でも、もう少しコンセプトやストーリーを重視したキュレーションをしようと決めたのです。

今僕たちはコロナウィルスの影響によって、外出までもが制限されてしまうような、少し前には想像もつかなかった日常を体験しています。これまで当たり前だと思っていたライフスタイルがめまぐるしく変化していく。そんな新しい現実を生きていくなかで、次のスタンダードになっていくようなプロダクトや、それを販売するリテール・スペースってどんなものなのだろう?それを今問うことにはとても意味がある気がするし、コロナに限らず、そうした未来の生活をみんなと一緒に考えていける場所にしたいと考えています。

「未来の日用品」って例えばどんな商品よ?

僕らが集めている商品は大きく三つの島にカテゴライズしています。

・作り方がエシカル・サステイナブルな商品:

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NYのブランドSOMAのウォーターボトル。素材や環境へこだわっていて、農薬なしで育つバンブーや再生可能な素材を使用しています。またその売上の一部は、安全な飲み水を飲む事ができない発展途上国の人々への資金提供プロジェクトへと寄付される。「未来の日用品」というと、ついテックものを想起してしまいますが、僕らはテクノロジーに関わらず、次の時代のスタンダードになりそう/なって欲しい作り方をしている、こういったアナログな商品もドンドン見つけて取り扱っていきたいと思っています。

・新しい楽しみを日常に与えてくれる商品:

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CotodamaのLyric Speaker Canvas。再生する音楽の歌詞を自動的に取得して、音楽に合わせて歌詞のアニメーションを表示してくれるスピーカーです。こちらはWhateverで開発に関わっているいわば自社開発商品になります。せっかくさまざまなクリエイティブが集まるWHEREVERというコワーキングビルに店舗を構えているので、そのメンバーによって生み出された新しい商品も、New Standでドンドン紹介していきたいと考えています。

・様々なソーシャル・イシューを解決しようとしている商品:

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お店の中で僕らが一番力を入れているのがFemtech(Female Technology)関連商品です。これからの時代に、女性がより自由に生きていけるために作られた様々なテックプロダクトの総称がFemtech。それらを一堂に展示販売するために、ショップインショップの形で日本初の路面店Femtech Storeを、Fermataチームがつくってくれました✨多分ここまでまとめてFemtechプロダクトに触れられるお店は日本初じゃないか?と思うので、ぜひ多くの人にご覧になっていただきたいです。またFermataのメンバーがお店に常駐してくれているので、かなり詳しい話も聞くことができますし、日本未発売の商品も先行でご覧いただけたり、予約販売もしていく予定です!

このFemtechに限らず、何か社会的課題を解決しようと開発されたプロダクトたちは、今後ももっと紹介していきたいと考えています。

まだスタートラインに立っただけ。

お店がオープンして、とても嬉しいのですが、実はまだ最初の器ができただけ。広告案件を長くやっているとローンチして「ハイ、おしまい!」というケースも多く、「継続するのが苦手病」という悪い病に罹患しがちになります。(カンヌでゴールド獲っていたあの素敵なサービスどうなったっけ?と翌年観にいくと、何も更新がなかったりサイトがなくなっていたりするのは日常茶飯事...)お店はその逆で、いかに継続していくか、いかにこの拠点を使って新しい繋がりを作り、新しい価値を創っていくのか、が大事だったりします。まだ僕らはスタートラインに立っただけで、ここからマラソンが始まるという気持ちで、どんな面白いことができるかをみなさんとも一緒に考えていきたいと思ってます。

例えば、日本でキュレーションした商品たちを、「ショップウィンドウ・スワップ」みたいな形でドンドンNew Yorkでも紹介していきたいと目論んでいます。素晴らしい商品だけど、大きなメーカーではないからなかなか海外展開をするチャンスがないようなプロダクトを、僕らがサポートして世界に広げていきたい。また逆にNYの最先端のプロダクトを東京に持ってきたいよねぇ、とAndrewたちとも話しています。

他にも、コロナの状況が長引いているので、ロボットを使ってお店に来店できて、リモートでショッピングできるような仕組みも準備中です。また、いろいろなメーカーの方達とコラボして、新しい日用品になるような、新商品開発などもドンドンやっていきたいと考えています。

コロナのせいでリアルなお店は厳しい状況に置かれていますが、僕らはまだまだフィジカル・リテールの可能性を信じています。折しも同じアメリカからb8taのような新しい発想のお店も日本にやってきて、リテールの新しい風がちょっとづつ吹き始めている。それを一時のそよ風で終わらせないようWTFC・Whatever・Fermataのチームで頑張っていきたいと思います。たまーに店番もしているので、ぜひ一度お店に遊びにきてくださいませ!

※お店に関するお問い合わせがある方は、お気軽にhello@newstand.jpまでご一報ください📧


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