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『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?』 読者からの質問に答えます。

『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?進化の仕組みを基礎から学ぶ』(光文社新書)は、進化について解されやすいトピックをもとに、進化学の基礎を分かりやすく紹介する入門書を目指しました。
 本書では、進化についてほとんど知らない読者にも理解してもらえるように執筆しました。とはいえ、進化の仕組みを具体的に説明するためには、遺伝学や生物学の事柄を含めて記載する必要があったので、少し難しいと感じられる箇所もあると思います。また、読者の方のそれまでの理解と違っていて、「まだ納得できない」という人もいると思います。
 そんな中、「noteで読者からの質問に答えるなどのインタラクティブなサイトを立ち上げてはどうか」という提案を頂き、本ページを開設しました。
 本書に対する、質問、疑問、感想などをお寄せください。質問は、本書に書かれている内容に限らせていただきます。すべてには、お答えできないかもしれませんが、できる限り対応したいと思います。

質問の方法

 本ページの下の方に、以下のような、コメント投稿欄があります。ここから投稿してください。場合によって「コメントは作者の励みになります」とか「よかった記事には感想をおくってみませんか」といったように、異なる文面が表示されます(パソコンの場合)。

スマートフォンの場合は、以下のコメントから


質問と回答

全体

● タイトルが『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?』になっていますが、ダーウィンの進化論が間違っている具体的な箇所が書かれているわけではないのでは。
回答: 本書のタイトル『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?』は出版社側からの提案で、サブタイトル「進化の仕組みを基礎から学ぶ」の方が内容を表しています。ダーウィンが進化論を提唱してから、ダーウィン自身の考えも変わったりして、ダーウィンがいったことの何が誤りで、何が正しいかを細部にとりあげ指摘することは、煩雑で意味のあることとは思われせん。また、ダーウィンの時代から、現在まで、様々な進化論についての論争がありましたが、それらの論争史を詳しく解説することも本書の目的ではありません。現在の進化学がどのように進化のメカニズムをどう説明しているのか、また、どのように実証されているのかを、理解していただければと思います。

第一章

●単純なものが生き続けていることや、より単純なものへと「後退」進化する生物がいたとしても、同時に「段階的に複雑多様化する」ことを否定する必要はないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
回答:  生物複雑多様化することを進化ではないとは、書いていません。複雑多様化することだけが進化ではないということです。

第二章

●適応的な突然変異の説明のところで、プラスミドを用いた実験が少しわかりません(88ページ)
回答:  プラスミドとは染色体のDNAとは、独立して複製することができる細胞内の小さな染色体外DNAのことです。実験的にプラスミドに乳糖分解酵素の遺伝子(不活性化した遺伝子)を実験的にプラスミドに組み込み、大腸菌に挿入します。乳糖が豊富にある培地で、この細菌は乳糖を分解できないので増殖できません。しかし、細胞内でプラスミドは増えることができるので、その間に突然変異でたまたま乳糖を分解できるようになります。そうすると、細胞は、その乳糖分解遺伝子を利用して増加することができます。下図参照

第三章

●ドーキンスの利己的遺伝子の比喩が否定的に紹介されています。この点が納得できません。
回答:  この点については、論点をまとめて、以下に掲載しました。


第四章






正誤表

ページは書籍のページ数です。Kindle版は検索してください。

48ページ 2行
誤 6つの変異箇所をもつアレルが頻度を増加させたり
正 6つのゲノム変異箇所でみられる、それぞれのアレルが頻度を増加させたり

268ページ 8行
誤 2000年より以前に人間が意図的に犬を交配させて
正 2000年前より以前に人間が意図的に犬を交配させて

334ページ11行
誤 個体も激減し
正 個体数も激減し、


書評

  1. 6月2日 読売新聞 為末大 

  2. 6月16日 北國新聞

  3. shorebird 進化心理学中心の書評ブログ

  4. 川端裕人 X 

  5. 橘 玲 X

  6. アマゾンレビュー



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