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和歌短歌を味わおう❗️

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大人の国語の教科書です。情報を得る読書もいいですが、心が疲れたときは「感じる文学」も有効です。
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2016年4月の記事一覧

【俳句鑑賞】停年の後のことなどふらここに 義明



ふらここ。これ、実は「ぶらんこ」のこと。春の季語なんです。ぶらんこはふらここ以外にも、鞦韆(しゅうせん)、秋干、ふらんと、半仙戯(はんせんぎ)とも言われます。俳句をしていると言葉を覚えますね(笑)。

なお、なぜ半仙戯という漢字が当てられているかというと、

〔唐の玄宗が寒食(かんしよく)の日に,宮女に半仙戯(鞦韆(しゆうせ))の遊戯をさせたことから。「半仙戯」は半ば仙人になったような気分にさ

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【俳句鑑賞】春尽きて山みな甲斐に走りけり 普羅

【俳句鑑賞】春尽きて山みな甲斐に走りけり 普羅

時期、まさに晩春。あと1週間ばかりで暦の上での「夏」が始まる。晩春のこの時期、夏にむけたワクワク感で心も体も満たされている幸せを感じる。

前田普羅(まえだふら)。1884年(明治17年)4月18日 - 1954年(昭和29年)8月8日)は、俳人。高浜虚子に師事。「辛夷」主宰。本名は忠吉(ちゅうきち)。別号に清浄観子。(以上Wikipediaより)

俳句には山岳俳句というものがあり、これは登山し

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【俳句鑑賞】春深し女は小箱こまごまと 青邨

【俳句鑑賞】春深し女は小箱こまごまと 青邨

山口青邨(1892-1988)俳人。岩手県出身で高浜虚子に師事。工学博士として東大に勤めながら作句に励んだ。科学者としての目も生かした写生・観察に加え、省略や象徴、季語の活用によって複雑なものを単純化することを目指した。(以上Wikipediaより)

ところで、揚句の季語は「春深し」。2月4日から5月5日までが俳句でいう「春」となるので、春が深い季節は桜が散った後のちょうど今頃というところか。4

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