島嶼化した日本人 その4 〜衰えた言語能力〜


私の不得意科目は英語だったので、ブラジルへ行っても言葉で困るだろうと思い45日間の移民船の中で「基礎ポルトガル語」を四回精読しました。
しかし、ブラジルに来てもなかなか"ポ語"がうまくならず、半世紀過ごしても、ブラジルのTV番組は半分ぐらいしか理解できません。

周囲を見ても、私よりポ語が下手な日本人は結構たくさんいますし、私の家内は日系植民地で生まれ育ったので、ポ語が上手くありません。
世界でも日本人の英語下手は知られていて、よく小話にもなっていたりもしますが、やはりこれは「島民特有の機能的問題」で、新しい言葉を記憶する言語領域が不活性化してしまったのではないか……と思います。

日本列島に定着した私たちの先祖は、異民族と異言語に接する機会がほとんどなかったと思いますが、例えば北欧のバルト三国はあんな小さな国なのにそれぞれ三つの言葉があって、中には英語で交流する人もいるそうです。
シンガポールなどでも、英語 マレー語 印度語 中国語が使われているそうですから、大陸の人々は異言語が出来ないと仕事になりません。
特に遊牧民やジプシー(ロマ)、ユダヤ人たちのように移動する民族は、いち早く異言語を覚えないと生き残れなかったことでしょう。

しかし有史以来、日本人にとって方言はともかくとしても、異言語習得などは全くその必要性がなかったので、異言語習得遺伝子が眠ったままなのでしょう。

もう一つの大きな理由は、島の人々は隣人と問題を起こしても、大陸のように移動できないので逃げ場がありません。それで口は禍の元だからと寡黙は美徳になり、日本人はしだいに口下手になっていったと思います。
菅総理や二階幹事長の話しぶりなどは、その実例です。

p.s.
子供の学校で父兄会があったので、一度行ったことがあります。日本人の父兄は一言も言わないのに、ブラジル人の父兄は我先に発言するので、先生の話がよく聞こえませんでした。

<今日の名言>
・すぐに神様、神様と口に出す人が信仰深い人とは限らない。

・行く言葉が美しければ、返る言葉も美しい。 

お読みになって頂きありがとうございます。宜しくお願い申し上げます。