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資格取得は学びのはじまり

 こんにちは。かけだし教育心理学者の遠田将大(えんたまさひろ)です。

 2023年1月中旬,同僚の先生から「准学校心理士の資格を得た学生に研修を行ってほしい。」と依頼をいただきました。
 今回は,その研修を企画する時に考えたことを言葉にしておきます。

心理職に携わる学生に何を伝えたい?
 依頼を頂いたのはいいのですが,何を伝えたらいいのでしょうか。「皆さん,がんばってください!」だと抽象的すぎる感じがしますし,がんばり方を間違えてただがむしゃらにやると相手が見えなくなってしまう恐れがあります。では、カウンセリング技術を伝えるというのはどうでしょう?確かにそれも重要だとは思います。が,これから相手の心と向き合っていく時には、技術よりももっと大切なことー例えば相手を尊重する、相手を受け止めるーがあるような気がします。
 「これから保育の現場で心理士として働く学生に,私は何を伝えたいのだろうか?」,これについて考えていくと,伝えたいことがだんだんと明らかになってきました。

”資格取得は,学びのはじまりである”

資格の持つ影響力
 資格は,ある分野に関して一定程度の専門知識や技術を有することを証明するものです。ですから,その分野で実際に働きはじめる時に確かに役立ちます。
 私は教員専修免許状や公認心理師,学校心理士などを所持していますが,学校や大学のクリニックでカウンセラーとして勤務する時,大学で教職科目や心理学を教える時には,確かに学んだことが役に立っています。

それで十分ではない,だから学び続ける
 では,心理士の資格を取りさえすれば,どんな悩みを持つ子どもや保護者にも,十分対応することができるのでしょうか。これは個人的な意見ですが,私の場合はそうではありませんでした。経験値が少ない私が,子どもや保護者の悩みや葛藤に寄り添っていくには,学び続けることが不可欠だったのです。少しは役に立てるようになったかな…そう思う頃には,自分の力量を少し超えたトピックがやってきました。私は,そのたびに物事の見方やカウンセリング技術を学び直しました。

私が伝えられること
 このような経験からつくづく思うのは,資格取得は出発点であり,そこから本当の学びがはじまる,というものです。
 ですから、私が准学校心理士の資格を取得した学生に伝えられることがあるとすれば,それは次のようなことです。

「みなさん、資格取得おめでとうございます。私は、資格取得から学びが始まっていくと考えます。これからも一緒に学び続けていきましょう。」

この言葉から研修を始めることに決めました。

おわりに
 今私は,子育てをしながら,博士論文審査準備,特別支援教育士の資格取得研修を受講しています。このどれもが,深く関わってみると分からないここと,自分の言葉で説明できないことが多く,それまで分かった気になっていた自分がいたことに気づかされます。
 これから先も,分かった➡分かった気になっていたことに気づく➡さらに学ぶ…この繰り返しを続けていくことになるのでしょう。私のモットーは,人やデータと誠実に向き合っていくことなのだから,この学びのプロセス自体を思いっきり楽しんでいきたいと思っています。

        最後まで読んで下さり,ありがとうございました。

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