見出し画像

【感想】Nintendo Switch『メグとばけもの』

本作の存在を知ったのは昨年6月放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』

楽しみに待っていたところ9月末に発売延期の知らせが。
まぁでもそのおかげで(?)年末年始は別のソフトを遊べたし結果オーライ。

それでも待ち続けて、遂に発売されたので早速プレイしたらこれがまぁ素晴らしかった。

ゲームとして

これまでにnoteで何度か書いてきた通り基本的に僕はゲームには疎い。
そんな自分でも本作は問題なく数時間でクリアできた。
よって難易度はそこまで高くない(はず)
複雑なアクション操作も要求されない(ゲーム後半に連打とか多少のボタン操作が必要になる場面はあるけど)
裏を返せばゲーム経験が豊富な方の中には物足りなく感じる人もいるかも?

バトルもポケモン的なRPGと同様のシステムというか、攻撃・防御・回復アイテムなどを1ターンごとに指定する形式。
そんな本作の肝になるのは「ロイは最初から強いけれど、か弱いメグのHPがゼロになった時点でゲームオーバー」という点。
その2人セットで戦うため「攻撃力は高いけど防御力とHPは低い」イメージ。

  • ここはガンガン攻撃して敵のHPを削ろう。

  • そろそろ回復アイテムを使っておこう。

  • 攻撃力チャージのためこのターンは防御でやり過ごそう。

  • 敵が何か仕掛けてきそうだから念のため防御を固めておこう。

といった選択を毎ターンやっていく。
パズルのように頭を使うタイプなのでゲームに不慣れで指が鍛えられていない自分のような人でもクリアできる。

ストーリー進行も迷うことはない。
次に行くべき箇所が赤く表示される。
良くも悪くも一方通行。
サブイベントは緑色で表示されるので純粋にクリアしたいだけならスキップ可能という親切設計。

だからといってサブイベントを無視してメインだけを先に進めようとはならないのが本作の凄いところ。
それはシナリオが実によく練り上げられているから。

“映像作品”として

感想ツイートにも書いたけれど本作最大の魅力は物語。
クリア後は1本のアニメ作品を観たような満足感と感傷に浸れる。

序盤はコメディ。
魔界に迷い込んできてしまった少女を人間界に送り届けるのがゴールらしいという所からスタート。
現在リアルタイムで配信真っ最中の『マンダロリアン』や『THE LAST OF US』にも通じる子連れ狼スタイル。

しかし、オープニングムービーや要所要所で何やら不可解な謎が撒かれていく。
その全貌が明らかになると物語は一気にシリアス路線へ。
このシナリオが巧いのが前半のコメディ演出と可愛いドット絵(後述)によってキャラクターに愛着が湧いており「みんな幸せな結末を迎えてほしい!」と感情が誘導されること。
あのキャラとあのキャラが戦わなければならない場面のやりきれなさといったら…
脚本と呼んで差し支えないレベルの見事な構成力。

しかも物語はそこからさらに二転三転していく。
行き着く先は『ブラッシュアップライフ』か『TENET テネット』か、はたまた『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』か。

サブストーリーも含めて語られる真相は本作をプレイし始めた時点では全く予想だにしなかった景色へと連れて行ってくれる。
あの脇役キャラにあんな背景が…!

そして物語は感動のラストへ。
途中からはムービーの流れる割合が多くなってくるので(ここはゲームが好きな人からすると賛否分かれるのかも)ほとんどアニメ映画を観ているような気持ちになっていた。
本当に見事なシナリオ(脚本)

そのストーリーテリングを支える演出面も忘れてはいけない。
往年のRPGを彷彿とさせる温かみのあるドット絵。
僕の世代だと『MOTHER』シリーズに近いと思う。
近年の3Dグラフィックに慣れていない自分はこのテイストとても嬉しかった。
この絵でキャラクターに親しみを抱かせておいてのあのストーリー展開はズルいw

あと劇伴(と呼んでしまおう)めちゃくちゃ良い!

音楽だけに絞った公式サイトまである!
すげー!

物語が秀逸でプレイヤーの介入余地は少ないゲームという点では偶然にも昨年末に遊んだ『GOODBYE WORLD』も近かった。

これもドット絵。

HBOドラマ『THE LAST OF US』のヒットでゲームの実写化はこれからブームになりそうだけど、こういう「アニメ作品のような魅力のあるゲーム」も良いな。

この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

ゲーム初心者におすすめ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?