【日本の部活批判】先輩に片付けをやらせるべき3つの理由
今回はオーストラリアのサッカークラブでプレーしている中で思考を巡らせたことについて書く。
オーストラリアのチームでは、用具を準備したり片付けたりするのは歳が上であろうがコーチ、監督であろうがみんなやる。
その中でふと考えたのは「どういう風にすれば準備や片付けを効率的にできるのか」ということである。
その「効率」という点を考えた際に、むしろ先輩に片付けをやらせる方が効率が良いのではないかという仮説が立った。
先輩に片付けをさせた方が部活にとって効率的である理由は以下の3つ。
・「伝統」という非効率な習慣を産まなくて済むから
・後輩は先輩より「ROI(投資利益率)」が高いから
・後輩に片付けを教える手間が省けるから
*異論は大歓迎ですが、今回は上級生は受験で忙しいという外部的理由や、年齢が上の人に片付けなどさせてはダメだという年功序列的価値観などの倫理的問題は一旦外に置いて考えないこととしていることだけ先に断っておきます。
以下の帝京大学ラグビー部の記事は、実例として僕の主張を擁護するものとなり得ると思います。
■「伝統」などという非効率な習慣を産まなくて済むから
*ここでの「伝統」とは「非効率なのに伝統という名前で武装され語り継がれる非効率な習慣」を指す。
「伝統」が後世に受け継がれる理由はなんだろうか。
・日本の部活には、古くから語り継がれてきたものは思考停止して継承する謎の文化があるから
・非効率性に気付き下の世代が変革しようとしても、上の世代の先輩に逆らうことが良しとされないから
わかりやすく、それぞれ日本の部活の準備や片付けに例えて考えてみよう。
・入学当初に片付けのやり方を叩き込まれ、それ通りに片付けを行わなければならない。
・教えられた通りに片付けをしないと先輩から怒られる。
「伝統」が生まれる原因は、まだ環境に慣れておらずストレスを抱えた状態で経験の浅い後輩の行動を先輩という権力を使って強制し、思考停止状態に陥らせることにある。
また、そのプロセスにおいて後輩が非効率なところを見つけても先輩の言うことは絶対だからその非効率な構造自体を変革することができず、「伝統」は残り続けるのである。
では、3年生が片付けを行ったらどうなるだろうか?
・自分たちが3年生になった時に、それまでの2年間で見てきた先輩たちの片付けの方法から学びながら、一番効率的だと思う方法を作り出したり真似したりできる。
・自分たちが一番先輩なので、例え日本の年功序列の仕組みの中でも気を使わずに改革できる。
良いことづくしだと思われないだろうか?
■後輩は先輩より「ROI(投資収益率)」が高いから
「ROI(投資収益率)」とは株式の投資効果を計る指標であり、株式への投資額に対してどの程度の利益があったかを表すものである。
ここでは「株式」を「選手」に例え、「株式で得られる利益」を「選手がどれほど部活に貢献できるか」と例えている。
1年生と3年生で部活を引退するまでの時間を考えてみよう。
言わずもがな1年生は3年間で、3年生は1年間である。
ということは3年生より1年生に投資をした方が、長期的に考えて見込める投資収益率が高いのである。
*複利、PV(現在価値)、NPV(正味現在価値)などの小難しい話はここでは置いておく
簡単に言い換えるならば、「1年生の方が3年生よりも残された時間が長いので成長の幅が大きい」のある。
なので、1年生に片付けなどの雑用をやらせるよりも練習の時間やサッカーについて考える時間を与える方が部活全体にとって圧倒的に効率的なのである。
1年生と3年生で同じレベルの選手がいたら、監督は明らかに1年生の選手を優先して試合に出すべきであろう。
それと同様に考えれば3年生が1年生に代わり片付けをやることで、1年生に成長の時間と機会を与えるべきではないだろうか。
■後輩に片付けを教える手間が省けるから
日本の部活には1年生が入部してからしばらくの間、先輩が1年生に片付けの方法を教える「片付け月間」などという非効率な制度が存在する。
入りたてで何も知らない後輩に片付けを教えて指示通りやらせ、片付け月間などといった無意味な時間が出来る。
3年生が片付けをやれば、それを日頃から見ている後輩は見知らぬうちに片付けが出来る様になり、彼らが3年生になる頃には何をやれば良いか自然に分かっているだろう。
例えば、片付けにおいて大変なことのうちの一つにグラウンドのどこかに消えて無くなったボールを探し出す作業がある。
「ボールがグランドのどこによく消えるかやどこで見つかりやすかなんて、3年も同じグラウンドでサッカーしている3年生の方が経験上よく知ってるでしょ...」
僕はこう言いたい。
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