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日の目を浴びぬ音の世界に魅せられて

目立たないもの、日の目を浴びないものにこそ価値があると信じ、そこに確信を持って生きていく。そんな私の人生哲学と、音の世界での30年以上に渡る探求の旅路を紹介します。普段は気づかれない音の魅力、そしてそれを追い求める情熱について、皆さんと一緒に考えていきましょう。


目立たない音への情熱

私の研究対象は、一見すると目立たない音の世界です。物音や環境音など、日常生活で無視されがちな音に焦点を当てています。この分野は30年前、ほとんど注目されていませんでした。目に見えるもの、分かりやすいものが重視される中、あえて意識されない曖昧な無形物に価値を見出す。それが私の探求の始まりでした。

農学部、音楽学部、工学部と、様々な分野を経て、現在はメディア表現学部の教員をしています。一見すると遠回りに見えるかもしれませんが、この経歴が今の私を形作っています。多様な視点から音を捉えることができるのは、この独特な経歴のおかげかもしれません。

音の世界、特に私が注目している分野は、人々の意識の片隅に追いやられがちです。しかし、そこにこそ豊かな表現の可能性が眠っているのです。例えば、街の喧騒の中に潜む微かな音の響き。あるいは、自然の中で耳を澄ませば聞こえてくる、生命の息吹。これらの音は、私たちの日常に彩りを添え、時に心を癒してくれます。

確信が支える30年の探求

30年以上この分野に携わってきましたが、未だに周囲からの注目度は高くありません。時折メディアが取り上げたり、取材を受けたりして、「面白い視点ですね」と言われることはあります。しかし、ほとんどの時間は、まさに「スルーされている」状況です。それでも、私にはこの分野への確信があります。「みんなが気づいていない良さがある」「これを知れば、地味だけど幸せを感じるはず」という思いが、私を突き動かしています。

音には、他の感覚では得られない、心を深く動かす力があるのです。例えば、懐かしい場所の音を聴くと、まるでタイムスリップしたかのように過去の記憶が蘇ります。また、自然の音に耳を傾けると、私たちが忘れがちな地球との繋がりを感じることができます。

この確信が活動を続けられる原動力となっています。学会発表で辛辣な意見を受けたこともありました。学生の頃、若手研究者として突っ込まれたり、無視されたりすることも少なくありませんでした。しかし、両親の理解や指導教授からの深い見守り、そして少数ながら共感してくださる方々の存在。これらすべてに支えられ、深く感謝しながら、私は歩み続けてきました。

音の魅力と未来への展望

現在、音声配信も行っていますが、継続的に聴いてくださる方は本当に少数です。統計を見ると、多くの方が1回か長くて2週間から1ヶ月程度で次のコンテンツに移っていきます。来るもの拒まず去る者追わず、の精神です。それでも、30年以上この道を歩んでこられたのは、自分なりの「確信」があるからこそです。

音の魅力は、その瞬間性と普遍性にあります。一度鳴った音は二度と同じように鳴ることはありません。しかし、その音が呼び起こす感情や記憶は、時を超えて私たちの心に残り続けます。例えば、子供の頃に聞いた風鈴の音。その音を聞くだけで、夏の暑さや、家族との団欒を思い出すことができるのです。

私は、この音の持つ潜在的な力を多くの人に伝えたいと考えています。日常の中で無意識に聞き流している音に耳を傾けることで、新しい世界が開けるかもしれません。それは、ストレス社会に生きる現代人にとって、新たな癒しや気づきをもたらす可能性を秘めているのです。

これからも、目立たない音の世界に光を当て続けていきたいと思います。日常の中に隠れた音の宝石を見つけ、それを多くの人と共有する。それが私のライフワークと考えています。皆さんも、今日からぜひ、周りの音に耳を澄ませてみてください。きっと、新しい発見があるはずです。

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