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畔塗、春耕、荒代掻き~田植えの準備~

3月にのぎとりをして、種子選別をして、籾まきをして。
3月~4月はまだまだ氷点下になる日もある佐久地域。
時にはストーブたいたりして見守ってきた苗がしっかり育ってきました。(講師の磯村さんのハウスで育苗してもらっています。様子を適宜UPしてくれるのですが、これは本当に気も使うし大変な作業です)

発芽
寒い日はストーブを焚く
苗に刺激を与えて強くする
大きく育ってきたのでハウスから田んぼへ


そして気づけばもう5月。
今月末はいよいよ田植えです。

さて、田植えをするまでにやることが「畔塗り」と「春耕」と「代掻き」です。今回は、その様子をご紹介します。

◆畔塗り(あぜぬり)

畔は田んぼを取り囲んでいる土の壁とでも言ったらいいでしょうか。こうやってしっかり壁を作ることで、田んぼから水が漏れないようにする防水加工です。

鍬で壁を作って、しっかりと固めて、畔シート(畔板)を設置します。

畔をつくる
畔シートをはる
畔板のほうが長持ちします

畔塗りは、土が乾燥しているとうまくできないので、雨の降った後など土がある程度水を含んだ状態を狙って作業を行います。

でも、トラクターあれば、そんなの関係ねー!と一発で仕上がります。
手作業でやればやるほど、機械の偉大さと、開発しよう!という想いに至ることが当たり前であることを痛感します。実際僕らも手作業でやったところとトラクターでやったところがありますが、トラクターは早くて丈夫でしかもきれいな畦ができます。使えるものは使って、バランスをとってやっていきたい、と思っています。

クボタのページにトラクターでの畔塗が載っていたので、貼っておきます。


◆春耕(しゅんこう)

そして、次に春耕(しゅんこう)です。
昨年収穫が終わった後田んぼにわらを細かくしてすき込んだわけですが、こうやって春耕すことで稲わらの分解を促進します。微生物がしっかり働いてくれるように環境を整えるわけです。また、この時肥料を入れることで、まんべんなく混ぜ込むことができます。

こちらはさすがに鍬や鋤でやれるほどの面積ではないので、トラクターを使います。トラクターの乗り方を教えてもらいながら、メンバー全員で耕します。

◆荒代掻き(あらしろかき・代掻き1回目)

さて、今年は新たな試みを。
代掻きをする前に、佐久産の「竹パウダー」を蒔いてみました。
こちらは「竹林複業化プロジェクト」で仲間とつくったものです。

竹パウダーは、生竹を粉状にして乳酸菌醗酵させたもので、これを田んぼにまくことで有用微生物の働きを活性化させ、良い土壌を作ってくれます。
いろいろやり方があり、春耕の時に一緒にすきこむ方法や、今回僕らがやったように水を入れる直前に散布したり、水を入れてから散布する方法があるようです。僕らも初めての試みなので、どうなるかわかりませんが、きっとおいしいお米を育てる一助になってくれるはずです。

竹パウダーをまんべんなく撒く
代掻きをする2日前くらいから水を入れて準備

さて、戻します。代掻きです。
代掻きは、田んぼに水をいれて、土を砕いて平らにしていく作業です。
また、雑草対策でもあります。除草剤をいれる方法だと、代掻きは1回しかやらないようですが、僕らは2回代掻きをします(荒代掻き、本代掻き)。荒代掻きをしてから2週間程度間を開けることで、雑草を発芽させ、本代掻き時に雑草を土中に埋め込んだり、浮かせて除去することで雑草たちをやっつけます。


実は去年、水が溜まらないというトラブルがあり、この荒代掻きが出来たのは田んぼの半分。つまり、もう半分は1回しか代掻きができませんでした。そして見事に、その1回しか代掻きが出来なかった方は、雑草がものすごいことになり非常に苦労しました。(でも雑草を抜く作業、普段デスクワーカーだらけのメンバーなので、自分を整える時間として非常に良かったようです)

昨年の様子。半分しか水が溜まらないトラブル
昨年の様子。半分しか水が溜まらないトラブル

ちなみに、2回代掻きが出来たほうは、それほど雑草が生えてこなかった。先人の知恵というのは本当に素晴らしい。

という意味で、今年は全面2回代掻きが出来そうなので、雑草がどうなるかの「検証」という意味でも楽しみです。

話はそれますが、そういえば、、、
田んぼを自分で始めると、他の人たちはどうやっているんだろうと気になり目が行くわけですが、ほとんどの田んぼは代掻きを1回やって、数日後には田植えをしていることに気づきました。除草剤を入れる場合は、雑草対策はそれで済むので、1回代掻きやれば十分ですもんね。大きくやるところは、やっぱこうしないと難しいよね、と体感します。


僕らのように、2回代掻きをやるのは手間ですが、違った面でもよいことがあります。2週間程期間開けるのでこの景気が2週間も楽しめます。山にはいろいろな緑色。夕陽に朝日。田んぼの水鑑。あぁ、生きてる、って心から感じることができあます。最高です。


◆農業を複業にする効果

春耕していた時は、まだ周囲は「茶色」が多かったですが、代掻きする頃には様々な種類の「緑色」が出現。この環境の中で農作業をすることだけでも身体的にも精神的も非常に良い効果があると思います。ぜったい幸福度上がってます。これは、普段農に触れていない人が農業複業化することの大きなメリットのひとつだと思っています。

さて、本日はここまで。
次回は、田植えの数日前に「本代掻き」をして、いよいよ田植えです。
米作り前半戦で最も気持ちがもりあがる局面です。

また、レポートしますね。


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