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自然の驚異。自然の恵み。

先日の台風19号。各地に甚大な被害をもたらしましたが、こちら佐久地域も局所的にかなりの被害にあいました。うちやまコミュニティ農園のある内山地区は、群馬県境の中山間地域にあります。農園の横を流れる、普段は穏やかな滑津川も19号当日は下流域で氾濫してしまいました。

実は19号が直撃した日、うちやまコミュニティ農園で初めてとなる稲刈りの日でした。当然日程は延期にしましたが、台風当日と翌日は農園への国道が通行止めになるほどの状況でした。

通行止めが解除となり、恐る恐る農園に行ってみます。滑津川に面している(この敷地では数少ない耕作者の)お隣の大豆畑は悲しいかな、流されてしまっていました。あんなに青々と茂っていたのに、、、ほんとうにやるせない気持ちです。川沿いに張り巡らされていた2M以上はある鹿避け用の鉄柵も流されたり破壊されたり、休耕地になっている田んぼはまるで砂浜かのような風景になってしまっていました。普段は川遊びができるほど穏やかな滑津川が、こんな状態になるとは・・・自然の厳しさを肌で感じます。

橋の上も泥が流されたような跡があったので、きっとそのあたりまで水位があったと思うと、本当にぞっとします。

普段の滑津川

僕たちの田んぼはというと、幸いなことに被害はなく、安堵しましたが、お隣の畑のことを考えると複雑な思いです・・・ただでさえ高齢化が進んでいる農業従事者、今回の災害をきっかけにやめてしまうんではないかと、少し心配です。

でも、下を向いていても何も始まらないのです。幸い僕らの田んぼは無事だったので、できることを、ということで数日後稲刈りを行いました。ただ、こういった台風の影響がまだまだ残っている最中だったので、メンバー限定で、来れる人での実施です。

稲刈りは、手刈りと機械刈りでやりました。手で刈る場合はカマで稲を刈り、ハゼ掛けができるようにひもで結びます。機械の場合は、このひもを結ぶ作業までやってくれます。実際に人力でやってみると、機械の偉大さがわかります。機械サマサマです。

そして、稲を刈ったら、ハゼ掛けです。昔からこの地域に住んでいるので、「ハゼ掛け」の意味を考えたことがなかったのですが、よい機会なので少し調べてみました。一般的には稲木(いなぎ、いなき、いのき)と呼ばれているようで、地方によって稲掛け(いねかけ、いなかけ)、稲機(いなばた)、稲架(はさ、はざ、はせ、はぜ、はで)、牛(うし)などの呼び方があるんだそうです。要は、木などで柱をつくって、そこに横木をかけて、稲をかけられるように作った、こんなものです。

昔は丈夫な木を使っていましたが、最近ではホームセンターにアルミ製のものがあるので、僕らはアルミ製の「稲架(はぜ)」を組んで、そこにひもで結んだ稲をひたすら掛けていきます。

ハゼ掛けですが、そもそも何のためにするのか?ですが、これはお米を天日干しにして自然乾燥させてるためです。
お米の周りには籾と言われる殻がついていますが、稲刈り直後の水分含有量で保存してしまうとカビが生えてしまったり、芽が出てしまったりなど劣化して今します。そのため、乾燥が必要になってきます。

また、ハゼ掛けで天日干ししたお米はおいしい、とも言われています。
それは、機械ではなく自然に乾燥させるので、お米のひび割れがしにくくなったり、稲刈り後も茎や葉と一緒にしばらくの間干しておくので、養分がお米に蓄積され旨味がますともいわれているそうです。が・・・僕個人では科学的な裏は取っていないのでわかりません。ただ、何となくハゼ掛けのお米はおいしいような感覚になります。きっと、この稲刈り後の風景が、そうさせるのかもしれません。

稲刈り無事終了です。

そういえば、この田んぼ、農薬も肥料も使っていません。
雑草も、実はあまりとらなかったのですが(つまりほったらかし苦笑)、つながり自然農園でお米作りもしている、うちやまコミュニティ農園園主の磯村さん的にも、しっかりと育っているそうです。

なんと。。。脱穀して精米して炊いて食べるのが、本当に楽しみです。

この10月は、自然の驚異をしっかり見せつけられましたが、自然の恵みもまたしっかり見せつけてもらいました。自然と共存していける環境を、未来にも繋いでいけたらと、思っています。

脱穀は11月2日(土)の予定です。稲刈りで本当はやろうと思っていたダッチオーブン料理は中止してしまったので、11月2日にリベンジしたいと思います。


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