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25年目の悲願。今年こそは、ベイスターズが頂点へ。|第25回:『メジャーリーグ』(1989)
僕は小学校5年生のときに横浜スタジアムを訪れて以来、横浜DeNAベイスターズのファンをやっています。当時はまだ横浜ベイスターズという名前で、とてつもなく弱いチームでした。特に僕が熱心に野球を見ていた2000年代後半は、2006年が6位、07年の4位が最も高い順位でその後は6位、6位、6位と3年連続で最下位だった。しかも3年連続90敗というプロ野球記録のおまけつきで。あまりにも弱すぎて、たまに勝つと涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。
どうしてこんなに弱いチームが好きだったのかというと、単純に言えば「かっこよかった」から。成績はビリだったけど、本拠地がある横浜の街はオシャレで東京にはない落ち着きを感じさせるし、ユニフォームのデザインやロゴもキマっていて、とってもスマートに見えた。
他のチームは派手なオレンジや黄色が主体なんだけど、横浜は鮮やかな青色で、ハマスタのカクテルライトに照らされるとより一層輝いて見えた(今はすべてLED)。
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引用:https://www.baystars.co.jp/homeuniform/?pctop=&utm_campaign=homeuniform
もちろん、長い間チームは勝てなかったし、かっこよかったユニフォームが2009年に変更されるときは真剣にファンをやめようと思ったこともあった。それでも、なんだかんだ言いながら今日まで15年近くベイスターズを見続けていることになりますね。
映画『メジャーリーグ』(1989)
野球を扱った映画のひとつに、デヴィッド・S・ウォード監督の『メジャーリーグ』がある。現実のメジャーリーグに所属するクリーブランド・インディアンス(現:ガーディアンズ)を舞台にしたコメディー映画で、こちらもベイスターズ同様にあまり強くないチームです。おまけに、球団オーナーのレイチェルはチームを強くする気は全くなく、むしろチームが負ければ球団をマイアミに移転させられるからと、最下位を目指すように指示する始末。この映画は、そんな自他ともに認める弱小チームが、メジャーリーグを勝ち抜き、プレーオフへ進出し、優勝を目指す……というような話です。
割とシンプルな話で、言い方を選ばなければ「王道の展開」とも言える。個人的には、この手の結末が見る前から分かるような映画ってあんまり好きじゃないんだけれど、この映画はその分かりきった結末も含めて、楽しむことができる。
実は僕も昔、プレイヤーとして野球をやっていたことがあったから少しは分かるんだけど、チームが強くなるときって何か大きな変化よりも、小さな変化、それもささいなことがきっかけだったりする。たとえば、いつも負けてた相手にたまたま勝てたことで自信がつくみたいな。これは単なる一例に過ぎないが、作中でもインディアンズのピッチャー、リッキー・ボーンもメガネを掛けたことでコントロールが良くなるし、ウィリー・メイズ・ヘイズも自分の脚力を生かすスタイルに変えたことで盗塁をバンバン決めるようになる。一人ひとりの変化は小さくとも、それが合わさっていけば、やがて大きなうねりへと変化することだってあるのだ。
“ラジオをお聞きの皆さん信じられますか?インディアンズは今日、何と4対2でシカゴ・ホワイトソックスを破りヤンキースと同率で首位に出ました”
とはいえ、前年まで最下位だったチームが1年で優勝できるのか?というと、かなり確率が低いのが現状だ。
例えば、メジャーリーグでは1991年のツインズとブレーブス、2013年のレッドソックスくらいだし、日本のプロ野球だと2021年にスワローズとバファローズの両方が前年最下位から優勝したけど、それ以外に5球団しかないから、映画メジャーリーグはほぼ奇跡と言ってもいいだろう。
でも、不思議なことに毎年毎年優勝を夢見てスタジアムを訪れてしまうんですよね。今年のチームは一味違うぞと、意気込んで。スポーツに限らず僕らは、そういう一縷の望みみたいなものを求めて生きているのだと思う。
25年目の悲願。横浜DeNAベイスターズの優勝を
あいにく、横浜DeNAベイスターには元服役囚の剛速球ピッチャーも、別れた恋人をストーキングするキャッチャーも、勝手にキャンプに乗り込んでくる住所不定無職のスピードスターも居ないけれど。それでも今年こそは、何かやってくれるんじゃないかと思っています。
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